ModuleWorks社がデジタル製造ソフトウェアコンポーネント「ModuleWorks 2024.12」をリリース
2024年12月23日
ModuleWorks社 2024年12月18日
ModuleWorks社は2024年12月17日、同社製デジタル製造ソフトウェアコンポーネントの最新版「ModuleWorks 2024.12」のリリースを発表した。今回リリースされた最新のModuleWorks SDKには、多軸サーフェス仕上げからシミュレーションまで多数のコンポーネントにわたる機能強化をはじめ、安全性、ツールパス生成効率、部品品質の向上のためのさまざまな新機能および機能拡張が含まれている。
多軸サーフェス仕上げ - スワーフ加工
高精度の4軸スワーフモード
最適な形状精度を達成するために4軸スワーフモードが大幅に強化された。この改良は、費用対効果の高い4軸加工機を用いて、円筒カムなどの複雑なサーフェスをフランクミル加工で加工するという課題に対応するものである。従来、スロットよりも小さな工具を使用する場合、工具とサーフェスの位置合わせは困難であった。しかし、新しいアルゴリズムでは、最初のツールパス計算時に運動学上の制限を考慮するようになったため、後処理で4軸処理を行う必要がなくなり、不正確さのリスクが減少した。
この機能強化により、ModuleWorks 2024.12ではパーツの精度向上、加工コストの削減、工具径の選択における柔軟性の向上など多くのメリットが提供される。前述の課題に対処する新しい4軸スワーフモードは加工精度と費用対効果を高めるもので、メーカーにとって価値あるアップグレードとなる。
多軸エッジ仕上げ - バリ取り
3+2軸動作の強化
これまでは、3+2軸のバリ取りツールパスから、同時に行われている5軸の動作を全て排除することは困難だったため、動作中に工作機械で予測不可能な動作が発生することがあった。
ModuleWorks 2024.12では、3+2軸のバリ取りが改良され、最小限の5軸の動きで3+2軸の方向が提供されるようになったため、加工の安全性と精度が向上している。
3軸加工
バレル工具の自動加工エリア
3軸仕上げ加工では、バレル工具のさまざまなセクションで加工可能な領域を手動で特定し、定義するのが大変なことがよくあり、プログラミングと加工のサイクルタイムが大幅に増えることがある。
ModuleWorks 2024.12ではユーザーを支援するために、パーツの急峻な部分と浅い部分を自動的に識別する新機能が搭載された。これにより、バレル工具の最適な使用が可能になり、仕上げ加工のサイクルタイムが短縮され、サーフェス品質が向上する。
以前の工具シャフトの長さに基づく削り残し仕上げ
これまでのバージョンでは、長さのある工具で削り残し仕上げ加工をするのは、突き出しの短い同じ工具で部品の部分加工を行っている場合、困難であった。
ModuleWorks 2024.12では、以前の短い工具が残した領域を自動的に検出する新しいオプションが導入された。これにより、突き出しが長い工具でも効率的な加工が可能になる。削り残し領域を自動的に検出してユーザーを支援するとともに、ユーザーは各加工に具体的な切削条件を適用して、表面品質を向上させることができる。
シミュレーションSDK - 切削シミュレーション
新しいグラフベースの三角形分割
最適な三角形分割を達成することは、パフォーマンスとストックの質のバランスを取る必要性のため苦労することが多い。非常に大きく複雑なストックモデルの場合は、シミュレーションの応答性が良好でなく、現場での大幅な遅延につながることがある。
ModuleWorks 2024.12では、デクセルモデルに基づく新しい三角形分割手法によって、この問題が解決された。この新しい手法により、ストックの図面作成やメッシュのエクスポートが大幅に高速化され、シミュレーション性能が向上した。さらに、この新しい三角形分割により、エクスポートされたメッシュがさらに密なものになっている。