Moldex3Dならではのエアーベント解析

有限体積法を採用した独自の計算方法

樹脂の射出成形では空気を逃がす場所(エアーベント)をうまく設定しないと、ショートショットやガス焼けなどの成形不良につながります。

Moldex3Dは、エアーベント計算をほかのソフトとは異なる手法を採用しています。Moldex3Dならではの機能をみていきましょう。

樹脂と空気の流れを考慮

Moldex3Dのエアーベント計算では、有限体積法を採用し、気液二層流の解析を行っています。計算対象は樹脂流動のみならず、金型内の空気の流動も考慮して計算しています。

通常、空気は金型内から自然に排出される計算を行っていますが、ベント解析のチェックボタンを入れれば、金型内を密閉して断熱圧縮による空気の圧力・温度上昇を解析できます。閉じ込められた空気の温度が上がる「焼け」などの欠陥を予測できるようになります。

  • 空気圧力

  • 空気温度

さらにベントの位置と形状を設定し、ベントからの空気の排出を考慮した解析が可能です。

エアーベントの設定方法

エアーベント解析を行う場合チェックを入れます。初期内圧および型内空気の温度を設定します。

エアーベントの位置と寸法を設定します。ベントの排気圧力のプロファイル設定も可能です。

ベントなしで起こる問題

ベントがない場合、閉じ込められたエアーの温度は急激に上昇し、焼けの問題を示唆しています。

ショートショットの発生

このようにエアーベントのあり/なしは、樹脂の流動パターンに影響します。また、効果的な位置に切れ込みを入れると、品質を維持したまま長時間加工でき、計画的な生産につながります。