ModuleWorks社がデジタル製造ソフトウェアコンポーネント「ModuleWorks 2025.08」をリリース
2025年 9月 2日
ModuleWorks社 2025年8月28日
ModuleWorks社は2025年8月27日、同社製デジタル製造ソフトウェアコンポーネントの最新版「ModuleWorks 2025.08」のリリースを発表した。アップデートされたSDKには、統合された情報の活用を通じてプロセスの安全性、ツールパス生成の効率性、部品品質を向上させる自動化機能が搭載されている。
スマートな荒加工機能「SmartRoughing」
荒加工の適切なパラメータを設定するにあたっては、材料除去量、工具摩耗、機械安定性のバランスを取るためプログラマーの経験に依存することが多いが、保守的な選択につながり、サイクルタイムが長くなり、結果に一貫性がみられないことがある。
SmartRoughingでは、物理ベースのツールパスアルゴリズムが導入されており、当て推量を排除する。機械の能力、工具形状、材料特性に関する情報を活用することでエンゲージを一定に保ち、チップ負荷が最適化されたツールパスを自動生成する。これにより、プログラマーや機械加工の工場がより速い加工、より長い工具寿命、より一貫した品質を実現できると同時に、経験の浅いユーザーでも荒加工プロセスを利用できるようになる。
送り速度最適化機能「FeedControl」
安定したチップ形成の確保は、加工において最も困難な課題の一つである。熱、工具負荷、主軸たわみ、材料の硬化によりプロセスの予測が不可能になるとともに、制御が困難になる。
ModuleWorks 2025.08では、チップ厚さ、切削力、主軸負荷のバランスをリアルタイムでとるインテリジェントな送り速度最適化技術「FeedControl」が導入された。工作機械の能力、工具形状、材料挙動に適応するFeedControlは、加工安定性の確保、工具の保護、一貫した結果を実現する。
ハイダイナミックターニング
従来の旋削では、輪郭加工に複数の工具・金型が必要となるため、頻繁な工具・金型の交換によるコストの増加とサイクルタイムの延長が生じる。さらに、Y-Z平面のツールパスに対応できず、加工の柔軟性と効率性が制限される。
ModuleWorks 2025.08では、新しい旋削機能とFreeTurnツールの組み合わせによって、このような制限が解消される。一つの工具・金型でワークの全ての輪郭を一度の加工で仕上げられるようになり、ツールパスは直接Y-Z平面に生成される。これにより空切りや工具・金型の交換が減少してサイクルタイムが大幅に短縮され、より高速な送り速度での効率的な加工が実現する。
バリ取り - 穴と垂直エッジの除外が可能に
従来のワークフローでは、穴のバリ取りにスポットドリルによる複数回のパスが必要で、小さな穴を除外する手段がなかった。同時に、3軸設定では垂直エッジをフィルタリングできず、余分な修正作業が発生していた。
この問題を解決するため、ModuleWorks 2025.08ではバリ取り機能の強化が新たに導入された。直径による穴のフィルタリングと、ツールパス計算内で直接垂直エッジを除外できるようになったため、プログラマーの制御性が向上し、冗長な作業が低減し、バリ取りストラテジーが切削プロセスの要件に正確かつ確実に合致できるようになる。
切削シミュレーション - ピクセル単位で正確に再現するGPUレンダラー
標準的なレンダリングモードでは、高精度な加工や精密な検査に必要な視覚的忠実度を実現できない場合が多い。ストックの状態が不正確またはぼやけた状態で表示されると、信頼性の高い部品検査や偏差分析が困難になる。
ModuleWorks 2025.08は、カメラのアイドル時にピクセル単位で正確なビジュアルを生成する新たなGPUアクセラレーションレンダリング機能でこの問題を解決する。これにより加工技術者や検査員はストックの現状を極めて詳細かつ正確に確認でき、偏差の発見や加工結果の検証が容易になる。検査における鮮明なビジュアルは信頼性の高い分析を可能にし、品質管理を強化するとともに、現代の製造環境における高精度な要件を支えるものとなる。