CoLab Software社が設計レビュー用のAIツールを発表
2024年12月 2日
CoLab Software社 2024年11月27日
CoLab Software社が、製品遅延、品質問題、収益損失のリスクを軽減する新しいAIツールを発表した。
これは、自然言語のデータセットに人工知能(AI)と機械学習(ML)を適用した初の設計レビューソリューションである。このソリューションは、パートナーシッププログラムを通じて販売され、AIについて話題にしている機械や工学分野の企業が、積極的かつ効果的にAIを導入する流れへとシフトしていくことが期待される。
今回発表されたツールは、業界が抱える複数の課題に対応するものである。米国では、エンジニアリングや建設関連の新規の仕事の33%が人材不足の状態にあると推定されており、労働人口の高齢化や製品設計の専門知識に対するニーズの高まりを受けてスキルギャップが深刻化している。さらに、業界への新規参入者は世界中に分散しており、物心ついた頃からパソコンやインターネットが普及していた環境で育ったデジタルネイティブ世代で、コンシューマーグレードの技術に慣れ親しんでいる。
CoLab Software社の共同創設者兼CEOのAdam Keating氏は「製品設計担当者の大半は、依然として設計レビューを手作業のプロセスに頼らざるを得ない状況です。つまり、技術的なフィードバックを会議で共有し、管理に手間のかかるツールを用いて統一されていない状態で文書化しています。その結果、意思決定には時間がかかって非効率的になり、重要な専門家が退職や離職した場合は、その専門知識も失われるというリスクが常に存在しています」と語る。
製品ライフサイクル管理(PLM)システムを導入している従業員1,000名以上の企業のエンジニアリングリーダー250名を対象とした調査では、レビュープロセスで設計に関する洞察やフィードバックの43%が失われていると推定されることが明らかになった。また、エンジニアリングリーダーの87%は、設計上の意思決定を正当化するために必要な情報を探し出すのに数時間から数日を要している。
CoLabのコアとなるDesign Engagement System(DES)を活用することで、異なる2Dおよび3Dモデルのレビューを実施し、技術的なコメントを自動的にデータベース化することができるようになるが、これは、エンジニアが日常業務を行う際の副産物として生成される。このプラットフォームは、各設計に組織内の専門知識を注入するもので、専門知識を持つ人が各設計レビューに参加する必要はない。
今回新たにリリースされたツールは、DESに機械学習を適用して、類似する設計上の問題や過去に得られた知識を明らかにするものだ。類似性エンジンを使用して、レビューの対象になっている図面やモデルに類似した図面やモデルを特定し、それらのファイルについて過去に実施されたレビューで挙げられた技術的コメントを分析し、エンジニアに利益をもたらすフィードバックをハイライトする。こうした洞察は、より適切かつ迅速な設計上の意思決定に役立てることができ、同じ設計上のミスが繰り返されることを防ぎ、エンジニアが複雑な問題やイノベーションに集中する時間を増やすことができる。
CoLab Software社は既に、Ford Pro、Johnson Controls、Mainspring Energyなどの大手エンジニアリング企業と提携し、設計サイクルの100%高速化、数カ月の早期収益化、部品表(BOM)コストの50%削減、8桁のコスト削減などのエンジニアリング目標を達成している。
「競争が熾烈化している今日の市場では、予算超過や製品開発の遅延、膨大なコストがかかるリコールは許されません。これらは市場における評判や顧客のロイヤリティに大きな影響を与え、企業が何年間にもわたり損失を被る可能性があるからです」と前述のAdam氏は述べる。
これに加え、Adam氏は「エンジニアやデザイナー、その他の関係者は既に、CoLabのソフトウェアプラットフォーム上で毎年何万もの技術的なコメントを残しており、私たちは機械製品設計にAIを適用する方法を理解しています。2025年には新製品も発表する予定で、業界が必要とするツールを提供するという明確な製品ロードマップが当社にはあります。実際、AIのメリットを迅速に活用しない製造企業は取り残されるリスクがあります」と語る。
CoLab Software社は、保証請求やスクラップデータなど、価値のある下流データを初めて上流の設計レビューに取り入れたツールや、ユーザー定義のチェックリストに基づいて基本的な設計チェックを自動的に完了できる自動レビュー機能の研究開発を行っている。
ジェネレーティブAIは発展途上の技術であるため、CoLab Software社は厳重なセキュリティポリシーを策定して知的財産のリスクの軽減を図っており、顧客のデータや知識を活用したり、それらのデータや知識を自社のモデル開発に使用したりすることはない。同社のセキュリティプロセスは厳格なため、企業はAIを安心して利用でき、製造業に携わるフォーチュン500企業も信頼を寄せるソリューションとなっている。