CoreTech System社が成形解析ソフトウェア「Moldex3D 2025」をリリース

2025年 4月 2日

CoreTech System社 2025年3月27日

CoreTech System社は2025年3月26日、同社製成型解析ソフトウェアの最新版となる「Moldex3D 2025」を発表した。Moldex3D 2025では、予測機能の強化、ワークフローのカスタマイズ可能な自動化、シミュレーションの精度と効率の向上が実施されており、製品開発と意思決定の効率向上をサポートするものとなっている。

Moldex3D 2025の重要なアップデートとハイライトは以下の通りである。

性能の包括的な強化で正確かつ効率的なシミュレーション結果を確保

Moldex3D 2025は、シミュレーション精度を向上して生産の最適化を図るため、業界をまたいでプロセスのサポートを拡大している。今回の最新バージョンでは、ホットランナーの射出圧力予測が強化され、溶融プラスチックの挙動と温度分布をモデル化するサーマルピンシミュレーションが導入された。また、反りや焼きなましにおける結晶化後の変形をシミュレートする結晶化度出力も追加され、潜在的な欠陥を早期に特定できるようになった。

前処理については、マルチコンポーネントモデルマッチング機能と冷却管の曲線接続修正ツールが導入されている。マルチコンポーネントモデルマッチング機能では、新たにアップグレードされたメッシング機能を適用することで、複数のインサートを使用するプロセスのシミュレーション時にモデルを迅速に作成することができる。その際、不正確な接触面に対する警告がリアルタイムで出されるため、問題を素早く特定し修正することができる。また冷却管の曲線接続修正ツールでは、冷却チャンネル構造における一般的な曲線接続の問題をワンクリックで修復することができる。さらに、切断、オーバーラップ、交差の自動検出と修復も可能で、手作業による修正ミスを減らし、前処理の精度と効率が向上する。

世界をリードするICパッケージングシミュレーションのために、Moldex3Dは昨年のワイヤーボンディングシミュレーションから最適化を続け、新しいワイヤーデボンディングシミュレーションが導入された。これにより、カスタマイズした圧力範囲と材料タイプを入力するか、カラースケールをドラッグして圧力限界を調整するだけで、異なる圧力レベルでのワイヤーデボンディング状態を表示でき、ワイヤーデボンディングのリスクを早い段階で予測することができる。また、モデリング時間を短縮し、操作ステップを簡素化して、シミュレーションや設計などの重要なタスクに集中できるよう、ICモデリング支援機能が強化された。

よりスムーズな操作と、より包括的な結果の解釈

Moldex3D 2025では、効率と結果の解釈を強化するアップデートが導入されている。ファイバーの結果に関する楕円可視化とフレークの3Dレンダリングがサポートされるようになり、結果がより明瞭になった。また、ファイルサイズが最適化され、必要なストレージ容量が最大66%低減した。

結果の解釈に関しては、Moldex3D DOEが複数のパラメータから最適な設計を特定するのに役立ってきたが、今回、リアルタイムのインタラクティブな予測をサポートするようになった。ユーザーはさまざまな制御因子の値を直接調整し、予測結果を見たうえで、さまざまなシナリオについて設計を迅速に最適化することができる。また、最新の検証テンプレート機能により、シミュレーション段階で結果の評価基準を定義し、検証ステータスを即座に表示することができる。頻繁に使用する結果ビュー、評価基準、レポート出力設定もテンプレートとして保存でき、標準化されたCAE解析レポートを迅速に作成できる。

ワークフローの自動化による生産効率の向上

高性能な設計プロセスを求める企業の要求に応えるため、Moldex3D 2025は、より直感的な自動化機能を提供し、エンジニアが迅速にシミュレーションプロジェクトを作成して解析を実行できるようにした。iSLM - Auto Launchにより、ユーザーはCADファイルをアップロードするだけで、ワンクリックでプロジェクト作成と解析を開始でき、迅速な設計検証と最適化が可能になる。

新しいMolding Window Advisorにより、ユーザーは体系的なCAEトライアル成形条件を設定し、実現可能なパラメータを特定し、さらなる調整とトライアルのための成形ウィンドウを作成することができる。シェル、射出成形機、検証テンプレートのAPIサポートが拡張され、カスタマイズされた自動化ワークフローと成形解析の向上が可能になった。

インテリジェントなシミュレーションで設計決定の精度を向上

プラスチック射出成形シミュレーションでは、インテリジェント技術を活用することで、設計と工程の効率と精度の両方を高めることができる。Moldex3D 2025ではインテリジェントツールが統合され、AI最適化ウィザードが導入された。このシステムは、要件に基づいて指定された範囲内のパラメータを推奨する。単目的設計と多目的設計の両方をサポートし、開発効率と設計精度を向上させる。

iSLMには、ゲートデザインディスカバリーとモールドデザインディスカバリーという2つの主要なインテリジェントツールが搭載されている。これらのツールは、新しいプラスチック部品の設計において、ゲートの位置や数、機械の選択、射出圧力、クランプ力の分布確率などの重要な情報を迅速に推定できるようにするもので、このスマートな機能を活用することで、過去の成功経験を将来の開発に生かすことができるようになる。

さらに、Moldiverseでは、ユーザーがリアルタイムで成形解析の問題に対処し、Moldex3Dの機能を効果的に利用できるよう、技術サポートや提案を行うMoldiBotアシスタントが導入されている。

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