進化するSLAM技術! 失敗しない3Dスキャナー選びとはじめての工場・設備のデジタル化

【SLAM革命】とも言える今だからこそ、知っておきたい基本のキ

【SLAM革命】-自分の周りをデジタル化したい人にとって、SLAMは画期的な技術です。SLAM(自己位置推定と地図作成の同時実行)は、屋内、屋外、地下問わず、歩いて移動しながらスキャンすることを可能にするコア技術として発展してきましたが、この数カ月で目覚ましい進化を遂げようとしています。SLAMとは具体的にどのようなもので、どのように機能するのか。

本トピックスでは、「これから自社の工場や設備をデジタル化したい」「これからデジタルツインを始めたい」という方向けに、3Dスキャナー選びの耳より情報をお届けします。

ハンディスキャナーと固定式スキャナーの違い

ハンディスキャナーと固定式スキャナーは、3Dスキャン技術においてそれぞれ異なる特長と用途を持っています。3Dスキャナーはとても便利ですが、高価な投資のため、失敗しないためにもまずはこれらの違いを理解することが重要です。

ハンディ―スキャナー

まず、ハンディスキャナーの特長についてご説明します。

1.機動性と柔軟性

ハンディスキャナーは軽量で持ち運びが容易なため、狭い場所や複雑な形状の設備でも簡単にスキャンできます。これにより、固定式スキャナーでは難しい場所でもスムーズにデジタル化が可能です。

2.スキャン作業は短く

ハンディスキャナーは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を採用し、リアルタイムで自己の位置情報を取得しながらスキャンを行います。これにより、短期間でのスキャンが実現し、スキャン作業のスピードが大幅に向上できます。

Orbisモバイルスキャナーによる作業フロー

3.精度と品質

「計測スピードが早くても精度面では満足度がちょっと…」これが今までのハンディスキャナーの一般的なイメージだったと思いますが、技術的な革新により、これまでのcm単位の精度から、mm単位の精度を持つ機種も登場しています。

FARO Orbis Premiumの精度は移動スキャンで5mm、固定スキャンなら2mm

固定式スキャナー

次に、固定式スキャナーの特長についてご説明します。

1.高精度なスキャン

固定式3Dスキャナーは、設置した場所から動かずにスキャンを行うため、非常に高い精度でデータを取得できます。これにより、詳細な3Dモデル化が可能です。より正確なレイアウト検討や改修工事を行いたい場合の選択肢といえます。

FARO Focus Coreの範囲誤差は±1mm

2.広範囲のスキャン

固定式スキャナーは、一度設置すると広範囲をスキャンできます。例えば、大規模な設備や工場全体を一度の操作でスキャンしたい場合には、固定式スキャナーが適しています。

ハンディスキャナーと固定式スキャナーの選び方

次は、ハンディスキャナーと固定式スキャナーの選び方についてご説明します。

1.用途に応じた選定

スキャンする対象物の大きさや形状、スキャンの目的に応じて、適切なスキャナーを選ぶことは重要です。例えば、広大な範囲を対象に「現場の状況を確認したい」、「今後の改修計画を素早く立てたい」という場合は、ハンディスキャナーから検討を始めてみてはいかがでしょうか。

2.スキャンしたデータの将来的な活用を見据えて

「LODレベルの高い3DモデルやBIMデータを作成したい」「スキャンしたデータをもとに設計や施工検討をしたい」という場合は、高精度なスキャンデータを得意とする、固定式スキャナーから検討を始めてみてはいかがでしょうか。

3.操作性とユーザビリティ

操作が簡単で直感的に使えるスキャナーを選ぶこともポイントです。実際の利用者による使い勝手、例えば実現場でベンチマークを行ってみるのもご検討ください。

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以上のポイントを踏まえ、自社に最適な3Dスキャナーを選定し、いち早く、効率的に、工場・設備の「まるごとデジタル化」を実現しませんか。

SLAM技術とLiDARの基礎知識

SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術とLiDAR(Light Detection and Ranging)は、3Dスキャン技術の中核を成す重要な要素です。これらの技術をより深く理解することは、工場や設備のデジタル化を効率的に進める第一歩かと思います。

