主な内容
- 梱包材の設計とは……?
- 立体モデルを作成するフィーチャー機能
- 機械系CADで梱包設計を行うメリット
機械系CADを梱包材の設計で活用
製品の開発プロセスで必要となる要素の一つに梱包(こんぽう)材の設計があります。製品の輸送や保管時に保護する目的で使用される梱包材は製品を固定するために隙間なくフィットした形状である、収納できるよう範囲内で作成する、といった要素が求められ、内容物となる製品が構造に大きく影響します。そのため、製品設計と同じく、形状を立体で表現する3D CADの利用が有効です。
梱包設計に特化した3Dツールも存在しますが、機械系CADで製品設計を行っている環境であれば、CAD搭載のモデリング機能を用いて梱包材を3次元で設計できます。今回は機械系CADにおける梱包材設計での利用方法をご紹介します。
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機械系3D CADでは設計情報として3Dモデルを作成します。製品設計と同じ3D CADで梱包設計を行うことで、製品モデルを表示し、製品モデルに合わせて梱包材の形状を検討・作成できます。製品にフィットした形状が求められる梱包設計では、製品モデルを参照しながら設計できることは大きなメリットになります。
3D CADではスケッチで定義した輪郭を基に「押し出し」などのフィーチャー機能を用いて立体モデルを作成します。表示している製品モデルを参照しながらスケッチを定義できるため、ミスなく、正確に意図する形状を作成できます。
「ブール演算」機能は指定したボディーを基にボリュームを追加したり、除去したりすることができます。簡易的に表現した梱包領域と製品モデルでブール演算を行うことで、複雑な意匠を含む製品であっても形状にフィットした梱包材を簡単に作成できます。
「シェル」機能は、指定した面を除去しながらその他の面に一定の厚みを残してボディーを空洞化します。ブール演算などで製品形状に合わせてボリュームを除去した後にシェル化することで、プラスチックのケースやパルプモールドなどの梱包材を作成できます。
紙やプラスチック素材を組み合わせる組仕切りは、各仕切り板をマルチボディーで表現した後、内容物に合わせてボリュームをカット、除去することで作成できます。一つの仕切り板を作成した後、パターン機能でコピーを作成できるため、多数の要素が必要になる組仕切りも少ない手数で作成できます。
機械系CADに搭載されている板金部品に特化したモデリング機能でダンボール製の梱包材を作成できます。簡易的なスケッチで薄板モデルを作成できるほか、エッジに合わせてフランジを追加、製品モデルに合わせてボリューム除去することで簡単に形状を再現できます。板金機能で作成したモデルは曲げ状態の作成に必要な展開図(フラットパターン)を表示できますので、カッティングの形状を確認できます。
フランジを追加する際に隣接するフランジと重なるように作成したり、カットやボリュームを追加してツメ部分に差し込むようにフランジを追加したりするなど、ダンボールの折り込みに合わせて形状を作成することで、複雑に折り曲げられた組み立て式の梱包材も再現できます。
ダンボールの切り込み部分を内側に折り曲げるひな壇形状は、カットとフランジ機能で疑似的に再現できます。わずかな隙間を設けて形状を再現した後、展開状態でのみ隙間を埋めるようにボリュームを追加することで、ひな壇形状に必要な展開図を再現できます。
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