失敗しない樹脂流動解析ソフトの選び方 ~設計者・技術者別の基準~

樹脂流動解析ソフトの導入を検討する際、「せっかく導入するならどの製品が一番高性能か」という基準で選んでいませんか? 実は、オーバースペックなソフトを選んでしまった結果、操作が難しく導入後に現場で使われなくなるケースが後を絶ちません。

ソフト選定を成功させる最大のカギは、「誰が、どのような目的で使うのか」を明確にすることです。本記事では、ユーザー層に合わせたソフトの選び方から、最適な契約形態、見落としがちなマシンスペックまでを分かりやすく解説します。

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ユーザー別:樹脂流動解析ソフトの選び方と用途

樹脂流動解析ソフトは、大きく「製品設計者向け(エントリー系)」と「金型・成形・生産技術者向け(ハイエンド系)」の二つの用途に分かれます。それぞれの違いは以下のとおりです。

 

比較項目製品設計者向け(エントリー系)金型・成形・生産技術者向け(ハイエンド系)
主な目的成形不良による手戻り・設計変更を減らす量産立ち上げの安定化、数値根拠に基づく判断
求める機能成形の良しあしの手軽な判断成形条件から冷却設計までの詳細な検討
重視するポイント直感的な操作性、3D CADとのシームレスな連携高い解析精度、高度な拡張性・カスタマイズ性
専任者の有無解析や成形の専任者がいないことが多い解析や成形に関する専門知識を持つ技術者が担当

自社でソフトを扱うのが設計担当者なのか、それとも生産技術担当者なのかによって、選ぶべきグレードは異なります。

樹脂流動解析ソフト4製品の特長を比較・解説 -製品設計者から成形技術者まで-

ニーズに合わせた購入形態(ライセンス)の選定

ソフトウェアの機能と同じくらい重要なのが「購入形態」です。利用頻度や運用方針に合わせて最適なプランを選ぶことで、トータルコストを大幅に抑えることが可能です。

買取ライセンス型

初年度にライセンス購入費用がかかるものの、永続的な利用権を取得できます。次年度以降は保守費用のみとなるため、長期的に継続利用する場合や、日常的に活用する頻度が高い場合にお勧めです。

サブスクリプション型

1カ月や1年など、一定期間ごとに利用料を支払う形式です。業務の繁忙期など利用時期に波がある場合や、初期費用を抑えてまずはスモールスタートで導入したい場合に適しています。

従量課金型(トークン・クラウド型など)

メーカーが指定する仮想通貨やチケットを事前に購入し、ソフトの利用時間や計算量に応じて消費する形式です。解析を行う頻度は少ないものの、必要な時にだけ使って運用コストを最小限にしたい場合に推奨されます。

ソフト選定と同じくらい重要な「マシン(PC)選定」

樹脂流動解析の導入において見落とされがちなのが、解析を実施するマシン(ワークステーション)の性能です。「自社に最適なソフトを購入したのに、マシンスペックが足りず計算がいつまでも終わらない」という事態になり得ます。

樹脂流動解析は、解析モデルを細かい要素(メッシュ)に分割し、膨大な計算を実施します。そのため、以下のスペックが解析の快適さに直結します。

  • クロック周波数:数値が高いほど、計算スピード(処理時間)が速くなります。
  • コア数:搭載コア数が多いほど、計算処理の並列化が進み効率化に直結します。
  • メモリ:実装メモリ容量は、作成できるメッシュ(要素)の量や規模に直結します。
  • 電源ユニット:高負荷な計算を安定して連続稼働させるため、一般的に数百~1,000ワット程度の余裕のある大容量電源が必要です。

実施したい解析のボリューム(メッシュ数や解析時間)に耐えうるワークステーションをソフトとセットで検討することが重要です。

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まとめ:導入を成功に導くために

樹脂流動解析ソフトの導入は、以下の三つの柱で検討することが成功のカギを握ります。

  1. 自社の人材と目的に合った機能(エントリーかハイエンドか)
  2. 運用頻度に合わせた無駄のないライセンス形態
  3. 解析ボリュームに耐えうるマシンスペック

ソフトの機能比較だけに意識が偏らないよう、全体の運用フローを見据えた設計が重要です。

「自社の設計フローや成形工程にはどのソフトが合うのか」「推奨されるマシンスペックが分からない」といったご不安やご不明点がありましたら、大塚商会のシステムエンジニアが一緒にご相談を承ります。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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主な内容

  • 利用者の違い
  • ソフト形態の違い