Ansys社がNVIDIA Omniverseで次世代3D-IC設計の3Dマルチフィジックス可視化を実現

2024年 6月24日

Ansys社 2024年6月19日

Ansys社は2024年6月19日、Ansysの物理ソルバーの結果をリアルタイムで可視化して、3D-IC設計者に貴重な洞察を提供するために、NVIDIA Omniverseアプリケーション プログラミング インターフェイス(API)を採用することを発表した。Ansys社は、5G / 6G、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)/機械学習(ML)、クラウドコンピューティング、自律走行車などのアプリケーションにおける成果を向上させる次世代の半導体システム設計を先導している。

3D-IC(マルチダイチップ)は、半導体チップを縦に積層したアセンブリである。3D-ICのコンパクトなフォームファクターは、消費電力を増やすことなく大幅な性能向上を実現するが、3D-ICは高密度であるため、電磁気の問題や熱とストレスの管理に関する設計上の課題が複雑になるうえ、これらの問題の原因の追跡も困難になる。より高度なアプリケーションで3D-ICコンポーネント間の相互作用を理解するには、3Dマルチフィジックスのビジュアライゼーションが効果的な設計と診断を行うために必要となる。

OpenUSDおよびNVIDIA RTX対応の3Dアプリケーションとワークフローを開発するためのAPIプラットフォームであるNVIDIA OmniverseをAnsysが統合することで、ANSYS HFSS、ANSYS Icepak、ANSYS RedHawk-SCをはじめとするAnsysソルバーの結果のリアルタイムな3D-IC可視化が実現するため、設計者は3Dモデルを操作して、電磁界や温度変化などの重要な現象を評価できるようになる。このインタラクティブなソリューションにより、設計者は次世代チップを最適化し、データ速度の高速化、機能性の向上、信頼性の改善を実現できる。

Ansys社のチーフテクノロジーオフィサーであるPrith Banerjee氏は次のように述べている。「アドバンストマニュファクチャリング(先進製造)は、現実世界とデジタルの融合に依存しています。Ansysは、NVIDIA Omniverseプラットフォームのパワーを活用して、極小の半導体から、その大規模な生産工場まで、あらゆるものを包括的にシミュレートし、設計します。RedHawk-SCのようなAnsysのツールは、既にビジュアライゼーション機能を提供していますが、Omniverseとの統合により、新たな領域の可能性を引き出せるようになります」。

Omniverseの統合に加え、RedHawk-SCはNVIDIA Grace CPU Superchipsによって高速化され、より高性能なマルチフィジックス設計を実現できるようになった。

NVIDIA社のOmniverseおよびシミュレーション技術担当バイスプレジデントであるRev Lebaredian氏は、「アクセラレーテッド コンピューティング、AIフィジックス、物理ベースのビジュアライゼーションは、次世代の産業デジタル化を推進していきます。OmniverseのクラウドAPIに接続されたAnsysの半導体ソリューションは、エレクトロニクスのエコシステムの設計とエンジニアリングのプロセスを加速するのに役立ちます」と語る。

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