防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3がリリース

FORUM8新製品情報2022年11月:港湾スイート バンドル製品

本製品は、新設設計を対象とし、重力式、扶壁式、突形式に対応した防潮堤の設計計算プログラムです。

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防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3.0.0の改訂内容

  1. 港湾の施設の技術上の基準・同解説 平成30年に対応
  2. 基礎捨石底面における地盤反力の直接指定に対応
  3. 3Dアノテーション/3Dアトリビュート表示に対応

プログラムの機能と特長

対象とする構造形式

防潮堤は、その目的と機能から下表に示す通り、大きく「堤防・護岸工」と「胸壁工」2タイプに分けられると考えられます。

防潮堤とは(海岸保全施設の技術上の規準・同解説 平成16年6月)
設施目的と機能
堤防・護岸工海岸背後にある人命・資産を高潮、津波および波浪から防護するとともに、陸域の侵食を防止することを目的として設置される海岸保全施設である。
胸壁工海岸線に漁港や港湾などの施設が存在し、利用の面から海岸線付近に堤防、護岸などを設置することが困難な場合において、海岸背後にある人命・資産を高潮、津波および波浪から防護することを目的として設置される海岸保全施設である。

堤防・護岸工の表のり面形状は、傾斜壁と直立壁がありますが、傾斜壁の場合、構造物の設計というよりも設計潮位や波浪の高さに対して要求性能を満足するように、堤防の高さや堤頂の幅を決定すること、また、波によって被覆工が移動しないことを照査することがメインであることから、本製品では対象外とし、直立壁および直立壁とみなせる傾斜が急な構造形式を対象とします。

施設型式目的と機能
堤防・護岸傾斜式石張式傾斜式には対応しておりません。
コンクリートブロック張式
コンクリート被覆式
捨石式
捨ブロック式
直立式石積式
重力式
扶壁式
突型式(L型式を含む)
ケーソン式
コンクリートブロック積式
セル式
矢板式
石枠式
混成式  
胸壁直立式重力式
扶壁式
突型式(L型式を含む)

具体的には、直立壁タイプの重力式、扶壁式、突形式(L形式含む)などになります。

  • 重力式表法被覆工断面図

  • 胸壁工の概念図

設計計算

壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力の照査を行うことができます。港湾基準では、基礎地盤の支持力に対する検討、並びに、永続状態の地盤のすべり破壊に対する検討では、円弧すべり照査が必要ですが、こちらは、次期改訂時での対応を予定しております。ただし、漁港基準の考えである「壁体底面における地盤支持力の検討」「基礎捨石底面における地盤支持力の検討」は行えます。二建の提案式による見掛けの震度の計算にも対応しています。

胸壁として設計

主要な作用力が波力であると考えられるため、基本的な検討方向は波の谷作用時を除いて全て「海→陸」方向となります。

設計条件

  1. 波の峰作用時の検討が可能です。
  2. 波返し工は常に「無し」とします。
  3. 背面潮位として背面土砂高を超える高さを入力することができます。この場合、残留水圧は無視されますが4の選択をすることで強制的に考慮することもできます。
  4. 残留水圧の考慮の有無を選択できます。

検討方向

  1. 構造物の種類(防潮堤または胸壁)。
  2. 検討ケース。

これらの組み合わせによって検討方向が異なります。

各構造物、検討ケースの組み合わせにおける作用の考え方を下図に示します。

図中の赤点は支点を示しています。

照査の範囲

  • (注1)水平方向地震時慣性力は、考慮する、しないを選択可能
  • (注2)土圧は「常時として計算」、「地震時として計算(設計水平震度を考慮する)」を選択可能

設計計算については、壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力の照査を行うことができます。基礎地盤の支持力に対する検討としては、漁港基準の考えである「壁体底面における地盤支持力の検討」「基礎捨石底面における地盤支持力の検討」を行うことができます。前面土砂重量を考慮しない計算方法に対応しています。

対応している波力算出式

検討ケース波力算定式適用基準
波の谷作用時重複波漁港基準
砕波港湾基準・漁港基準
波の峰作用時合田式港湾基準
重複波(部分砕波の考慮の有無を選択可能)漁港基準
砕波
消波工で被覆されている場合に作用する波力
沿い波
直立消波ブロック堤に作用する波力
遊水部付き消波工を有する場合に作用する波力
潜堤を有する場合に作用する波力
津波作用時谷本式港湾基準
修正谷本式
静水圧差による算定式防波堤の耐津波設計ガイドライン

適用基準および参考文献

適用基準

港湾基準
  • 公益社団法人 日本港湾協会 港湾の施設の技術上の基準・同解説 平成30年5月
  • 公益社団法人 日本港湾協会 港湾の施設の技術上の基準・同解説 平成19年9月
漁港基準公益社団法人 全国漁港漁場協会 漁港・漁場の施設の設計の手引 2003年度版

参考文献

  • 公益社団法人 全国漁港漁場協会 漁港・漁場構造物設計計算例 平成16年新刊
  • 海岸保全施設技術研究会編 海岸保全施設の技術上の規準・同解説 平成16年6月
  • 土木学会 海岸施設設計便覧 2000年度
  • 沿岸技術研究センター 湾構造物設計事例集 平成19年改訂版 平成19年3月
  • 国土交通省 港湾局 防波堤の耐津波設計ガイドライン 平成25年9月

製品価格

防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3300,000円(税別)

フローティングライセンス価格

本体価格の40%を追加いただくことで、誰でもどこでもどのPCでも製品をご利用いただけます。

防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3120,000円(税別)

サブスクリプション価格

対象製品初年度1年
防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3無償120,000円(税別)
防潮堤・護岸の設計計算 Ver.3 フローティング168,000円(税別)

サポート内容

  • バージョンアップ無償提供
  • 電話問い合わせテクニカルサポート
  • 問い合わせサポート(電子メール、FAX)
  • ダウンロードサービス
  • 保守情報配信サービス

本製品を除くお得なスイート製品については、製品情報にてご確認ください。

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