スーパーエンプラ「PEEK」を使って人工膝関節を3Dプリント
ノズル温度最高450℃まで熱せられるからこそ、スーパーエンプラにも対応可能
FUNMAT HTでは一般的なABSやPLAのほか、PETG、PCなどのエンジニアプラスチックに加えPEEK、Ultemのスーパーエンプラの材料を使用しての造形も可能です。これは、一般的なエントリークラスの3Dプリンターはノズル温度200~280℃前後ですが、FUNMAT HTは最高450℃まで対応しているため実現することができます。
中でもPEEKは引張強度、耐衝撃性、耐摩耗性に優れています。耐薬品性にも優れているため、航空宇宙や自動車分野、医療分野などでも注目されています。このようなPEEKに対応しているFUNMAT HTは既にさまざまな利用が開始されています。
PEEKの特性を生かして人工膝サポートを開発
中国の病院ではFUNMAT HTとPEEKで人工膝サポートを開発しました。
生体力学の原理を応用し、サポート力を高め安定性を改善し、膝を最大限に保護することで膝の寿命を伸ばしました。PEEKの持つ高い耐久性と耐衝撃性がユーザーの膝への衝撃を軽減するのに役立っています。
日本でも今後導入が進み、研究開発目的や耐薬品性が求められる開発現場で導入が期待されています。
耐熱性にも優れているため、安定的な造形を可能に
FUNMAT HTでは庫内温度を最大90℃まで上昇させられるので、一般的に反りが起きやすく造形が難しいとされてきたABSやPCでも、安定的に造形できます。
自動車分野では座席の計量器の制御パーツをPCで造形しています。以前は切削加工して組み立てしていましたが、精度が悪く時間もかかることで生産性が低くなっていました。3Dプリンターで一体造形することで精度も良く、時間短縮につながり生産性が大幅に改善しました。