製造業向け解析ソフトの種類と選定のポイント

解析ソフトの種類

製造業における解析ソフトは、解析手法ごとに特化した機能を有しており、「どのような解析を行いたいか」「どのような立場の方が利用されるのか」などによって選択するソフトが決まってきます。

本記事では、代表的な解析ソフトの種類とそれぞれの主な用途を示していますので、導入検討時の参考としてください。

構造解析ソフト

目的構造物に荷重が加わった際の応力・変位などの評価
用途製品設計段階における構造的な強度、耐久性、剛性などの検討

熱流体解析ソフト

目的流体(液体・気体)の流れ、温度、圧力、熱交換の評価
用途自動車の空力解析、配管やダクト内の流速・圧力損失、電子機器内の熱分布の検討

樹脂流動解析ソフト

目的射出成形品をはじめとするプラスチック製品の成形不良予測と対策(ショートショット、ウェルドライン、ヒケ、反りなど)
金型冷却による成形条件の評価

機構解析ソフト

目的機械の動作や運動を計算し、意図した動作になるかを評価
用途ロボットアームや装置、車両サスペンションなどの動作検証

解析ソフト選定の四つのポイントと導入ステップ

解析ソフトの選定には、次の4点と検討の流れが重要です。

  1. 解析目的と手法の明確化

    設計課題に対してどの解析手法のソフトが必要か、前記の解析ソフトの種類を参考に検討します。

  2. 複数ソフトの比較検討

    解析精度、処理速度、操作性、GUIの分かりやすさ、ベンダーのサポート体制などを総合的に評価します。

  3. 費用対効果の検討

    初期導入費用だけでなく、ライセンスコスト、教育コスト、社内展開のしやすさなども含め、ROI(投資対効果)の視点で選定します。

  4. トライアルの活用

    トライアル版を使用して操作性や実用性を検証します。実際の使用感を確認することで、導入後のギャップを防げます。

まとめ

解析ソフトの導入は、設計品質の向上やコスト削減に大きな効果をもたらします。どの解析を行いたいか、どの課題を解決したいかを明確にし、各ソフトの特性や導入コスト、操作性を比較したうえで、最適なソリューションを選定することが成功の鍵となります。