現代の製品は、複雑な荷重条件や多様な材料を使用することが一般的です。例えば、軽量化のために複合材料を使用したり、複雑な荷重条件下での耐久性が求められたりするケースが増えています。
High-End CAEでは、複雑な現象を高精度で再現できるため、設計初期段階で問題点を洗い出し、手戻りを防げるようになります。
設計者にもHigh-End CAEが必要な時代へ
製造業の設計現場では、構造解析に簡易的なツールを使うケースが一般的でした。しかし、近年では設計者自身がHigh-End CAE(構造解析ソフト)を活用する流れが加速しています。
その背景には、製品開発の複雑化・短納期化に伴う設計品質の向上と開発効率化へのニーズがあります。
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従来、High-End CAEは解析専任エンジニアが扱う専門領域とされてきました。しかし、製品開発のスピードと複雑性が増す中で、設計者自身が高度な解析を行う必要性が高まっています。
次の理由から、High-End CAEは設計者にとっても非常に有用なツールとなっています。
現代の製品は、複雑な荷重条件や多様な材料を使用することが一般的です。例えば、軽量化のために複合材料を使用したり、複雑な荷重条件下での耐久性が求められたりするケースが増えています。
High-End CAEでは、複雑な現象を高精度で再現できるため、設計初期段階で問題点を洗い出し、手戻りを防げるようになります。
物理試験には時間とコストがかかります。High-End CAEを活用すれば、実機試験の前に仮想環境で設計の妥当性を検証でき、試作回数の削減や開発期間の短縮につながります。
以前は高性能なCAEソフトを扱うには、専門知識と高価な設備が必要でしたが、近年では、PCの性能向上やCAEソフトの操作性改善により、設計者でも扱いやすい環境が整いつつあります。
さらに、クラウド解析や設計者向けライセンスの登場により、コスト・スキル面のハードルが下がっています。
設計者にも扱いやすく、かつ高い解析性能を誇る代表的な構造解析ソフトウェア3製品の特徴をご紹介します。
ダッソー・システムズ社が開発したソフトウェアで自動車や航空、家電などさまざまな業界で活用されており、幅広い線形および非線形解析に対応しています。陰解法と陽解法を利用でき、塑性加工のような非線形性が高い計算や衝撃・落下の計算にも実績があります。プリポストプロセッサを含む統合環境を提供し、簡易モデルの作成から解析結果の評価までを一貫して実行できます。
また、3D CAD(特にSOLIDWORKSやCATIA)との連携も可能で、設計者がスムーズに利用できます。
ダッソー・システムズ社が開発したソフトウェアでプロセッサにはAbaqusテクノロジーが活用されています。クラウド利用の開発環境である3DEXPERIENCEのプラットフォーム上で利用するツールとなり、解析実行時にクラウドコンピューティングを選択できます。
SOLIDWORKSとの連携も可能で、3D CADモデルだけでなく、SOLIDWORKS Simulationで定義した解析条件も転送できます。
Ansys社が開発したソフトウェアで、幅広い業界の企業や研究機関で活用されています。熱流体解析や電磁界解析など多岐にわたる専用の解析ソフトウェアを提供しており、複合解析を得意としています。統合操作環境であるAnsys Workbenchにより利用者が直観的に操作ができ、解析フローの構築が容易で複雑な連成解析に効率的な操作が可能です。
Abaqus | 3DEXPERIENCE Works Simulation | Ansys Mechanical | |
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ライセンス形態 | ネットワーク | ネームド | ネットワーク |
契約形態 | 買い取り・レンタル | 買い取り・レンタル | 買い取り・レンタル |
クラウド環境(標準) | なし | あり | なし |
並列計算 | 標準1コア(追加あり) | 標準4コア~(追加あり) | 標準4コア(追加あり) |
流体-構造連成 | なし | あり | あり |
電磁界-構造連成 | なし | なし | あり |
本記事で紹介したHigh-End CAEを活用することで、解析専任エンジニアに頼らず、初期段階での設計検証が可能になります。製品の設計プロセスに合った解析ソフトウェアを選定することで、開発スピードと品質の両立が実現できます。
ぜひ、自社の課題解決に向けて、構造解析ソフトウェアの導入をご検討ください。
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高性能な構造解析ソフトの特長を解説
主な内容