構造解析ソフトの選び方

3階層で理解するCAEソフト

構造解析ソフトウェアを検索すると、さまざまな製品が検索結果に現れ、それぞれが異なる機能や特徴を謳っています。初めて導入を検討される方にとっては、「どの製品が自社に適しているのか」を見極めるのは容易ではありません。

そこで本記事では、構造解析ソフトを専門性・評価精度・価格の三つの軸で分類し、導入目的に合わせた最適な選び方をご紹介します。

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構造解析ソフトの階層分け

構造解析ソフトは、使用者のスキルや解析対象の複雑性に応じて次の3種類に分類できます。

 

種類デザインCAEミドルCAEハイエンドCAE
特長3次元CAD統合型を中心とし、手軽で導入しやすく使いやすい柔軟性があり、ある程度の知識が必要高精度だが扱いに高度なスキルが必要
価格帯低~中価格帯中価格帯高価格帯
評価定性的定性・定量的定量的
専門性

デザインCAE

デザインCAEとは、設計者が比較的簡単な現象を短時間で解析できるソフトウェアです。主に製品設計の初期段階で、複数の設計案を比較検討するために活用されます。

3D CADに組み込まれているアドイン形式や、CADと連携して使えるタイプが主流で、操作性が重視されています。そのため、設計作業と解析作業を同じ3D CADソフト内で切り替えて行える点も大きな特長です。

製品例

SOLIDWORKS Simulation Professional、Autodesk Inventor Simulation、CATIA CAE など

SOLIDWORKS Simulationの画面

ミドルCAE

ミドルCAEとは、比較的簡単な操作で非線形解析や動解析といった、より専門的な解析を可能にしたソフトウェアです。一定の解析知識を必要としますが、操作性と機能のバランスに優れています。

ミドルCAEの領域

製品例

SOLIDWORKS Simulation Premium、Autodesk Inventor Nastran、SIMULIA Extended Analysis など

ハイエンドCAE

ハイエンドCAEとは、複雑かつ専門性の高い現象を解析する解析専任者向けのソフトウェアです。落下・衝撃などの現象に非線形性が重なる「複合非線形」の状態でも、安定して計算が解けるようなプログラムとなっています。

デザインCAEやミドルCAEのような相対評価ではなく、試験の代わりとなる精度が高い解析結果を追求することが可能です。その分、入力・出力項目が多く、操作の習得には一定の時間が必要になるのが特徴です。

ハイエンドCAEの領域

製品例

Ansys Mechanical / LS-DYNA、Abaqus、3DEXPERIENCE Works Simulation、Marc など

まとめ:目的に応じた階層を見極めることが重要

構造解析ソフトウェアを選定する際には、「何を解析したいのか」「どこまでの精度が必要なのか」「誰が操作するのか」を明確にすることが重要です。

本記事と併せて、さらに詳しく解説している資料を参考にいただけると幸いです。選定に迷われる場合は、大塚商会専門エンジニアがヒアリングのうえ、最適な製品のご提案をさせていただきます。

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構造解析ソフトの選び方 -Design CAEからHigh-End CAEまで-

主な内容

  • Design / Middle / High-End CAEとは
  • 構造解析ソフト選定のポイント