PDM/PLM導入に必要なことは?
PDM/PLMを導入後、活用できていますか?
最近は「PDM/PLM」とよばれる設計情報管理システムを導入後、情報を管理・活用し、さらなる業務効率化に取り組まれているお客様が多くなっています。しかし、このようなシステムの導入経験が少ないため、非常に苦労しその後も立ち上がらないというお客様が多いといえます。今回は私の経験上からスムーズにシステムを導入し、活用するために必要な事柄についてご紹介します。何件かお手伝いさせていただいた経験から、導入時に必要な点を挙げさせていただきます。
システム導入のアプローチ
システム導入時のアプローチには次の二つの方法があります。
アプローチ方法1 現状業務を変えずにシステムを業務に合わせる | |
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メリット | 利用者の混乱も少なくシステムの立ち上がりが早い。 |
デメリット | 例外的な業務への対応などシステムの開発に多くの時間とお金がかかってしまう可能性がある。 |
アプローチ方法2 システムに合わせて業務自体を変更する | |
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メリット | システムをシンプルに構築できる。 |
デメリット | 業務によっては他部門との調整作業が困難で時間がかかる。 |
棚卸しで業務の無駄をはじきだそう
両者とも一長一短ではありますが、システム導入を機に「無駄や形骸化された業務は何か?」「例外的な業務はどのくらいあるのか?」ということを棚卸し、シンプルな業務に落とし込んだ上でシステム化することが大事になります。現状業務には古いやり方から変わっておらず、形骸化しているものはありませんか?業務自体を変更することは、他部門との調整などもありなかなか難しいことです。しかし、現状のやり方にこだわらず最適な方法を検討することがシステム導入・業務工数を削減するために必要といえます。
事例で納得!
あるお客様は設計部門から手配している書類の記載項目を棚卸しし、本当に必要な項目に絞ることでシステム導入工数や書類作成工数を削減できました。
システム利用者のモチベーションを上げる
設計情報管理システムは導入当初にはメリットが分かりにくいところがあります。利用者には情報を管理するための工数が増えるだけで、ともすれば面倒なものとしてとらわれがちです。管理工数はできるだけ少なくなるように構築しますが、残念ながら0にはできません。利用者にメリットを感じてもらえるシステムでないと、利用されずに導入が無意味になってしまうこともあります。
事例で納得!
あるお客様は本システム上に補助機能として一括印刷機能を実装し、設計者が手動で行っていた図面の印刷作業を軽減するなど、実業務上でのメリットを感じてもらうことを意識しながら導入をすすめ利用率を向上できました。
業務改善に前向きな環境が必要
設計情報管理システムを導入することで情報管理はできますが、それだけで業務効率の向上が進まないことがあります。利用者が前向きに業務改善に取り組み、活用することで初めて本来の効果が出るものといえます。
事例で納得!
あるお客様は、システム導入を進める前から設計者自身が自分たちの業務を改善するためにさまざまな工夫をしていました。ファイルサーバーでのデータ管理方法についても、どのようにすれば設計効率を上げられるかを検討して必要なフォルダ構成を管理していました。このお客様はシステム導入もスムーズに進み、高い導入効果を上げることができました。
構築後、システムが当初想定以上に活用されており驚かされたこともあります。具体的にお手伝いすることが難しい部分ではありますが、日ごろから業務改善について前向きな環境・雰囲気を作っていくことが大切です。
最後に
スムーズにシステムを導入・活用するために必要な事柄についてご紹介し、お手伝いさせていただく上で必要な点を挙げさせていただきました。導入時に少しでも参考になれば幸いです。
実際のシステム構築では上記のような業務・機能の両面から、どのようなシステムが最適なのかを検討しなければなりません。これには実際の業務フローや内容に対する理解とともに、機能についての深い知識が必要となります。また、利用者へのメリットを提示するためにもシステムで実現可能な機能を把握しなければなりません。システムの機能については、お客様自身で把握・理解をすることは非常に時間がかかります。
大塚商会ではシステムの専門家としてお客様のシステム構築を支援させていただいています。設計情報管理システムの導入検討時には、ぜひご相談ください。
この記事を書いた人:H.Y
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