ウェブ工具検索サイトを利用したMastercamの工具登録

ウェブでの工具検索でツーリング設定が飛躍的に効率化

加工・工作機械においてツーリングに関する悩みは多いのではないでしょうか。

現在、普及し始めているウェブでの工具検索を活用することで、ツーリング設定が飛躍的に効率化できます。ウェブ工具検索サイトと3DのCAD / CAMシステム「Mastercam」を連携させることで正確な干渉シミュレーションも行えるようになります。この二つを連携させることで生まれるメリットについてご紹介します。

工具規格を標準化、ウェブ検索でもっと便利に

時間がかかっていたツール設定

工具を選ぶといってもエンドミル、ホルダー、チップなどの種類と各メーカーが発表している規格や寸法、工具素材など、属性情報の表記はメーカーごとに独自に管理しています。

ユーザーはその多数のメーカーが公開しているカタログやウェブサイトから工具の情報を得て、各メーカーに確認し、整合性を図りながらツーリングの決定を行っていく必要があります。一つの工具を設定するのに多大な時間を要し、ツーリング設定には手間がかかっていました。

工具の国際標準規格「ISO13399」

工具設定が抱える問題を解決する手段の一つとして、切削工具の国際標準規格「ISO13399」が注目されています。エンドミル、バイト、ホルダーなど工具全般の属性情報を統一表記にした標準規格です。

これにより複数メーカーの工具の比較がしやすく、ツーリングの検討が容易になりました。また、ISO13399に準拠した切削工具データが提供されており、CAD、CAM、NCシミュレーション、工具管理システムなどに取り込む際、同一規格であるために工具ごとにデータ調整する必要がなく、簡単に扱えるようになりました。

標準規格に準拠したウェブ検索サービス

「MachiningCloud(マシニングクラウド)」「ToolsUnited(ツールズユナイテッド)」「SANDVIK Coromant(サンドビック・コロマント)」などに代表される、工具を検索できるウェブサービスではISO13399に準拠した工具をサイズ・属性・用途ごとに分類されているため、簡単に絞り込みできます。

掲載されている工具はCADのSTEPファイル、DXFファイルとして提供され、CAMでのツールパス作成への利用やNCシミュレーションでの工具設定などに利用することが可能です。

ウェブサービスからそのままMastercamに工具登録して効率アップ

ツールアセンブリデータをMastercamに登録可能

MachiningCloudでは、工具の種類ごとにデータが掲載されており、各工具メーカーから検索条件に合った工具を選出できます。日本のメーカーの工具も多数登録されています。

例えば、チップの形状、使用目的、それに合ったホルダーを選ぶことも可能。MachiningCloudには選出した工具やホルダー、治具などをアセンブリする機能があり、そのツールアセンブリデータを2D / 3Dとしてダウンロードし、Mastercamに登録することができます。

Mastercamで正確な干渉シミュレーションができる

ダウンロードしたツールアセンブリデータは簡単にCAD / CAMシステムMastercamに工具登録することが可能です。

Mastercamは、CAD、2軸CAM、3軸CAM、5軸CAM、旋盤CAM、ワイヤCAM、ブレード加工専用CAM、ポート加工専用CAMなどのモジュールを組み合わせることによって、金型・試作・部品加工など、さまざまな業種・加工に対応しています。登録した工具はMastercam内で正確な干渉シミュレーションができ、ビジュアル的に確認しながら最適な突き出し量を検討することもできます。

業務効率化と品質保証を両立

ウェブ工具検索はまだ全てのメーカーの登録ができていないという課題もありますが、工具メーカーを問わずISO13399に準拠した統一された工具データがライブラリーに一元管理されており、ツーリング構想が効率的に行えるようになりました。また、ウェブ工具検索サイトでアセンブリした工具データはMastercamに取り込むことができ、内部で正確な干渉チェックができるほか、NCシミュレーションにも同等のツールデータを活用することができます。

MachiningCloudなどのウェブ工具検索サイトとMastercamを連携させることで、業務の効率化と品質保証の両方を実現しています。