SLAM技術は、高度なコンピューターアルゴリズムと、LiDAR(光検出と測距)や360°カメラなどの光測距技術を使用し、両方の機能を同時に実行します。

また、SLAMを搭載したハンディスキャナーはLiDARを使用します。LiDARは対象物にレーザー光パルスを照射し、その光がデバイスに向かって反射して戻ってくるまでの時間、つまり飛行時間(ToF)を測定しているのです。

LiDAR、SLAM、IMUの関係性

レーダー(無線探知および測距)が周囲の状況をより良く把握するために電磁波を利用するのと同様に、LiDAR SLAMは光波を利用して周囲の状況の画像を構築します。

  • LIDARは地図を構築し、収集されたデータの3D点群を作成するもの。
  • 位置の最良推定値を算出するSLAMアルゴリズムは慣性計測装置(IMU)でさらに自己位置が補強されます。

これらのツールを組み合わせることで、3D空間内でのオブジェクトの移動、回転、位置の変化を計測できます。鉱業や林業など、GPSによる三角測量が困難または不可能な状況や、建物や屋内ナビゲーション、建築、エンジニアリング、建設、都市計画にも有用とされています。

SLAMにおけるさまざまなタイプのアルゴリズムとアプローチ

次に挙げるのは、さまざまなSLAMのタイプです。モバイルマッピング機器は、Visual SLAMとLidar SLAMを使用して点群を生成します。

  • Graph SLAM
  • EFK SLAM
  • Fast SLAM
  • Topological SLAM
  • Visual SLAM
  • 2D Lidar SLAM
  • 3D Lidar SLAM
  • ORB SLAM

Visual SLAMとは?

Visual SLAMは、カメラからの視覚入力のみを使用して、環境をマッピングしながら、周囲に対する機器の位置と向きを計算します。

要素ベースのVisual SLAMは通常、連続するカメラフレームを通じて関心のあるポイントを追跡し、カメラの3次元位置を三角測量します。この情報により3Dマップが作成されます。

Lidar SLAMとは?

LiDARベースのSLAMシステムは、レーザーセンサーを使用して周囲の3Dマップを生成します。LiDAR(光による検知と測距)は、光パルスを送って物体からセンサーに跳ね返し、飛行時間(ToF)を記録することで、物体までの距離を計測します。

LiDARは高速かつ正確で、幅広い環境や条件に最適です。この方法で生成されたレーザーセンサー点群は高精度です。

SLAM技術とLiDARを組み合わせることで、リアルタイムで高精度な3Dマッピングが実現することは、工場や設備のデジタル化には最適な手法かといえます。設備管理やメンテナンスを効率よく運用したい方にはお勧めのソリューションです。

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内製化によるコスト削減と外注費の見直し

工場や設備のデジタル化を外部へ委託されている方も多数いらっしゃるかと思います。「3Dスキャンの内製化は難しいのでは?」とお考えの方は、最近のハンディスキャナーをぜひ、お試しください。

内製化のメリット

1.コスト削減

外注業者に依頼する場合、スキャン作業ごとに費用が発生しますが、内製化することでこれらの費用を削減できます。初期導入コストはかかるものの、長期的には大幅なコスト削減が期待できます。

2.柔軟な対応

内製化することで、スキャン作業を自社のスケジュールに合わせて柔軟に行えます。急な変更や追加のスキャンが必要な場合でも、迅速に対応できるため、業務の効率化が図れます。

3.技術の蓄積

内製化により、スキャン技術やデータ処理のノウハウが社内に蓄積されます。これにより、将来的な技術革新や新たなプロジェクトへの対応力が向上します。

内製化を進めるためのステップ

1.適切な機器の選定

内製化を成功させるためには、適切な3Dスキャナーの選定が重要です。ハンディスキャナーや固定式スキャナーの特長を理解し、自社のニーズに合った機器を選びましょう。

2.スタッフの教育とトレーニング

内製化を進めるためには、スキャン作業を担当するスタッフの教育とトレーニングが不可欠です。技術の理解を深め、操作方法を習得することで、スキャン作業の効率が向上します。

3.プロセスの標準化

スキャン作業のプロセスを標準化することで、作業の一貫性と品質を確保できます。標準化されたプロセスにより、スキャンデータの精度が向上し、デジタルツインの品質も向上します。そして、まずは大塚商会にご相談ください。