Spatial社が主要製品ラインの2025リリースを発表
2024年11月25日
Spatial社 2024年11月20日
Spatial社は2024年11月19日、同社製品ラインの2025リリースとアップデートを発表し、CADからシミュレーション、製造、その他に至るまで、幅広い分野のお客様に革新的なソリューションを提供するという取り組みへの決意を新たにした。
2025リリースとアップデートの内容は以下の通りである。
InterOp:パフォーマンスの向上と新機能
3Dデータのインポートのパフォーマンス向上:並列処理の調整ならびに各データ型式に対応するリーダーの最適化によりインポート時間が大幅に短縮された。具体的には、IGES、STEP、Inventor、Solid Edge、Creo、SOLIDWORKS、Navisworksなど多くの形式でパフォーマンスが向上しており、SOLIDWORKSのインポート時間が最大50%短縮したほか、Solid Edgeでは平均22%、Inventorでは平均24%のパフォーマンス向上が実現している。ネイティブのビジュアライゼーションを含まないファイルでは、インポートされたBREPのファセット処理のパフォーマンスがSTEP、IGES、Parasolidなどの形式で平均25%向上した。これにより、デザインレビュー、技術文書、VRアプリケーションなどのプレビューのワークフローが高速化される。
- インポート時のメモリ使用の最適化:今回のリリースでは、特にSOLIDWORKSのインポートにおけるメモリ消費量とメモリ増加が削減された。あるテストケースでは、1回のデータ変換でピーク時のページファイル使用量が30%、2,000回の連続データ変換で78%削減している。この改善により、さらに大規模で複雑なモデルの処理が可能になり、デスクトップとサーバーの両方においてバッチプロセスで実行できる操作数が増加する。
- SOLIDWORKS Reader内からのアセンブリカット機能のサポート:押し出し穴や切り抜きなどのアセンブリカットを正確にインポートすることで設計意図が保たれ、インポート後の手動調整が不要になる。この機能強化は、まず3D InterOp Creo Readerに導入され、現在ではSOLIDWORKSにも拡張されている。
- データ準備アドオン:今回のアップデートには、開発への継続的な取り組みとして、データ準備作業を向上させるためのパフォーマンスと堅牢性の向上が含まれている。さらに、テスト用としてパーツレベルの隠面除去機能が利用可能になり、アセンブリレベルの機能もまもなく提供される予定である。この機能により、パーツレベルで不要なコンポーネントをフィルタリングできるようになり、ワークフローの効率化を図ることができる。
3D ACIS Modeler:複雑な金属加工タスクの自動化とスライス操作のパフォーマンス向上
- 曲げの自動展開:新しいAPIにより、板金ボディの曲げが自動的に検出・展開されるようになった。これにより、展開機能を自社のCAMアプリケーションに迅速に統合できるようになる。
- スライス操作のパフォーマンス向上:二つの新しいAPIにより、ソリッドボディでは最大60%、シートボディでは最大50%のスライスパフォーマンスの向上が実現した。これにより、設計および製造のワークフロー全体が加速化する。
CGM Modeler:中間サーフェスオペレータに絶対オフセットモードが追加
新しい絶対オフセットモードでは、ボディの片側の面をオフセットすることで中間サーフェスを生成する。このアルゴリズムは、均一な厚さを持つパーツに対する堅牢性と高性能を実現するように設計されている。
CSM-CVM:堅牢性の向上とボリューム近傍レイヤの生成
- CSMのメッシュ生成の改善:今回のリリースでは、裂片面のメッシュ品質が改善された。2025年1月には、サーフェスの異方性比率制御が利用可能になる予定である。
- ボリューム近傍レイヤの強化:体積近傍レイヤ生成機能が強化されて、薄いセクションでの一貫したメッシュレイヤの作成が簡素化され、手動によるサイズマップが不要になった。これにより、メッシュの一貫性が向上し、プラスチック射出成形やチップ設計などの業界にメリットがもたらされる。
Linux ARMのサポート
今回のリリースから、Spatialは3DモデラーのACISとCGM、およびCSM-CVMとCDSにおいて、Linux ARMをサポートするようになった。また、Linux ARM上の3D InterOpのプレリリース版もサポートしている。