Dassault Systemes社がSOLIDWORKSブラウザベースのデザインロールR2024x FD01を発表

2024年 2月19日

Dassault Systemes社 2024年2月9日

テキサス州ダラスで開催される3DEXPERIENCE Worldの開催を控え、2月はSOLIDWORKSユーザーにとって重要な月であるが、そのような中、Dassault Systemes社はクラウド接続型・ブラウザベースのデザインロールの最新アップデートを発表した。最新のファンクショナルデリバリ(FD)リリースであるR2024x FD01では、3D Creator、3D Sculptor、Manufacturing Definition Creatorのユーザーエクスペリエンスおよびパフォーマンスが強化されている。

強化された機能には、コマンドを簡単に検索できる新しいコマンド検索、単一のツールで穴をドキュメント化する機能、画像をより正確に挿入するためのスナップポイントなどがある。

その主な強化点を以下に紹介する。

ユーザーエクスペリエンス

エクスペリエンスというコンテキストで設計する-実際のデザイン環境で製品を視覚化

ユーザーエクスペリエンスの最大の機能の一つとして、デザイン環境を挿入して、その環境に沿って設計できるようになった。この機能により、自らが意図した環境の中で製品を鮮明に視覚化し、製品が正しいスケールで設計されていることを確認できるようになる。これにより、設計プロセスが向上し、優れた製品設計が実現する。

環境は、ジム、病室、キッチン、リビングルームなどが備わった環境ギャラリーから選択できる。

この新機能は、パートナーやお客様のエクスペリエンス作成にも役立つもので、ビジョンを容易に共有して、魅力的な設計を提案することができるようになる。

効率的な共有オプション-一つの便利なスペースから、3DDriveを通じてコミュニティ内および外部で共有

ファイルの共有、コミュニティでの共有など、全ての共有オプションに一か所でアクセスできるため、ワークフローが簡素化される。アクションバーの一つのコマンドから全てにアクセスし、3DDriveから直接共有できるようになる。また、この新しい共有メニューから外部とも共有が可能になる。

コマンド検索-必要なツールを素早く探す

SOLIDWORKS Desktopで好評のコマンド検索が、ブラウザベースの設計ロールでも利用可能になった。「S」ショートカットメニューからコマンドを検索したり、アクションバーから直接検索したり、キーボードの「/」キーを押すなど、新しいオプションでコマンドを素早く見つけて開くことができる。コマンド名、ツールヒントの説明にあるキーワード、またはほかのCADシステムの一般的な同義語でもコマンドを検索できる。

共通プリファレンス設定の新しいオプション-デザインが一新されたプリファレンス設定ダイアログで設計環境をコントロール

共通プリファレンス設定メニューが拡張され、スケッチ中の自動ビューナビゲーション、デフォルト平面の表示、再構築方法をコントロールできる新しいオプションが追加された。

部品・アセンブリ設計

設計にラティス構造を取り入れるーラティス構造を設計と簡単に統合

ラティス構造を設計に組み込むのがさらに容易になった。スケッチ内のラティスジオメトリを参照することで設計にラティスジオメトリを統合し、ラティスジオメトリとパラメトリックジオメトリ間で一貫した接続が構築できる。例えば、ラティスに寸法を設定したり、ラティスをスケッチエンティティに変換することができる。

コンポーネントの挿入と置換-コンポーネントを迅速に配置して、設計のイテレーションをスピードアップ

挿入と置換コマンドを使用すると、最近のコンテンツにアクセスしたり、特定の検索クエリを起動して目的のコンポーネントを見つけることができ、これまでになく容易にコンポーネントを検索できるようになった。最近使用したコンテンツや関連コンテンツにも素早くアクセスできるため、ワークフローが強化される。

これは、「~から開く」コマンドと同じように機能し、コンポーネントを扱う際に指先ひとつで簡単に操作できる。

外部参照管理-古くなった参照や壊れた参照を追跡し、迅速に解決

壊れた参照の処理に時間がかかることは周知の事実であるが、その負担を軽減するために、古くなったり壊れたりした外部参照をより早く特定できるようになった。Design Managerには、フィーチャとジオメトリの参照の問題を警告する新しいバッジアイコンが追加された。アイコンにカーソルを合わせると、「参照が壊れています」や「コンテキストが外れています」などのエラーメッセージが表示されるため、問題を特定して修正し、設計を続行できる。

