CADデータをきちんと管理できていますか?
CADデータは整理ではでなく管理すべき理由
CADデータをどのように管理されていますか?
「え? 管理? フォルダーに分けて保存してるけど…」という声が聞こえてきそうです。実はそれは「管理」とはいえません。単に整理しているだけです。PDM(Product Data Management)ツールを使用することで、データを確実に、そして有効に管理できるようになります。
「でもPDMを入れるとなると仕事のやり方も変わるから面倒」と思っていませんか? そんなことはありません。できるところから始めてみましょう。
そもそもなぜPDMツールに頼った方がいいのか?
これから設計するものが以前の機種の設計変更である場合、一から設計し直すケースがほとんどだと思います。そんなとき、対象となるデータの検索に時間をかけていませんか?
その検索対象が組立図だった場合、組立図内で使用されている全ての部品図をもれなく探し出すのにも時間をかけているはずです。PDMツールでは、ファイル間の関連性も管理できるので、すばやく対象データを探し出せます。ファイルをサーバーに置いて関係者間で共有しながら作業をしていると、同時に複数の人が同一のファイルにアクセスしてしまい、間違って上書きされてしまうなどのミスも発生してしまいます。PDMツールには同時アクセスを制限する排他機能があるので、このような問題も起きません。
このように、設計プロセス内で想定できる時間のムダを取り除けると、製品ライフサイクル全体の工数およびコスト削減につながります。
Autodesk Vault Professionalをお薦めする理由
PDMツールはあらゆるベンダーがリリースしていますが、やはり使用しているCADと同じベンダーのPDMを選ぶことをお薦めします。細かい設定まで対応している可能性が高いためです。
オートデスクがご提供しているAutodesk Vault はAutodesk InventorやAutoCAD Mechanical、Autodesk Simulationなどの製品データを完全に管理できます。さらに、Officeファイルも関連付けられるので、CADデータのみならず付随した資料としてデータも関連性を保ちながら確実に管理できます。さらに、Autodesk Vault Professionalは設計の後工程でも利用できるので、製品ライフサイクル全体を効率化できます。
PDMの導入はできるところから着手しよう
とはいえ、最初にお話したように、全ての業務に対して一斉にデータ管理ツールを導入するのはとても壮大なプロジェクトになってしまいます。そのため、「まずは設計部門で」といったようにできるところから導入してみてはいかがでしょうか?
設計作業で使用するコピーデザイン機能を例にご紹介しましょう。コピーデザイン機能は、元の組立図の関連ファイルを全て抽出し、同じ構成の組立図コピーを作成するというものです。コピーの必要がない構成部品は取り除けます。この機能により、手間がかかる関連ファイルの検索および関連性を保ったままのファイル名変更を自動で行ってくれます。これだけでも大きな工数削減につながるのはご想像できると思います。
なお、Autodesk VaultはCAD製品に無償で付属しているAutodesk Vault Basicと有償版のAutodesk Vault WorkgroupおよびVault Professionalがあります。各エディションの機能比較は次の表をご参照ください。
VaultBasic | VaultWorkgroup | VaultProfessional | |
---|---|---|---|
CADとの直接統合 | ○ | ○ | ○ |
AnyCADのサポート | ○ | ○ | ○ |
高速なデータ検索 | ○ | ○ | ○ |
プロジェクトデータの一元管理 | ○ | ○ | |
データの再利用 | ○ | ○ | ○ |
コンカレント設計 | ○ | ○ | ○ |
簡単な管理と設定 | ○ | ○ | ○ |
すばやく柔軟な導入 | ○ | ○ | ○ |
Officeとの統合 (Word、Excel、PowerPoint) | ○ | ○ | ○ |
VaultBasic | VaultWorkgroup | VaultProfessional | |
---|---|---|---|
Inventorのビジュアルデータ管理 | ○ | ○ | |
作業の自動化と成果物の作成 | ○ | ○ | |
プロジェクト管理とレポート機能 | ○ | ○ | |
リビジョンコントロール | ○ | ○ | |
柔軟なデータセキュリティ | ○ | ○ | |
Outlookとの統合 | ○ | ○ | |
プロジェクトライフサイクル | ○ | ○ | |
部品表(BOM)の管理 | ○ | ||
設計変更(ECO)の自動化 | ○ | ||
カスタムオブジェクト機能 | ○ | ||
マルチサイトへの拡張性 | ○ | ||
Revitとの統合 | ○ | ||
SharePointとの統合 | ○ | ||
ERP統合 | ○ |