Tech Soft 3D社がCAD用途向けの機械学習フレームワーク「HOOPS AI」を発表

2025年11月17日

Tech Soft 3D社 2025年11月10日

エンジニアリングソフトウェア開発ツールキット(SDK)を提供するTech Soft 3D社は2025年11月6日、CADデータにAIと機械学習を適用するためのフレームワーク「HOOPS AI」を発表した。データサイエンティストや機械学習エンジニア向けに開発されたHOOPS AIは、CADへのアクセス、データセットの準備、エンコーディングを統合し、生のCADデータから生産可能な機械学習モデルまでのプロセスを効率化する。

機械学習は多くの業界で広く利用されるようになっているが、CADデータの統合は依然として困難である。既存のツールは、手動スクリプト、複雑なワークフロー、高額な費用のかかるものに依存していることが多い。HOOPS AIでは、CADデータでの機械学習を可能にするフレームワークが導入されており、データサイエンティストや開発者がデータを準備し、実験を管理し、より効率的かつ大規模に機械学習モデルを構築できる環境を提供する。

Tech Soft 3D社は、CADデータへのアクセスにおける豊富な経験を持ち、数多くのプラットフォームで大量のデータを処理してきた。同社は、信頼性が高く効率的なデータアクセスソリューションの開発における数十年の実績に基づいており、そのソリューションはAnsys、Siemens、Hexagon、NVIDIA Omniverse、Unreal Engine、Unity 3Dなどの組織で使用されている。

CADとAIの統合におけるイノベーション

CADデータは現代のエンジニアリングの基盤を形成するものであるが、AI用途ではまだ広く利用されていない。エンジニアは、大規模なデータセットを扱うために個別のツールや手作業に頼ることが多く、開発が遅れたり、脆弱なワークフローを生み出したりすることがある。また、研究手法や設計プロセスが頻繁に変更されるため、以前の研究が時代遅れになることもある。機械学習を設計やシミュレーション、製造に応用することへの関心が高まる中、AIとCADツールの効率的な統合がますます重要になっている。

このような障壁を排除するため、HOOPS AIは、CADへの強固なアクセス、大規模データセットの準備、最適化されたエンコーディングを単一のフレームワークに統合する。その結果、透明で効率的なプロセスが実現し、チームはデータと格闘することなく、機械学習モデルの構築とテストに集中することができる。

HOOPS AIは、CADインポート/エクスポートライブラリであるHOOPS Exchangeを基盤としている。HOOPS ExchangeはPython APIを通じて、ジオメトリ、トポロジー、アセンブリ、PMI、メタデータを含む30以上のファイルフォーマットへの直接かつ高忠実度のアクセスを提供する。このアプローチにより、中間ファイルに変換する必要がなくなり、サードパーティのCADシステムへの依存が低減する。

またHOOPS AIは、ビジュアライゼーション、セグメンテーション、クリーニング用のツールと、CADモデルを機械学習対応形式に変換するエンコーダを備えており、データセットの準備を大規模に自動化する。HOOPS AIは、取り込み、バージョン管理、実験追跡を管理し、再現可能な結果を保証するが、これらはすべての段階において明確な洞察のための組み込みビジュアライゼーション機能によってサポートされている。

エンドツーエンドのワークフローオーケストレーション

HOOPS AIは、機械学習のライフサイクルのすべての段階を網羅する。ストレージとロギングユーティリティがワークフロー全体をキャプチャし、トレーサビリティと実験の再現性を可能にする。これらの機能により、チームは自分たちの作業と同じ速さで動作するツールを活用し、迅速に反復作業を行うことができる。データサイエンティストやスタートアップ企業からソフトウェアベンダーや研究者まで、HOOPS AIは機械学習やAIアプリケーションで3Dデータのパワーを最大限に引き出そうとするイノベーターをサポートする。

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