失われた参照を修復-エンティティの特定と復元が簡単に

失われた参照の修復も手間がかかる作業だが、新しいEdit on Edgeコマンドを使用すると、変換されたエンティティの失われた参照を単一の直感的なダイアログで修正できるため、スムーズでエラーのない設計プロセスが保証される。どのエンティティが失われたかは、ダイアログ内の失われたエンティティの選択ヒントにある警告アイコンで簡単に特定できる。

例えば、新しい設計の反復作業中に上流の編集が原因でスケッチ拘束など壊れた参照があった場合、この新しいEdit on Edgeコマンドで簡単に修正することが可能になる。

古くなったアセンブリを解決-ワンクリックでデザインマネージャーの混乱を解消

アセンブリを開いた際、アセンブリが古くて未解決の場合は、プロダクトを解決するように求めるエラーメッセージが表示される。通常、アセンブリが古い場合、デザインマネージャーには大量のエラーメッセージが表示されるが、ポップアップ表示される警告メッセージで「Solve product」を押すだけで、これらのエラーメッセージは消える。

なお、パフォーマンスに関しては、スケッチの終了、パターンとミラーのプレビュー生成、コマンドを使用したボディ選択がはるかに高速に処理できる。

製造定義

穴のコールアウト-一つのツールで適切なはめ合いと機能を確保

新しい穴コールアウトツールが導入され、xDesignで穴フィーチャーとして作成された穴や穴パターンが容易に定義できるようになった。

穴のコールアウトは、深さ、ネジ山、ザグリ、皿穴、インスタンス数など、製造に必要な穴情報を包括的に提供する。

単一の使いやすいコマンドにより、穴情報は常にモデルと同期され、穴のはめ合いと公差、サイズ設定、位置決め、公差を効率的に定義することができる。

ラティスのサポート-複雑なラティスや3Dプリントされたコンポーネントの生産可能な定義を作成

CATIA Lattice Designerからジオメトリを含むコンポーネントを取り込み、格子ジオメトリを含むモデルに注釈を付けることができるようになった。

注釈レベルのフォント制御-フォントの柔軟性とカスタマイズ

システムおよびドキュメントオプションメニューに、データム、バルーンなど、個々の注釈タイプごとに新しいフォントコントロールオプションが追加された。

このオプションによって、特定の注釈タイプを完全に制御できるようになり、図面を思い通りに作成したり、メーカーに見落としてほしくない点を指摘したりするといった柔軟性が向上し、問題を解消できるようになった。

図面ビューのアクティブ化-図面環境内で注釈コマンドに直接アクセスして時間を短縮

図面環境では、アクションバーに全てのコマンドが表示されるようになった。以前はグレー表示されており、ビューを選択する必要があった。

これにより、注釈コマンドをアクティブにし、既存のジオメトリまたはビューフレームを選択するだけで、対応するビューが自動的にアクティブになり、注釈の配置が開始されるようになった。

フリーフォームデザイン

画像挿入用のスナップポイント-複数の写真を追加する際の配置がより正確に

スナップポイントを使用して、複数の画像の位置合わせ、向き、サイズを調整できるようになった。

スナップポイントを追加すると、異なる平面からの画像の位置合わせや拡大縮小が可能になり、デザインの精度が向上する。

モディファイアコマンドの代替ロボット-ロボットから直接メッシュを修正

アクションバーや右クリックからコマンドを起動する代わりに、押し出し、エッジの折り目、ループの挿入などのオプションを含むModifier Robotを使って、ロボットからメッシュの追加修正オプションに直接アクセスできるようになった。

外部ジオメトリとの整合-既存ジオメトリの周囲にフリーフォーム形状を簡単に設計

サブディビジョンメッシュを外部ジオメトリに一致、共線、垂直、または平行に配置することで、ジオメトリとの位置合わせができるようになった。

また、サブディビジョン面やジオメトリを外部ジオメトリに簡単に位置合わせできるようになった。例えば、サブディビジョンのさまざまな面を選択し、平面などの外部ジオメトリを選択して平行または垂直にすることができる。これにより、メッシュが既存のジオメトリによりアラインするよう、詳細なコントロールが可能になった。

More Information