リバースエンジニアリングの新標準 ハイブリッドモデリングとは

SOLIDWORKSアドオンソフトウェアGeomagic for SOLIDWORKS

第1回では、現状の課題と対策案を紹介しました。今回は、3Dスキャナーによって取得したスキャンデータ(点群やポリゴンデータ)を活用して、リバースエンジニアリングを実施する方法について詳しく説明します。

SOLIDWORKSと3Dスキャナーを使った実形状の複製データ作成方法(第1回)

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リバースエンジニアリングとは

リバースエンジニアリングとは、製品やシステムの構造や動作原理を詳細に調査するプロセスを指します。一般的には、機械や電子機器、ソフトウェアなどの製品を分解したり、内部の部品や仕組みを観察したりして、製品構造や動作を詳細に分析します。

特に、点群やメッシュといった形状情報が絡む場合、リバースエンジニアリングはさらに複雑な作業となります。点群やメッシュは、物体表面上の点の集合や3Dモデルを表現するデータ形式です。このような形状情報を取得し、それを解析して物体の形状や構造を把握するプロセスを指して、3D Scan to CAD(スリーディースキャントゥーキャッド)と呼びます。この手法は、製品のデジタルモデルを再構築するために使用され、製品の設計や改良に役立てられることがあります。

3D Scan to CADソリューションでは、専用のスキャニング装置を使用して物体の表面をスキャンし、点群やメッシュデータを取得します。その後、このデータを専用のソフトウェアで処理し、物体の形状や寸法、曲率などの情報を抽出します。最終的には、この抽出された情報を基に、CADで再現可能な3Dモデルが生成されます。このプロセスによって、実際の物体の形状をデジタルデータとして再現し、設計や製造の際に活用することができるのです。

メッシュフィットとリバースモデリング

リバースエンジニアリングは、大きく分けて「メッシュフィット」と「リバースモデリング」の二つの特性に分類できます。

メッシュフィット

メッシュフィットは、スキャンデータの情報を抽出して、NURBS(サーフェス)で構成されるCADデータを生成する手法です。スキャンデータを忠実に再現することを目的としており、多くのリバースエンジニアリングツールで利用されます。

特徴

  • 多くのリバースエンジニアリングツールが利用する方法である。
  • 点群から直接作成することができないため、メッシュデータの生成が必要である。
  • メッシュを忠実に再現するため、メッシュデータの編集が必要となる。
  • 複数枚の自由曲面で構成され、メッシュとの誤差が少ない。

リバースモデリング

リバースモデリングは、スキャンデータから形状情報(断面や外表面など)を抽出し、その形状情報を基にCADソフトウェアで設計を行う手法です。設計意図を盛り込んだモデルを作成したい場合に使用されます。

特徴

  • 設計意図を盛り込んだモデルを作成したい場合に使用される。
  • スキャンデータを基に形状変更を行いたい場合に適している。
  • 3Dスキャンデータから設計検討を行いたい場合に活用される。
  • 得られたデータを基に図面化することが可能である。

メッシュフィットとリバースモデリングの比較

 

特性メッシュフィットリバースモデリング
スキャンデータスキャンデータに忠実スキャンデータは参考
CADの知識不要必要
形状変更不可可能
パラメーター管理不可可能
目的他社製品のアセンブル確認
解析データ作成
自由曲面形状
製造モデル
寸法管理が重要なモデル
設計変更や図面化が求められるモデル
作業時間★★★★★☆
操作性(スキル)★★★★☆☆
形状再現性★★★★★☆
設計変更★☆☆★★★
得意対象自由形状幾何形状

両者を組み合わせたハイブリッドモデリング

ハイブリッドモデリングは、メッシュフィットとリバースモデリングの両方を組み合わせ、それぞれの特性を活かしながら製品や物体のデジタルモデルを作成する際に適した方法です。スキャンデータの精度を保ちつつ、設計意図を反映したデジタルモデルを効率的に作成することができます。

まず、メッシュフィットを使用して、スキャンデータから物体の表面を忠実に再現する部分を作成します。その後、リバースモデリングを用いて、このメッシュフィットのモデルに設計意図を盛り込んだり、修正を加えたりします。このように、メッシュフィットで得られた詳細な形状情報を基にしつつ、リバースモデリングで設計上の調整や変更を行うことで、最終的なデジタルモデルを作成するのがハイブリッドモデリングの特徴です。

手加工形状や幾何的な表現ができない箇所

スキャンデータだけでは再現できない細かな手加工形状や幾何学的なディテールがある場合、メッシュフィットを使用してスキャンデータを基に物体の外形を再現し、その後、リバースモデリングで手加工形状や細部の幾何学的な表現を追加することができます。

モデリングが難しい形状

モデリングが難しく、工数がかかってしまう形状がある場合、メッシュフィットを使って基本的な形状を再現し、リバースモデリングで難しい形状部分を調整したり追加したりすることができます。

忠実なスキャンデータの再現

特に自由形状の物体で、スキャンデータをできるだけ忠実に再現したい場合、メッシュフィットによって外形を再現し、リバースモデリングでスキャンデータを基にした設計検討や形状変更を行うことができます。

寸法を定義できる幾何形状でデータを作成したい

特定の箇所で寸法を定義する必要がある場合(穴、座面、合わせ面など)、リバースモデリングを使用して寸法を正確に定義した幾何学的な形状を生成することができます。

三つの手法をGeomagic for SOLIDWORKSに

Geomagic for SOLIDWORKSは、リバースエンジニアリングのさまざまな手法(メッシュフィット、リバースモデリング、ハイブリッドモデリング)を統合したプロフェッショナルなソフトウェアツールです。製品開発や設計プロセスにおいて、実物の物体や部品をデジタルモデルとして再現するための幅広い機能をご提供しています。

資料では一例として、Geomagic for SOLIDWORKSを使用した最適なリバースエンジニアリング方法をご紹介しています。ぜひ資料請求のうえご確認ください。

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SOLIDWORKSと3Dスキャナーを使った実形状の複製データ作成方法

主な内容

  • リバースエンジニアリングとは?
  • SOLIDWORKSのモデリングデータ(CAD)と測定データ(メッシュ)の読み込み
  • メッシュからフィットしたサーフェスを作成