ワークステーションを直接操る感覚でリモート操作できる「HP Z Remote Graphics Software(RGS)」

HP Anywareの販売終了に伴い、新たなリモートワークソリューション「HP Z Remote Graphics Software(RGS)」の提供が開始された。
ワークステーションを直接操作しているかのような快適なレスポンスと高いセキュリティを備え、製造業や建設業の設計現場で再び注目を集めている。その特徴や活用シーン、導入メリットについてHPと大塚商会に聞いた。
第1章:変化し続けるリモートCAD環境「HP Anywareの販売終了」と「RGSの復活」
大塚商会 藤田
これまで提供されてきた「HP Anyware」が2026年5月に販売終了となりました。それに伴って、「HP Z Remote Graphics Software(以下、RGS)」が新たに提供されると伺っています。まずはその経緯について、簡単に解説していただけますか。
HP 山田
前身となるのは「旧RGS(ZCentral Remote Boost)」ですね。2000年ごろからHPワークステーションに無償でバンドルしていたリモートソリューションです。リモートデスクトップと比較して圧倒的にレスポンスがよく、とても高い評価を得ていたサービスでした。
その後、さらに高機能なリモートソリューションを提供するために有償の「HP Anyware」に移行していったのですが、旧RGSの操作感に慣れていた方々から復活を望む声を多くいただき、HPとしても最新のRGSに切り替えていこうという判断に至りました。
大塚商会 藤田
私たちのお客様の中でも、特に3次元CADなどの分野では、コロナ禍における業務環境で旧RGSを活用されていたお客様がいらっしゃいました。当時からその使い勝手を高く評価いただいていたこともあり、使い慣れたRGSの復活を望まれる声が多かったという印象です。
HP 山田
旧RGSに関しては、2023年にサポートが完全に終了し、それ以降はアップデートも提供されなくなったためセキュリティ上の観点から安心してお使いいただけない状況になっていました。
WindowsやHPワークステーション、GPU、CADソフトは継続的に進化しています。旧RGSではそうした環境への対応が難しくなっていました。それでもRGSを使いたいという声が高まっていることは認識していましたので、HP Anywareに代わって最新のRGSを安心してお使いいただけるようサポート付きの有償ライセンスとして提供することになったわけです。

株式会社大塚商会 マーケティング本部 CADプロモーション部 戦略推進課 藤田昌弘
第2章:「最新HP RGS」の真価と「Zワークステーション」の優位性
大塚商会 藤田
最新のRGSは性能が向上しています。オフィスにある高性能なワークステーションにリモート接続することで、妥協のないパフォーマンスでグラフィックス処理を行い、高負荷なプロジェクトをリモート環境から進めることができます。
リモートデスクトップでは遅延が大きく、思ったようにワークステーションを操作できないケースも多かったと思います。新しいRGSはどのような特長があるのでしょうか?
HP 山田
RGSの特長は、まず安全性です。ワークステーション側の画面データを暗号化して転送するため、設計データそのものはクライアント端末に残りません。
HP 若宮
遅延が最小化されている点も特長です。リモート接続においては、設計データをマウスで回転表示させる場合、ごくわずかな遅延でも操作時のストレスになってしまいます。RGSではその遅延が最小化されているため、実際に操作したお客様からも、「ほぼストレスなく操作できる」と高い評価をいただいています。
大塚商会 藤田
Velocity機能はパケットロスの影響を軽減し、遅延を抑えるRGS独自の技術です。海外との接続テストでも高い効果を確認しています。これは他社のソリューションにはない機能であり、HP製のRGSの強みだと思います。
同時にAVC(Advanced Video Compression)という機能を使うことで、高画質のまま圧縮させることも可能です。この二つの機能のオンとオフを適切に切り替えることで、ユーザーごとに異なるネットワーク帯域に応じて、最適な通信状態に調整できます。こうした詳細な調整ができるのも、RGSならではだと思います。
動画で分かる Twinmotionでの3Dモデル表示比較
この動画は音声が含まれていません。
HP 山田
ほかにも、複数のユーザーで画面を共有する機能があり、これもチーム作業を効率化する重要な機能になっています。
RGSの開発にあたり、HPでは製造業や建築業を中心として、RGSが活用される具体的な場面を想定するところから始めました。
コロナ禍ではリモート業務や教育現場でのライセンス共有など、さまざまな場面でRGSの活用が進みました。
設計業務では完成した設計図に対してほかのメンバーからレビューがほしい場面もよくあります。その場合、RGSの機能を使うことで、主導権はAさんが持ったまま、Bさん、Cさん、Dさんなど、ほかのメンバーも、それぞれの場所から会社のワークステーションに接続して画面を参照することができます。
この場合、RGSでは画面を参照できるメンバーの人数は理論上無制限です。1対nで複数人が同時に閲覧できるようになるので、Teamsなどのコミュニケーションツールを併用しながら話し合うことも可能です。フルリモートでこれだけのことができるのは、RGSのメリットだと思います。
HP 若宮
設計の現場では、解析結果のレビューにRGSが活用されているという事例も多く伺います。
一般的に解析用のワークステーションには、HPのZ8シリーズやZ6シリーズがよく使われるのですが、これらはチームで共有して使われることが多いと思います。
かつては、解析結果をレビューする場合、重いマシンを会議室に移動してきて、複数人で同じ画面を見ながら話し合うのが一般的でした。
しかしRGSの環境であれば、各メンバーが自席にいながらワークステーションの画面を共有し、会議を行うことも容易です。

