Siemens Digital Industries Software社がCADソフトウェア「Solid Edge 2024」を発表

2023年10月23日

Siemens Digital Industries Software社 2023年10月11日

Siemens Digital Industries Software社は2023年10月11日、同社製3D CADソフトウェアの最新版となる「Solid Edge 2024」を発表した。Solid Edge 2024では、AI支援による製品設計が導入され、また、クラウドベースのデータ共有・コラボレーション機能が強化されており、あらゆる規模の製造業者がデジタルトランスフォーメーション戦略の開始または拡大、データ再利用の効率化、機械・電気設計・製造におけるイノベーションの推進を実現できるようになる。

AI支援設計をメインストリームに

Solid Edge 2024では、人工知能(AI)支援設計が初めて搭載され、主要な機能がAIにより強化された。アセンブリ内の部品を置き換える際は、新たなAIアセンブリ関係機能によって有効な代替案がインテリジェントに予測・提示されるようになった。また、AI搭載のユーザーインターフェイスにより利用パターンの学習が行われ、適切なコンテキストにおいて適切なコマンドがカーソルに提示されるようになった。さらに、Solid Edge CAM Proの新たなAI支援オペレーション編集機能により、マシニングアプリケーションや学習した部品プログラミングスタイルに基づいた提案が行われ、加工オペレーション編集プロセスを通じてユーザーにガイドが提供されるようになっている。

これらのアップデートは、ほかのシステムからのモデルであってもリアルタイムで設計意図を認識・維持するシンクロナス・テクノロジーの機能など、既存のインテリジェントモデリング機能をベースとして構築されている。定義されたジオメトリや機能上の制約に基づいてコンセプトを自動的に設計することができるSolid Edgeのジェネレーティブデザイン機能と今回のアップデートを併用することで、一般的な作業から繰り返し作業が排除されるため設計が高速化し、設計者やエンジニアが真の探求とイノベーションに集中できるようになる。Ariel CorporationのDavid Iverson氏は、「Solid Edge 2024は、私たちの作業をよりスマートにし、生産性を高めてくれます。AIを設計プロセスに取り入れることで、単調な作業に費やす時間が減り、楽しいことにもっと取り組めるようになります」と語る。

クラウドベースのコラボレーションのメリットを拡大

Solid Edge SaaSのサブスクリプションには、Teamcenter Shareアプリによるクラウドベースのデータ共有とコラボレーションへのアクセスが含まれている。Siemens Xcelerator as a Serviceのサブスクリプション特典として提供されるTeamcenter Shareはクラウドベースの豊富な機能セットで、同僚やパートナー、顧客とのコラボレーションを、どこからでも、どのデバイスからでも可能にするものである。今回のアップデートでは、シーメンスの各種産業用ソフトウェアとの統合が簡素化され、Solid EdgeとTeamcenter Shareとの統合がすぐに行えるよう向上が図られた。ほかにも、Officeドキュメントと3Dデータ両方のインタラクティブなプレビュー、カンバンボード表示機能の強化、割り当て/ステータスの可視性の強化、ストレージの増加、対応ファイルの拡大により、コミュニケーションの向上が実現し、業界で求められるペースでプロジェクトを進めることができるようになる。

リアルタイムの製品コンフィギュレーションが販売プロセスで直接可能に

新しいSolid Edge Design Configurator Connectソフトウェアが導入され、オンラインで即座に製品コンフィギュレーションを行うことができるようになった。これにより、顧客の特定の要件を満たす製品のコンフィギュレーションを迅速に行うことが可能となる。この機能は、既存のSolid Edge Design Configuratorソフトウェアをベースとして構築されているため、セールスエンジニアやエンドユーザーは、Solid Edgeをローカルにインストールすることなく、Webベースのポータルで見積もり用に製品コンフィギュレーションを行うことができる。

Solid Edge製品ファミリー全体の生産性向上

Solid Edgeの最新版では、提供される主要なアップデートに加えて、製品群全体にわたる機能拡張と生産性の向上も実現している。大規模アセンブリの大幅なパフォーマンス向上(複雑な製品モデルを最初に開く際の速度が9倍に高速化)から、モデルの動きに合わせて自動的に更新される新たな高没入感のリアルワールド環境まで、さまざまな機能強化が実施されている。

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