主な内容
- 大変位とは
- 大変位オプションの設定方法
- 大変位オプションと非線形解析の違いについて
線形静解析でも、「大変位オプション」で非線形解析の機能が一部利用可能
SOLIDWORKS Simulationの線形静解析を使用していて、大きな変形を伴う製品の解析を断念した経験はありませんか? 例えば解析対象が板バネや釣り竿となどです。
「大きな変形を伴う」ということは、加えた荷重による変形で剛性(構造が荷重に耐える能力)が大幅に変化しているということになります。解析を行うには、荷重とその向きを段階的に適用し、その段階ごとに剛性の再計算が必要になります。線形静解析は微小変形を仮定しており、剛性が変化しない前提で計算を行います。そのため、上記のような大きな変形を伴う解析を行えません(SOLIDWORKSで解析をする場合、Simulation Premiumの非線形解析を行う必要があります)。
そこで、SOLIDWORKS Simulationの線形静解析の大変位オプションを使用すると、非線形解析の一部機能を利用して大きな変形を伴う解析を行えます。本記事では線形静解析の大変位オプションについてご紹介します。
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図1の梁形状を持つモデルに対し、拘束条件と荷重条件を加えて大変位オプションを使用した静解析を行います。
拘束 | モデル奥側の端面を固定 |
---|---|
荷重 | 手前側端面をX軸を中心に時計回りのモーメント荷重を加える |
大変位オプションの設定には二つの方法があります。
スタディのオプションにて、図2のように大変位にチェックを入力すると大変位オプションが有効となります。
線形静解析を実行した際に大変位計算が必要な可能性があるとソフトが判断した場合(自動判断)、図3が表示されます。[はい]を押すと大変位オプションを使用して計算されます。[いいえ]を押すと大変位オプションを使用せずに計算します。
本記事では大変位オプションの設定方法についてご紹介しました。SOLIDWORKS Simulationの線形静解析では、このように簡単に大変位オプションを設定できますので、ぜひご利用ください。
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SOLIDWORKS Simulation線形静解析で大きく変形する現象を計算するには
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