Siemens Digital Industries Software社がNXにサステナビリティインパクト分析を導入

2023年 4月17日

Siemens Digital Industries Software社 2023年4月6日

Siemens Digital Industries Software社は2023年4月6日、同社のソフトウェアとサービスで構成されるSiemens Xceleratorのフラッグシップ製品技術ソリューションであるNXに、世界レベルの環境影響データおよび評価機能を導入することを発表した。

サステナビリティインパクト分析

NXのサステナビリティ影響分析は、環境影響評価を製品設計プロセスの中心に据え、正確な最新データに基づくスマートな意思決定を可能にするものである。この新しいモジュールにより、組織は30以上の多岐にわたる環境影響項目に基づいて、設計に関する決定がもたらす影響を計算、閲覧、評価することができる。さらに、リアルワールドデータと設計要件に基づくCADネイティブの機械学習駆動型材料推奨機能も導入しており、設計プロセスから製造、物流、使用段階、そして最終的な製造中止までの情報を、接続されたエンタープライズシステムで最大限に活用する。また、学習した情報を設計のイテレーションにおいて再利用することも可能となっている。

CAD設計プロセス

企業は、設計プロセスの透明性が増すことで、デジタルツールを継続して最大限に活用することができるようになる。企業が環境への影響を追跡し、その最小化に向けて取り組む中で、NXのサステナビリティ影響分析が提供する指標と評価機能は、設計に影響を与える主要KPIの最大40%の削減に貢献する。

CADのサステナビリティ機能

設計者やエンジニアは、製品ライフサイクルの全段階における環境への影響の計算やロールアップ、what-if分析、クラス最高のライフサイクル評価モデルとデータセットを活用した機械学習による材料選択の最適化などを行うことができるようになる。このデータは、従来のレポート形式でエクスポートでき、NX内部で保持し、グラフィカルでリッチな3DベースのHD PLMレポート機能を使用して閲覧することができる。

Siemens Digital Industries Software社シニアマーケティングディレクターのPAUL BROWN氏は、今回新たに導入された機能について次のように述べている。「設計者やエンジニアは、製品が持続可能性の要件を満たしていることを確認するために、かつてないほどのプレッシャーにさらされています。従来は、開発の初期段階で製品の環境への影響を評価するための統合された効率的な方法はありませんでした。今回のこの方法では、炭素排出量に基づく決定を、製品開発に関わるほかの多様な要素と一緒に行うことができるようになっています。」

製品の循環性の実現

NXのサステナビリティ影響分析は、設計から製造、さらには物流に至るまで、製品のライフサイクル全体を対象としており、材料の採取や部品材料の影響だけでなく、組み立てや製造、輸送、使用済み製品の影響についても評価・報告することができる。

設計時に確立されたサステナビリティデータは、最終的に製造された実際の部品やプロセスから測定されたデータと比較することが可能となっている。また、このシステムはシーメンスのデジタル物流ソリューションであるSiemens Digital Logisticsを活用して、輸送関連の二酸化炭素排出量の影響についても評価を行う。さらに、シーメンスの製品ライフサイクル管理用ソフトウェアTeamcenterに取り込んだ要件から、設計に関する環境目標や要件を導出し、要件や環境クレジットに対する検証に活用することができる。

最後に、このような基本的なデータを管理されたデータ環境内のインテリジェント製品モデルに取り込むことで、既存の設計ならびに、設計の更新時や次世代製品の開発時に、急速に変化する政府の法律や業界の規制に対する再評価を迅速かつ効率的に行うことが可能となる。

Verdantix社のESG&サステナビリティアナリストであるGUY LEWIS氏は、「企業は、設計プロセスの早い段階で設計者にサステナビリティの指標を提供する能力を必要としています。統合的なアプローチは、発想を変化させ、環境への影響を最適化し、企業が次世代の持続可能な製品を導入することを支援します」と述べている。

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