Trimble社が構造設計・解析ソフトウェア「Tekla Structural Designer 2025」と土木・構造解析計算自動化ソフトウェア「Tekla Tedds 2025」を発表
2025年 3月17日
Trimble社 2025年3月13日
Trimble社は2025年3月12日、マルチマテリアル建築物の構造解析および3次元設計ソフトウェア「Tekla Structural Designer」と、土木・構造解析計算自動化ソフトウェア「Tekla Tedds」の2025バージョンを発表した。これら両製品の最新版では、複数のアップデートが実施され、ユーザーエクスペリエンスと設計コラボレーション機能の向上が図られている。
Tekla Structural Designer 2025およびTekla Tedds 2025は、接続されたワークフローの構築を支援し、Trimble SketchUp、Autodesk Revit、Tekla Structuresなど、さまざまなソフトウェアソリューション間のシームレスな設計コラボレーションを促進する。このような統合により、構造エンジニアは情報を再利用し、効率的にモデルを共有・解析することができ、生産性と精度を高めることができる。
ワークフローに信頼性をもたらす、接続されたエコシステム
Trimble SketchUpで作成したモデルがTekla Structural Designerの参照モデルとして使用できるようになり、建築家と構造エンジニアのコラボレーションが向上した。さらに、Tekla Structural DesignerとAutodesk Revitの統合が強化され、RevitとTekla Structural Designer間におけるモデルの双方向の移行が可能になっている。Tekla Structural Designer Integrator for Revit 2025では、接続ルールの改善、英国および米国市場向けのプロファイルファミリーの追加、より正確で接続性の高いモデルを作成するための解析モデル作成の強化などが行われている。
包括的な設計から詳細設計までのワークフロー
Tekla StructuresとTekla Structural Designer間でのワークフローの改善により、BIMモデラーと構造エンジニアは、鉄骨構造解析のためのモデル情報をより効率的に共有することができるようになった。このデータ転送により、エラーを最小限に抑え、よりスムーズな設計から詳細設計までのプロセスをサポートし、建築家とエンジニアのコラボレーションを強化する。
また、Tekla Structural Designer 2025では、Tekla Structural DesignerとTekla Structuresの間でユーザー定義属性(UDA)をマッピングできるようになった。構造設計における火災安全性の重要性の高まりに対応するため、UDAには火災条件下での重要な設計値のデータが含まれる。さらに、構造解析ソフトウェアIDEA StatiCaとの統合が強化され、接合部設計プロセスがさらに効率化されるほか、Tekla環境での詳細な接合部設計が容易になる。
Tekla Tedds計算ライブラリのアップデート
Trimble社は、ソフトウェアライブラリと設計コードを常に最新の状態に維持し、エンジニアが最新の設計基準にアクセスできるようにすることを重視している。そのため、Tekla Teddsの広範な計算ライブラリは、北米の最新の荷重・鋼材設計基準(ASCE7-22およびAISC360-22)を取り入れたアップデートが行われた。また、アウトリガー荷重設計(EN1997/TWf)およびクレーン風荷重評価(BS ISO 4302)のための仮設計算も新たに導入されている。
設計ソリューション:迅速なカーボン評価
Tekla Structural Designer 2025では、Structural PANDAとの統合により、英国の構造エンジニアが予備設計中にカーボン評価を実施できるようになった。このツールは、初期コンセプトから複数の構造設計オプションを生成して、カーボンフットプリントやコストなどの要素を考慮することができるもので、この統合によって、予備スキームをTekla Structural Designerにシームレスにインポートし、さらなる改良を加えることが可能となっている。
設計ソリューション:ポディウム構造がさらに容易に
Tekla Structural Designer 2025では、北米におけるポディウム構造の石積み設計を向上させるための機能強化が行われている。今回のアップデートでは、壁エッジのリリースや、有限要素法を用いた補強材の取り扱いの改善により、エンジニアの石積み壁の設計を支援する。
地域の拡大
Tekla Structural Designer 2025では、地域設定の選択にメキシコ環境が追加されており、メートル単位を使用する米国コードを使用する地域でも利用できるようになった。
AI搭載型のアシスタント「Trimble Assistant for Tekla」
Tekla User Assistanceのウェブアプリケーションとして、AIを搭載した新しいTrimble Assistant for Teklaが利用できるようになった。Tekla Structures、Tekla Structural Designer、Tekla Tedds、Tekla PowerFabといったTekla製品に関するユーザーの質問に、Tekla User Assistanceのナレッジベースを使用して正確かつ簡潔に回答する。
製品内の通知画面
Tekla Structural DesignerおよびTekla Teddsでは、製品のアップデートや最新情報をユーザーに知らせる製品内通知画面が新たに導入された。