避難検証法Ver.4では、新法のルートB1(旧ルートB)への対応と、上記の区画避難検証法への対応が可能となりました(煙高さ判定法には対応未定)。
避難検証法は、防火設計がメインではない設計者が使いながら防火設計について学習できることをコンセプトに開発されているため、設計者の方にぜひともお使いいただきたいソフトです。
2020年4月 避難検証法が改訂に
2020年4月に、20年ぶりに避難安全検証法の内容が改訂されました。もともと避難安全検証法とは、建築物の避難安全に関してある条件を満たせば、法の適用を除外する法律です。一言で言えば「規制の緩和」の法律です。
避難安全検証法で計算すると、通常ある広さごとに排煙窓や垂れ壁などの設置義務があるのですが、そのような「仕様規定による設備」を設置しなくてもよいということになります。通常の法律では安全側に見て、仕様規定で計算なしでも済むよう義務付けられているものが多いです。
仕様規定はかなりオーバースペックだったり、設置設備が高額だったりしますが(排煙窓は設置コストが高いとよく聞きます)、設計時に少し手間がかかっても計算し、避難安全性能基準をクリアできれば、規定の一部を適用除外にすることができ、自由度のある設計を行えるようになります。
2020年4月の改訂内容は以下の2点となります。
これまでは「階」または「建物全体」のみ避難安全検証法が適用されていませんでした。今回から階・全館避難よりも細かい「防火区画」の単位での避難時間の検証も求められるようになります。
排煙設備と内装制限の規定が適用除外となります。これにより、例えば、全館避難あるいは階避難では検証が難しかった「大規模ビル内の一区画の内装だけを木造にする」といった設計が可能になります。
新たな算定方法「煙高さ判定法(ルートB2)」では、避難完了時点での煙層の下端高さが「床から1.8m以上」であるかどうかを確認します。煙が1.8mまで降下する時間を計算するこれまでの算定方法(ルートB1)と比較し、火災のモデル化がより精緻になり、避難行動も実態に沿った評価ができるようになっています。
例えば、避難の余裕度を見たうえでの避難ルートの再検討もこの改定により評価ができるようになります。
避難検証法Ver.4では、新法のルートB1(旧ルートB)への対応と、上記の区画避難検証法への対応が可能となりました(煙高さ判定法には対応未定)。
避難検証法は、防火設計がメインではない設計者が使いながら防火設計について学習できることをコンセプトに開発されているため、設計者の方にぜひともお使いいただきたいソフトです。