Altair社が設計・シミュレーションプラットフォーム「HyperWorks 2025」をリリース
2025年 2月25日
Altair社 2025年2月19日
計算知能の分野で世界をリードするAltair社は2025年2月19日、世界で最も複雑なエンジニアリングの課題を解決する、クラス最高の設計・シミュレーションプラットフォーム「Altair HyperWorks 2025」を発表した。今回のリリースの中心には、製品開発の未来に関する大胆なビジョンがある。それは、ゼロ・プロトタイプの世界であり、設計は物理的な世界に到達する前にバーチャルな領域で完成する。人工知能(AI)、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、マルチフィジックスシミュレーションのパワーを、クラウドベースのスケーラビリティとデジタルスレッド接続と組み合わせたAltair HyperWorks 2025は、単なるシミュレーションプラットフォームではなく、イノベーションのローンチパッドとなるものである。
Altairの創立者兼CEOであるJames R. Scapa氏は次のように述べている「Altair HyperWorks 2025は、シミュレーション、設計、最適化におけるAltairの40年にわたる専門知識を基盤としています。先進のシミュレーション技術と、AIおよび機械学習、自動化、オープンアーキテクチャ、そして接続されたデジタルスレッドを統合したこのプラットフォームは、設計プロセスを加速し、スケーラブルなクラウドコラボレーションを促進し、チームがよりスマートで、より速く、より持続可能なソリューションを提供できるよう支援します。これは、計算知能の民主化という我々のビジョンにおける新たな飛躍です」。
AIを活用したエンジニアリングと最適化
Altair社は、AIを駆使したエンジニアリング、機械学習、最適化能力で他社を引き離し続けている。新しいトランスアーキテクチャを搭載した物理予測モデルは、限られたデータや不完全なデータでも正確なシミュレーションを実現する。機械学習モデルはソルバーとして機能し、信頼性を向上させながらシミュレーション時間を短縮する。AIを活用した低次元化モデリング(ROM)により、さらに高速で高精度な非線形システムのシミュレーションが可能になり、設計プロセスの早い段階で洞察を得ることができる。
クラウドベースとSaaSソリューション
クラウドベースおよびSaaSソリューションへの移行を受け、Altair社は柔軟なインフラストラクチャーによる高度なエンジニアリングシミュレーションへのアクセスの一般普及を進めている。新しいSaaSソリューション「Altair DSim」では、半導体設計者が従量課金モデルで無制限にシミュレーションを実行できるため、初期費用が不要となり、オンデマンドで自由に拡張できる。また、クラウドイノベーションへのゲートウェイである「Altair One」は、シミュレーションアプリケーション、データ、HPCリソースへの即時アクセスを提供し、コラボレーションを強化する。
自動化とカスタマイズ
Python APIをはじめとする新たな自動化機能により、反復作業の排除、データクエリの合理化、レポート生成の簡素化が実現する。大規模プロジェクトでは、高度なバッチ実行とタスクライブラリにより、複雑なワークフローにかかる時間を短縮できる。また、プラットフォームのカスタマイズオプションにより、製薬や農業における粒子間相互作用のモデリングなど、独自の用途に合わせたシミュレーションが可能になる。
デジタルエンジニアリング:エコシステムのつながり
Altairは、データ、チーム、プロセスを製品ライフサイクル全体でつなぐことで、統合の進んだ設計とシミュレーションのアプローチを提供する。デジタルツインとデジタルスレッドテクノロジーの強化により、シームレスなデータフローが保証され、仮想モデルと物理システムの整合性が向上する。また、持続可能性の目標達成に向けて、プライベートな材料データベースにより、二酸化炭素(CO2)の影響解析用ツールをはじめとする材料決定のための単一の真実源が提供される。
ソルバー効率
構造シミュレーションを簡素化するAltair OptiStructの「One Model, One Solver」(1つのモデル・1つのソルバー)アプローチにより、陰解法解析と陽解法解析間のスムーズな移行が可能になる。Altair PhysicsAIモデルをソルバーとして導入することで、ユーザーは従来の数値ソルバーを、AIを搭載した代替ソルバーに置き換えることができ、精度を維持しながらシミュレーションを高速化できる。
エレクトロニクス向けマルチフィジックスシミュレーション
最新のアップデートにより、エレクトロニクス設計における熱、電磁気、電力の相互作用の管理が簡素化された。ECADメッシングの改善により、冷却および耐久性解析が高速化され、電磁熱カップリングの強化により、さらに優れたシステム性能予測が可能になった。また、パワーエレクトロニクスシミュレーションのアップデートにより、モータドライブとコンバータのモデリングが最適化され、効率が向上した。
設計ツールとしてのCAE
Altair Inspireは、構造解析、流体解析、モーション解析に加え、製造性や最適化のためのワークフローを提供することで、設計者にとって使いやすいCAEを実現する。Inspireに組み込まれたインテリジェントなAIアシスタントであるAltair CoPilot Betaは、オンデマンドガイダンス、Q&A、ワークフローサポートを提供し、スケッチ用のイメージプレーンや拡張インプリシットモデリングなどの新しいツールが形状の作成と探索を効率化する。
高度な材料シミュレーション
材料の複雑さ、持続可能性への要求、AIを駆使したワークフローが進むにつれ、Altairの材料ソリューションは、ユーザーがリードするために必要なツールを提供する。この材料ソリューションにより、複合材料、ポリマー、積層造形などの先進材料に関する忠実度の高い材料データの入手、標準化、シミュレーションが可能になる。エンジニアは、設計の最適化、CO2解析による持続可能性目標の達成、AIを活用した不足データの補完による物理試験コストの削減を実現できる。
粒子シミュレーション
Altairは、新しい物理モデル(繊維結合モデル、リキッド・ブリッジ・モデル、多面体粒子による更新されたLinear Elastic Bond Model(LEBM))を提供することで、離散要素法(DEM)の新しい業界標準を打ち立てており、ワークフローの強化、農業、バッテリー、医薬品などの用途における繊維や粒子のリアルな表現を実現する。