トポロジー最適化ソフトの使い分けを理解しよう
製造方法の違いによるトポロジーおよび形状最適化の使用例
SOLIDWORKS Simulation Professional 2018からトポロジー最適化機能が追加され、SOLIDWORKSでも実施できるようになりました。このように、トポロジー最適化の専用ソフトでない3D CADでも機能が搭載・強化されています。
では、トポロジーおよび形状最適化ソフト「HiramekiWorks」の有意性はどこにあるのでしょうか? ここでは、重量物を載せる架台の最適化を一例にそれぞれの使用例をご紹介します。
問題
ここでは、図1に示す装置を載せる架台の最適化を例として取り上げます。架台は鉄板を溶接した構造になっています。「重量を変えずに変位量を減らしたい」という要求があった場合、どのように形状を変更すればよいでしょうか?
製造方法を鋳造に変更し最適形状を求めたい場合
まず生産性の向上を狙い、製造方法を鋳造に変更した場合を考えます。鋳造の場合は、ある程度複雑な形状でも成形できます。従ってSOLIDOWRKSのトポロジー最適化を使用し、初期モデルからトポロジーを変えて最適な形状を検討します。
図2にトポロジー最適化を実施した後の結果モデルを示します。この結果に基づき図3に示すような型の抜き方向を考慮したモデルを再作成します。
溶接構造のまま最適形状を求めたい場合
溶接構造で製造する場合、鉄板の削り出しや溶接加工の手間を考えるとトポロジー最適化で求められたような複雑な形状にすることは現実的ではありません。この場合はHiramekiWorksの形状最適化を使用し、最適な補強材の位置、形状を検討します。
図4に形状最適化を実施した後の結果モデルを示します。この結果に基づき補強材の位置、形状を検討し、図5に示すような製造工程を考慮したモデルを再作成します。
初期モデルと最適化モデルの比較
初期モデルと最適化モデルの重量および変位を比較した結果を図6にまとめます。最適化モデルはトポロジーおよび形状最適化共に初期モデルの重量と同程度のまま変位を減らすことに成功しています。
ソフトの使い分けまとめ
SOLIDWORKSでトポロジー最適化ができるようになった今、HiramekiWorksの有意性は形状最適化にあります。
実際の設計現場では、製造の制限などを受ける中で局所的な変更を要求される場面が多々あり、そのようなときは形状最適化が力を発揮します。状況に応じ、トポロジーおよび形状最適化を使い分けることにより、あらゆる状況下における形状の見直しを実現できるため、ノンパラメトリック最適化を検討する際は形状最適化ができるHiramekiWorksまで導入することをお勧めします。
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