Vectorworks社が2023年9月にリリース予定のBIMソフトウェア「Vectorworks 2024」のプレビューを公開

2023年 8月21日

Vectorworks社 2023年8月16日

世界的な設計・BIMソフトウェアプロバイダーであるVectorworks社は、同社製BIMソフトウェア「Vectorworks」の最新版となる「Vectorworks 2024」のリリースに向けて現在準備中である。次期バージョンには、プロセスを自動化し、設計者が労力をかけずに複雑な問題に取り組めるようにする包括的なソリューションの提供に特化した製品ラインが揃っており、具体的には、Vectorworks Architect、Landmark、Spotlight、Design Suite、Fundamentalsに加え、ConnectCAD、Braceworks、Visionの2024バージョンが含まれる。

Vectorworks社CEOであるDr. Biplab Sarkarは、今回の最新版リリースに向けて次のように述べている。「Vectorworks 2024は、当社のツールを特定の設計ワークフローに統合するための大きな前進となるものです。当社はホリスティックかつ高度なアプローチを取ることにより、当社のソフトウェアが設計者の自然なプロセスとシームレスに整合するよう努めています。この最新バージョンは、アイデア出しの段階から最終的な実行まで、新しいツールと既存の機能が調和して作動し、混乱なく生産性を向上させるよう、慎重に製作されています」

Vectorworks 2024は、広範な革新的ツールと機能強化を特徴としており、あらゆる業界のVectorworksユーザーに感銘を与えるものとなるであろう。優れたアップデートをはじめ、多くのことが間もなく体験できるようになる。

設計者全般向けの機能

Vectorworks 2024では、設計に要する時間を短縮するための継続的な取り組みとして、ユーザーインターフェイスがアップデートされ、Vectorworksでの作業の効率向上とカスタマイズの容易化が実現する。また、ビューバーとモードバーが再編成されて、さまざまなツールが最前面に表示されるため、ユーザーはツールやショートカットを整理してアクセスを容易にすることができる。

さらに、プロジェクトデータとジオメトリがプロジェクトファイル内で常に最新な状態となるよう、プロジェクト共有機能が再構築される。Project Sharing+は、全ての変更を毎回追跡するため、どのような規模のチームやプロジェクトでも信頼性が大幅に向上する。また、カスタムビューポート設定を「スタイル」として保存できるようになり、複数のシートやプロジェクトファイルのビューポート間で簡単に転送可能となるため、ビューポート設定を複製する手間やエラーが回避できる。

BIMやその他のデジタルデザインワークフローに変革をもたらすというVectorworksのコミットメントは、Vectorworks 2024にも表れている。ネイティブのExcelファイルからデータを参照する機能が新たに追加され、手作業のステップとユーザー入力ミスのリスクが減少することで、外部データへの接続性が高まり、設計者がコラボレーションデータ機能を強化するための新たな手段となる。

また、Shaded Rendering機能がさらに強化され、設計プロセスの早い段階で高レベルのリアリズムを実現することができる。影の描画が強化され、また、リアルタイムのShaded Renderingモードで被写界深度、露出、ブルームを定義して実世界のカメラのような効果を得られるカメラ設定が追加されたことで、自らのデザインを確信をもって評価することができるようになる。

建築家とインテリアデザイナー向けの機能

Vectorworksは、建築家特有のニーズに応えるBIMツールの提供に常に焦点を当てている。Vectorworks 2024では、戸口や敷居のジオメトリが改善され、壁との取り合いの適合性が強化される。また、ドアや窓の周囲の隙間を開口部の各側面ごとに制御できるようになり、ドアの取り扱いについては、詳細なジオメトリと業界標準をサポートするデータが使用できるように標準化される。さらに、マテリアルをドアや窓に割り当てることができるようになり、視覚的表現およびレポートの正確性と一貫性が保証される。

次期バージョンでは、建築家の要求に対応するために再定義された堅牢なパラメトリックオブジェクトも提供される。パラメトリックな手すりやガードレールが階段、スラブ、スロープなどの建築オブジェクトから作成できるようになり、カスタムな構成を作成するために必要な柔軟性と精度が提供される。インテリアプロジェクト用のパラメトリックなキャビネットオブジェクトが新たに追加され、幅広いキャビネット構成を簡単に作成でき、編集やカスタマイズが容易に行えるようになるため、インタラクティブな配置と生成が実現する。これらの機能強化によって、設計者は確信をもってモデルやドキュメントを作成することができるようになる。

ランドスケープアーキテクトおよびランドスケープデザイナー向けの機能

Vectorworksは、ランドスケープアーキテクトとランドスケープデザイナーに直感的な設計ツールとクリエーションツールを提供し、BIMプロセスへの積極的で有意義な参加を可能にする。自動化されたフェンスツールが新たに導入されることで、2D設計・3D設計に要する時間が大幅に短縮されるとともに、正確な材料レポートが実現するため、材料仕様のミスを減少させることが可能となる。簡略表現や詳細な表現向けに最適化されており、一体化された支柱、ゲートや、傾斜・段差などの地形に適合したオプションをサポートしている。ランドスケープデザイナーは、フェンスプロジェクト全体を2Dならびに3Dでデザインするのに必要なツールが得られることで、より正確なドキュメンテーションとより良いコラボレーションを実現できるようになる。

照明およびライブイベントデザイナー向けの機能

Vectorworksは、エンターテインメント業界において手作業で行われている複雑な反復作業に自動化ソリューションを提供することに重点を置いており、その一環として、新バージョンでは機材と在庫の追跡プロセスを統一する機材リスト機能が導入されている。機材リストは、ショーやプロダクションに必要な機材の計画・文書化を行うツールを提供し、製作前のプロセスを合理化する。

また、AV機器の設置に重点を置く設計者向けにConnectCADの「レポートの共有」コマンドが導入され、設計者は設計データを設定可能なワークシートとしてVectorworks Cloud Servicesにアップロードして、あらゆるデバイスのウェブブラウザで表示できるようになるため、全てのプロジェクトパートナーや設置業者が最新の情報にアクセスできるようになる。

Vectorworks 2024は、高度な自動化と問題解決機能で設計者を支援するだけでなく、品質向上を継続的に提供するという長年のコミットメントに基づいて構築されており、大幅な品質向上が期待できる。

Vectorworks社の最高製品責任者であるDarick DeHart氏は、新バージョンのリリースを目前に控え、次のように述べている。「Vectorworks 2024は、卓越性を重んじる当社の伝統を継承し、複雑な問題へのソリューションを重視した品質イニシアチブを体現したものとなっています。我々は、デザイナーが直面する課題に対処する包括的なワークフローの力を信じており、新バージョンの大幅な品質向上について、多くのことをユーザーの皆様と共有するのが待ちきれません」

リリース時期

Vectorworks 2024の英語版は、Vectorworks Service Selectのアクティブメンバーおよびサブスクリプションユーザー向けに2023年9月にリリースされる予定である。

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