ダイレクトモデリングで高度な作業はできないのか?

PTC Creo Elements/Direct Modelingは簡単なだけではありません

ダイレクトモデリングは直感的で習得が容易なCADとして注目を集めています。その反面「簡単な形状しかできないのでは?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。今回はパラメトリックモデリングの機能と対比させながら、ダイレクトモデリングの高度な機能をご紹介します。高度ではありますが、ダイレクトモデリングですので、直感的で容易に習得可能です。

まずは、ダイレクトとパラメトリックモデリングの違いについて、次のリンクよりご確認ください。

3DCADで悩んだら、ダイレクトモデリングを試してみよう

フィーチャー的な操作

Creo Elements/Directのダイレクトモデリングでは、形状ごとに変更がすばやくできるよう工夫されています。

ブレンド(角丸め)と面取り機能

ブレンドや面取りを作成すると、それらに情報が付加されます。情報付加により、数値変更や再生成ができるのです。フィレットを付けた箇所に後から抜き勾配を追加するといった操作を手戻りなく実行できます。また、インポートされたデータにも情報を付加できるため、インポートデータも一から作ったデータと同様の作業ができます。

穴機能

例えば、座繰り付の穴を作成するときに毎回断面形状を描いていては非効率です。そのため、断面形状はパラメトリックと同様にフィーチャーとして扱われます。座ぐり径や座ぐり深さ、穴径といった数値を持ち、後で変更できます。パラメーターの表を持っているため、対象ボルトのサイズを選択すると複数のパラメーターを一括で変更できます。

パターンと寸法駆動編集

PTC Creo Elements/Directは2007年にPTCとなってから積極的にパラメトリックの概念を取り入れ、ユーザーの生産性向上に大きく貢献しています。その代表的な物がパターンと寸法駆動編集です。

パターン

穴、くぼみ、突起といった形状やパーツアセンブリを含むパターンを作成できます。もちろん、これらパターンは後でタイプ、ピッチ、個数といったパラメーターも変更できます。パーツ内の一つの形状を変更する際に、パターン内すべてのメンバー形状を一括で変更できます。

寸法駆動による形状変更

パラメトリックモデリングでは、寸法の値を変更してモデルを変更できます。ダイレクトモデリングではどうでしょうか?

Creo Elements/Directでは、ユニークな寸法の機能を持ちます。作成済みの形状にすばやく寸法を作成し、その寸法をクリックしてモデル形状を変更できます。寸法をクリックする場所により、右側、左側、両側といった具合に移動させる形状を自由に選択できます。

後付けパラメトリック

  • カタログに掲載している寸法違いの形状を作成したい。
  • パーツ間の配置条件にリレーションを付けて動作を検証したい。

このような場合に使用するのが「後付けパラメトリック」です。作成済みの形状をクリックするだけで一致や接線といった条件を付加できます。そして、パラメーター化した寸法の一覧を表形式で表示し、パラメーター・ファイルの読み込みなどで寸法違いのモデルを生成できます。

Creo Elements/Direct Modelingはどんなソフト?

Creo Elements/Direct Modelingは1992年に発表された20年以上の動作実績を持つ3DダイレクトCADです。

2次元的なモデリング・プロセスと自由な発想の形状作成/編集というコンセプトを守り続け、世界各国に5,000社以上のユーザーを持つ3Dダイレクトのベストセラーです。世の中には構想設計やCAEのための簡略化に限定した3DダイレクトCADもありますが、構想段階から最終出図までをサポートする完全な設計ソフトウェアです。

PTC Creo Elements/Direct