あなたにぴったりのワークステーションを見つけましょう
CADのスペックを満たしたHPワークステーションが簡単に見つかります。
これからのビジネスを支える最新ワークステーション事情を徹底解説!【前編】
いよいよ最新プロセッサー「インテル Core Ultra プロセッサー」搭載モデルがラインアップに加わったHPのモバイルワークステーションシリーズ。AIをローカルPCでスムーズに処理をすることが可能となるだけに興味が尽きないところだ。今回はインテル、HPにお集まりいただき、あらためて最新プロセッサーの特長や、搭載モデルのラインアップについて解説してもらったのでご紹介しよう。
藤田
大塚商会でも早期から取り組んでいますが、現在、生成AIが大きな話題となっています。私たちの会社でもMicrosoftのCopilotを使い始めており、いまや生成AIなくして業務効率化はありえないという印象を持つほどです。ローカルPC上で使うAIというと、Microsoft Teamsのバーチャル背景や、ノイズキャンセルなどが既に実運用されています。インテル Core Ultra プロセッサーはこれらの処理がより快適になると伺っていますが、従来のプロセッサーとの違いを教えてください。
佐近
2023年の12月にリリースさせていただいた「インテル Core Ultra プロセッサー」ですが、2024年になり法人向けモデルが追加されています。従来のプロセッサーは、CPUとGPUで構成されていましたが、今回はアーキテクチャを大きく変更し、土台となるパッケージに大きな三つの家を建てるようなイメージで、CPUとGPU、さらに新しいSoC用の家を造って、その中に新しいプロセッサーを載せています。
その新しいプロセッサーが、「NPU(Neural Processing Unit)」ということになります。NPUはAI処理が得意なプロセッサーですが、このエリアに今までCPUが持っていた省電力でバックグラウンド処理が得意な低電力のEコア版も配置しています。
NPUと低電力Eコアが新たに加わったことで、さまざまな点で効率化が実現できています。例えば、従来のプロセッサーでは、アイドルタイムでもCPUが動いていましたので、その分電力を消費していました。これをSoCの低電力Eコアが代わりになってくれますので、CPUは休んで、超省電力なEコアのみが働くことで、大きく消費電力が節約できるようになりました。
一方のNPUはAI処理に特化したプロセッサーとなっており、逆にいうとAI処理以外の演算をする際には動きません。基本的にNPUは並列型の演算が得意ですので、AI処理に関しては従来のCPUの3倍は高速になっています。
藤田
AIのローカルPCでの処理や、AI以外の演算でもかなりの効率化と高速化が望めそうですね。実際にどのようなアプリケーションの利用を想定されていますか?
佐近
先ほどお話に出たMicrosoft Teamsはもちろん、Windows 11のWindows Studio Effectsは低消費電力でAI処理を行うNPUが不可欠となります。もちろん、これ以外にも現状の業務用アプリケーションにはAIを使った機能がかなりの割合で含まれていると思います。
そのような業務用アプリケーションに関していえば、現状のCPUとGPUでもご利用いただいていることからもお分かりのように、従来のプロセッサーでも稼働させられるようにプログラムされています。これをNPUで動作するように、デベロッパーの皆様にはコーディングしていただく必要があるのです。
そこで私たちはオープンソースのツールキット「OpenVINO」を提供しています。こちらをご利用いただくことでデベロッパーの皆様に負担をかけず、非常に簡単にNPU対応に最適化することができます。もちろん、「AI PCアクセラレーション・プログラム」にご参加いただければ、コミュニティーや私たちがサポートもさせていただきます。
実際にパートナーとなっていただける方はどんどん増えており、それが私たちの強みにもなっています。今後、AI対応のアプリケーション開発はますます活発になり、エンドユーザーの皆様がローカルPCでAIを快適にご利用いただける環境が実現できるようになっていくと確信しています。
藤田
非常に楽しみですね。HPのインテル Core Ultra プロセッサー搭載モデルのラインアップは今どのような状況なのでしょうか?
大橋
はい。まずはインテル Core Ultra プロセッサー搭載モデルでいうと、薄型軽量モデルの「HP ZBook Firefly 14 inch G11」と「HP ZBook Firefly 16 inch G11」、メインストリームモデルで、BIMや3D CADのお客様に人気の「HP ZBook Power 16 inch G11」、そして8月上旬に販売開始予定の「HP ZBook Studio 16 inch G11」がラインアップされます。
G11の世代になり、AI処理の強化のみならず、セキュリティも強化され、全体のパフォーマンスが大きく向上しています。また、モビリティ重視のFireflyでは低消費電力のUプロセッサーを、パフォーマンス重視のPowerとStudioではHプロセッサーを採用しています。
もちろん、消費電力についてはトレードオフになりますが、CADのお客様のご期待という部分ではパフォーマンスへのご期待が大きいですので、重要なポイントになってくると考えています。
藤田
インテル Core Ultra プロセッサーを搭載したことで、ほかにどんな特長がありますか?
大橋
例えば、セキュリティソフトウェアですね。従来のプロセッサーですと、セキュリティソフトがバックグラウンドで動いていますと、PCのパフォーマンスが落ちると感じる方もいましたが、G11からはこれまでCPUに負荷がかかっていた部分をEコアやNPUにオフロードすることで最適化できます。CPUは本来の設計業務に割り振れますので、セキュリティとパフォーマンスの両立が実現できます。この点も大きなメリットだと思います。
HPのワークステーションには自社のセキュリティソフトウェア「HP Wolf Security」が搭載されています。そこに含まれる「HP Sure Sense」は、マルウェアの予測モデルを用いることで、いわゆるAIを使った先読み検知をすることができます。こうした機能も従来よりもレスポンスよく利用することができるため、安全面も強化されるということになります。
藤田
それは心強いですね。GPUを使うお客様も多いと思いますが、その点についてはいかがですか?
大橋
もちろん、インテル Core Ultra プロセッサーのグラフィックスも倍の性能を持つArc グラフィックスに刷新されています。内蔵Arcグラフィックスとディスクリートグラフィックスをハイブリッドで使う際に違いを感じていただけると思います。
HPのモバイルワークステーションには、パフォーマンスが必要なときにはディスクリートグラフィックス、日常的な使い方をしているときはプロセッサーに内蔵されるArcグラフィックスと使い分ける機能が備わっています。
実際にCADをご利用のお客様もCADソフト以外のソフトウェア、例えば、メールやOfficeソフトを使っている時間が案外長いという方が非常に多かったのです。グラフィックスは電力消費が大きなパーツですから、バッテリーの持ち時間なども考慮すると適材適所で使い分ける方が効率的ですね。
藤田
私たち大塚商会もニーズの高い製品をお客様にお届けするために、さまざまな角度からベンチマークや業務アプリケーションの稼働状況などを調査していますが、本日お二人の話を伺って、今後はそこにAI機能についての最新情報も採取しなければならない部分もあるなと思いました。
今回のお話はぜひ、これからワークステーションのご購入を検討される方にお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
あなたにぴったりのワークステーションを見つけましょう
CADのスペックを満たしたHPワークステーションが簡単に見つかります。