【職種別】射出成形シミュレーションの活用例

どのような職種の方が射出成形シミュレーションを活用しているのか?

前回は自動車業界や電機業界といった業種別での活用例をご紹介しました。今回は仕事の役割分担である「職種」に着目し、どのような仕事をされている方が解析で何を評価しているのかをご紹介します。

【業種別】射出成形シミュレーションの活用例

利用が多い職種とその活用例

一般的に射出成形シミュレーションを広く利用されているのが、製品設計、金型設計、製造・生産管理をしている方となります。活用例をSOLIDWORKS Plasticsでの出力結果を中心にご紹介します。

製品設計

製品設計では、設計した形状の良しあしを解析で評価します。成形不良の約7割は形状起因と言われており「以降の工程で不良が発生するかは形状で決まる」と言っても過言ではありません。製品設計での活用が品質面からみても最も効果があります。

形状の最適化

冷却時間が問題になるモデルに対して肉抜きをしたり、大きく反りが発生したりする部位を修正するなど、成形性のよい形状を評価します。

必要冷却時間

反り変形

材料選定

数千種ある材料ライブラリから任意の材料を選択し、成形時に与える影響を確認しながら最適な材料を選定します。

  • 材料Aの場合の充填パターン

  • 材料Bの場合の充填パターン

外観確認

製品の外観や見栄えが重要となる部位で、外観に影響を与える不良が発生していないかを解析結果から評価します。

  • 外観不良例:ヒケ

  • 外観不良例:ウェルドライン

金型設計

金型設計では金型の構造、スプルーランナー、ゲート、冷却管のレイアウトを主に評価します。

ゲートの最適化

より単純な金型構造でより成形しやすいゲートについて、解析を繰り返しながら評価します。

充填パターン

冷却管の最適化

冷却効率やサイクルタイム、冷却による収縮の影響を解析しながら冷却条件やレイアウトを評価します。

必要冷却時間

製造・生産管理での活用

成形を行う製造および生産管理や生産技術では、総合的に試作や不良の削減を検討し、より効率的な成形条件を評価します。

試作・不良の低減

よりリアルな解析で製造現場での試作や不良を低減できるか評価します。

充填パターン

成形条件の検討

材料、射出条件、保圧条件、冷却条件といった各項目の成形条件を評価します。

成形条件

CAEソフトで後工程をスムーズに

各職種とも、基本は自身で変更が可能な項目について評価しています。解析の活用で不良となる要因を改善し、後工程に残さない取り組みが重要です。射出成形シミュレーションにご興味がありましたら、お気軽に大塚商会までご相談ください。

大塚商会が取り扱うCAEソフトウェア

大塚商会では、CAEソフトウェアを幅広くご用意しています。適したCAEソフトウェアの選定から導入後のサポートまでご支援します。

CAE(樹脂流動解析) 製品情報

射出成形シミュレーションの活用例