株式会社日本HP エンタープライズ営業統括 第三営業本部 ワークステーション営業部 部長 山田真也氏
RGSのサービス形態
大塚商会 藤田
RGSに関しては、「1年ライセンス」と「3年ライセンス」が用意されているとのことですが、それぞれにどのようなメリットがあるのでしょうか。
HP 山田:
定価は、1年ライセンスが25,000円、3年ライセンスが60,000円です。長期間お使いいただく場合は、当然ですが3年ライセンスがおトクということになります。
また、テストライセンスは、30日間無償でご利用いただけます。このテストライセンスでは最大50ユーザーまで利用できるので、まずは30日間お試しのうえ、ご納得いただけましたら3年ライセンスの購入をおすすめします。
旧RGSの提供時は無償だったため、保守サポート用のケアパックを別途販売していました。
新しいRGSでは、ライセンス費用にコールセンターでのサポート費用も含まれています。十分なサポート体制を構築していますので、サポート面でも安心してお使いいただけると思います。
ライセンスサーバーで管理するため、マシンにはひも付きません。HPが提供するクラウド上のライセンスサーバーをご利用いただくことも、自社でライセンスサーバーを構築していただくことも可能です。
HP 若宮:
設計業務を外部に委託している場合、セキュリティを重視し、RGSが活用されているケースもあると思います。しかし、こういったケースではライセンスを長期間利用するとは限りません。新しい外注先に業務を委託する際、まずは1年ライセンスで使っていただき、その後の状況によって利用を継続するか、3年ライセンスへ変更するかを検討することも可能です。

株式会社日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション・ビジネス開発部 部長 若宮明日香氏
第3章:大塚商会×HPがナビゲートする「安心のリモートCADトータルプラン」
大塚商会 藤田
CADを活用されている企業様には、私たちが最大限のサポートをするとお約束してまいりました。企業規模やご予算、利用人数などに応じて、最適な提案をいたします。
CADソフト導入にあたり、初期設定やデータ移行、他システムとの連携なども支援いたします。さらに、専任担当者がトラブルに対応します。
有償版となった新しいRGSでは、私たちのサポートに加え、HPによるサポートも受けられます。HPと大塚商会がお客様の導入から運用までをサポートいたしますので、オペレーターや情報システム部の方々には業務に集中していただけます。
HP 山田
HPとしてもRGSを提供していく中で、大塚商会様とパートナーシップをより強固なものにしながら展開していきたいと思っています。
大塚商会 藤田
旧RGSをお使いいただいていたお客様と直接お会いした際に「復活を待ち望んでいる」という声を聞いていました。新しいRGSにもぜひご期待ください。
RGSをまだご存じでないお客様もいらっしゃいますので、今後はそういったところにも訴求していきたいと考えています。RGSの機能や活用方法にご興味がありましたら、ぜひ大塚商会にお問い合わせください。