1.有限要素解析(FEA)?では梁とソリッド要素をおさえる

要素の違いによる解析結果の比較から、相性の良い要素と3DCAD選定までを解説!

対象の構造に外力が加わると、どのように変形するのかを解析する有限要素解析(FEA)。有限要素解析を行う際のチェックポイントは、「対象の構造物に適した要素を選択すること」です。基本的な要素の違いの解説から、要素の違いによる梁部分の変位量の比較、計算時間の比較を行い、設計内容に合った要素選定と3DCADの選定を行います。

梁(ビーム)要素とソリッド要素の違いを理解しよう

3次元梁要素の節点の自由度は、並進方向3方向、回転方法3方向の自由度を持っています。どのような形状でも2節点で表現されるため、断面積や断面の向きなどは別途定義して入力しておきます。

それに対して、(3次元)ソリッド要素の節点の自由度は、並進3方向のみとなっています。3次元弾性体理論をそのまま適用できるため、理論的には最も簡単で扱いやすい利点があります。

要素節点(1次要素の場合)自由度入力項目
梁(ビーム)26(Tx、Ty、Tz Rx、Ry、Rz)断面積、断面2次モーメント、断面の向きなど
ソリッド4、6、83(Tx、Ty、Tz)なし
  • 梁(ビーム)要素

  • ソリッド要素

ユニットフレームを使って、構造解析をしてみましょう

では、例のユニットフレームを使って構造解析をしてみましょう。解析条件は次のように設定するとします。なお、モデリングと解析にはオートデスク製品を使用しています。

荷重条件自重(加速度荷重1G)
拘束条件上下方向部材
梁(ビーム)要素:ジョイント部を固定
ソリッド要素:部材下面を固定
材料物性縦弾性係数:206.7GPa
ポアソン比:0.27
密度:7.75g / cm3

CAD別に構造解析モデルの作りやすさを評価

3DCADモデルを構造解析モデルに変換する際のポイントをCAD別に評価しました。

  • 図1:△ Autodesk Inventorのフレーム解析機能を使用するには、3Dの座標情報よりフレームジェネレータ機能を用いたモデリングの必要あり。3Dの線モデル(フレームモデル)を利用してフレーム解析が可能となる

  • 図2:○ Autodesk Inventor Simulationでオートメッシュを用いたソリッド要素の解析モデリングが可能

  • 図3:○ Autodesk Revitで3D柱梁モデルを作成すると、解析線分が同時作成されるため、データ転送によりAutodesk Robot Structural Analysisにてフレーム解析用モデルが可能

  • 図4:× Autodesk Revitで作成した3Dモデルを用いても、Autodesk Inventorなどの製造系3DCADの3Dモデルを用いても、Autodesk Robot Structural Analysisのメッシュ作成機能を用いた解析モデルの作成は不可

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システム建築のユニットフレーム有限要素解析(解析結果、考察付き)

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主な内容

  • 解析結果比較
  • 考察 実際、建物全体で行うとどうなる?
  • 補足 RobotのモデルをRevitへ転送したところ…