Creo Elements / Direct 20.4 新機能概要
最新バージョンではどのような改善点があるのか?
2021年4月にCreo Elements / Directの最新バージョン20.4がリリースされました。
従来のリリースと同様、Creo Elements / Directの操作性・生産性の改善、Creo Parametricとの互換性の強化、Windchillサポートの強化が行われています。今回はその概要についてご紹介します。
Modeling:操作性の改善
使いやすさに定評のあるModelingには、さらなる操作性・生産性の探求がなされました。
ダイレクトモデリングは選択が非常に重要です。今回、「選択のキャプチャーと再利用」という新しい機能が追加され、選択内容が自動で保存されたり、手動で保存できたりする機能が追加されました。
間違ったコマンドを開始したときやコマンドに失敗したときによく利用されるでしょう。いずれにしても要素を選択するところから再度やり直しますが、自動保存を使うとこの作業時間が大幅に改善されます。
簡略化モデルの関連付け
Advanced Design(オプション)に「簡略化」というモジュールがあり、正確なモデルの代わりに簡略化した別モデルを作成して正確なモデルにひも付けて保存できる機能です。
この簡略化はルールを作成する必要がありましたが、本バージョンから任意の簡略形状を自分で作成できるようになりました。
Part Library:類似部品検索ツール
Part Library(オプション)は、Modelingセッション内の類似形状の部品を検索する機能です。検索した後、置き換えを行う機能も含まれています。
一番便利なのは、インポートデータなど同じ部品がバラバラの別物として読み込まれたとき、一括で修正できる点です。
Annotation:製図規格への準拠
(フェーズ3。CE / D 20.2がフェーズ1)
Creo Elements / Direct 20.2から継続して取り組んでいる(ISO 1101:2017やASME Y14.36-2018)など新しい製図規格への対応です。これら規格に対応した図面を作成している海外ユーザーの取り組みから、このような機能強化が行われています。
今回は「幾何公差への修飾テキストフィールドの追加」、「参照線間に寸法の作成」、「表面仕上げシンボルの更新」が含まれています。
Drafting:Windows 10でのパフォーマンス改善
大規模図面のパフォーマンス改善のためOpenGLがサポートされましたが、ある条件下でパフォーマンスが低減されるという現象が改善されています。この改善は、20.1、20.2、20.3でも利用可能です。
そのほかの機能改善
Model Manager:Oracle 19Cのサポート
このサポートにより、Windows Server 2019でもOracleが利用可能になります。この改善は、20.3でも利用可能です。
Creo Parametric互換性の改善
- Creo Parametric→CE / Dでは、マルチボディの読み込みが強化されます。ボディ色や作図ボディの扱いが改善されています。
- CE/D→Creo Parametricでは幾何公差などで使われるシンボル文字のマッピングが改善されます。
Creo View 出力(Creo View Adapter 8.0~)
Windchillでのビューデータパブリッシュに関する改善ですが、ワーカーの起動回数削減による高速化と配置アセンブリサポートのさらなる改善が含まれています。
また、Windchill WGMのサポートには以下のバージョンが予定されています。
- Windchill 11.1 M020 CPS20~
- Windchill 12.0.2.0 ~
AWS Appstream、Azure Windows Virtual Desktopのサポート
これによりCreo Elements / Direct のクラウドでの運用が可能になります。この改善は、20.3でも利用可能です。
Creo Elements / Directは、毎回着実に操作性・生産性が改善されています。長らくバージョンアップをされていないというお客様はこの機会にご検討ください。