弱い出力で照射することで表面への酸化皮膜でのマーキングができる。 さびに強く、凹凸のない滑らかな面に仕上がる。
この利点を生かしているのが衛生面に厳しい医療器具だ。洗浄・消毒が均一になされるよう極力凹凸のない形状が求められ、照射面は薬品・熱消毒にも耐えられるという利点がある。実際にピンセットやメスに管理番号やQRをマークし、患者とその患者に使用した器具とのひも付けや使用回数の記録にも使われている。
展示会で知る、レーザーマーキングの技術とお薦め加工機
レーザーマーカーは従来より目盛り、ロゴ、注意事項などを部品や製品に印字する用途で使用されている。昨今、トレーサビリティを背景にニーズが高まっており、製造工程で使用した金属部品や製品にロット番号やQRコードを印字することで追跡可能になるからだ。
今回はレーザーマーカーの原理とメリット、そしてお薦めのレーザー加工機2機種をご紹介する。
レーザーマーキングは、金属や樹脂(金属を含む)でできた対象物にファイバーレーザーを照射し、対象物の表面処理を剥離させたり、彫り込んだり、材料の組成を変化させることにより、文字やロゴ、各種コードなどを印字する仕組みだ。
レーザーマーキングのメリットとして次の3点がある。
弱い出力で照射することで表面への酸化皮膜でのマーキングができる。 さびに強く、凹凸のない滑らかな面に仕上がる。
この利点を生かしているのが衛生面に厳しい医療器具だ。洗浄・消毒が均一になされるよう極力凹凸のない形状が求められ、照射面は薬品・熱消毒にも耐えられるという利点がある。実際にピンセットやメスに管理番号やQRをマークし、患者とその患者に使用した器具とのひも付けや使用回数の記録にも使われている。
プリントでは消えてしまったり、シールだとはがれたり紛失してしまう場合もあるが、レーザーマーキングではそのようなケースを回避でき、不具合品のロット選別や製造ラインでのシール剥離による異物混入などのリスクを防げる。
彫刻機や打刻機では難しいQRコードやバーコードなどの細微な加工もレーザーマーカーなら実現できる。写真をご覧いただくと、ステンレス製のノベルティに1cm角のQRコードがマークされているが、スマートフォンで難なく読み取れた。
レーザーマーカーは高速化・小型化が進んでおり、価格も従来より抑えたモデルがリリースされている。色付け(注1)やR形状・凹凸面などの複雑な形状であっても文字がゆがまずにマーキングできるといった改良もなされている。
最後に2019年10月に開催された大塚商会主催の「3Dデータ活用 Solution Fair 2019」より、お薦めのレーザーマーカー2機種をご紹介する。
Lasoxはレーザー加工を10年以上行っていた職人のノウハウを取り入れたオールインワンマーキングシステムだ。設計から組み立てまで日本で行っているため、ソフトも日本語表示で直感的に操作しやすい。高性能でありながらも価格を抑えている点も魅力だ。
対象 | 金属全般、一部樹脂、木・皮など(機種による) |
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本体サイズ | 卓上設置型(SDシステム:幅 532×奥行き 946×高さ 1,072mm) |
価格(税別) | 1,980,000円~ |
3DファイバーレーザーTASTEは3D CADデータ(STL、STEP、IGES、PARASOLID)のインポートに対応しており、±20mmの段差や凹凸面、曲面局面などの複雑な表面にもマーキングできる点が魅力だ。一度のレーザー印字では困難であった加工もマーキングできるため、作業の効率化が図れる。
対象 | ステンレス、真ちゅう、銅、アルミニウム、治乱、普通鋼、一部樹脂(ABS、PP)など |
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本体サイズ | 卓上設置型(554×600×752mm) |
価格(税別) | 2,480,000円~ |