材料費・エネルギー価格高騰対策に3D CADのシミュレーションを活用

シミュレーションツールの活用がカギ

昨今の製造業を取り巻く社会情勢はCOVID-19やウクライナ危機などの影響を受けて目まぐるしく変化し、国内外の経済活動に多大な影響を与えています。特に原油・ガスの供給減によるエネルギーの高騰や材料の高騰、部材不足といった問題は製造業の事業活動に深刻な影響を与えています。

こうした社会情勢の中で事業を継続するため、企業はサプライチェーンとの連携強化や生産拠点の分散など、さまざまな対策を進めていますが、設計部門ができる対策には、どのようなものがあるでしょうか?

ウクライナ侵攻は企業にどのような影響を与えるのか

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材料不足・エネルギー高騰問題に対して設計部門でできる対策

材料不足、エネルギー高騰の問題に対して設計現場でとれる対策は、不要な材料やエネルギーのロスを抑えるため、試作の作成や開発期間の削減、材料消費量の抑えた「効率的な設計」になります。

  • 不要な試作・金型作成による材料・エネルギーロスの低減
  • 製品の軽量化や製造時の不良率低減による材料コスト低減
  • 生産コスト増加を価格転嫁させるための製品価値の向上
  • 開発期間の短縮によるエネルギー消費の低減

そこで有効になるのが3D CAD環境でのシミュレーションの活用です。

3D CADのシミュレーション活用

設計で作成した3Dモデルを用いてCAD上で検証

製品を立体で表現しながら設計を行う3D CADでは、3Dモデルに対して材料の物理特性や荷重・拘束条件をバーチャルで再現し、どのような負荷が生じるかを検証できます。現在、広く普及している3D CADシステムにはシミュレーション機能がパッケージされているものが多数存在し、それらの製品では設計を行いながら仕様要求を満たしているか、CAD上で即座に検証できます。

設計上の問題を早期発見

シミュレーションの活用により、設計上の問題をCAD上での検証で発見できるようになります。これまで試作品による実験を行うまで確認できなかった問題発見を試作作成の前段階でシミュレーションにより発見し、即座に修正できます。事前に検証・修正を繰り返すトライ&エラーをCAD上行ってから製品を作り込むことで、試作・実験からの手戻りを最小限に抑えられます。

検証・修正作業のフロントローディング

設計ミスに対応するための設計変更は後工程になるほど、影響する部品数も増えるため多くの工数がかかります。検証作業を3D CADによるシミュレーションに置き換えることで、製品の検証・修正作業を前倒しで実施する「フロントローディング」が可能になります。従来、試作後に行っていたミスの発見・変更作業を設計の初期段階で実施できるため、より柔軟かつ少ない工数で問題に対応できるようになります。

解析結果に基づいた効率的な修正

一定以上の強度が必要になる製品設計を行う場合、ベテラン設計者であれば知識や経験を基に有効な修正方法を予測できますが、ベテランが減少している現場では経験や勘に頼った設計はできません。 シミュレーションを利用すれば、解析結果から強度の過不足を予測できるため、経験の浅い設計者でも適切な修正方法を検討し、有効な形状を短期間で導き出せます。

有効な形状の計算

トポロジー最適化やジェネレーティブデザインといったシミュレーション機能を利用することで、強度と軽量化というトレードオフにある要求を両立した有効な設計形状を短期間で導き出せます。これらの機能では、簡単な条件設定を基にソフトウェアやAI、クラウドテクノロジーなどを用いて強度や材料、加工方法を考慮した最適な形状を自動計算できるため、設計初期に利用することで簡単にコンセプトモデルを作成でき、効率的に詳細設計を進められます。

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社会情勢の変化に対応するための3D CADによるシミュレーションのすすめ

主な内容

  • 製造業への影響が続く社会情勢
  • 設計環境で利用できるシミュレーション
  • 主要なシミュレーションの種類