HPデスクトップワークステーションに搭載された、インテルプロセッサーについて深堀!

これからのビジネスを支える最新ワークステーション事情を徹底解説!【後編】

左:インテル株式会社 セールス&マーケティンググループ ビジネスクライアント・ テクニカル・セールス・スペシャリスト 佐近清志氏 中央:株式会社大塚商会 マーケティング本部 CADプロモーション部 戦略推進課 藤田昌弘 右:株式会社日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 本部長 大橋秀樹氏

前回に引き続き、最新のビジネス環境に最適なワークステーションをインテル、HPが解説する。今回は業務アプリケーションの活用にニーズが高いデスクトップ型のワークステーションをテーマに現在、主流のインテル Xeon プロセッサーと、インテル Core プロセッサー搭載モデルについて語っていただいた。それでは早速ご紹介しよう。

周波数か、コア数か、個性に合わせて選べる インテル プロセッサー

藤田
引き続き、インテルの佐近様、HPの大橋様、よろしくお願いします。

モバイルワークステーションがインテル Core Ultra プロセッサーの採用で先進性を感じさせるモデルとなっているのに対し、デスクトップ型のワークステーションは正統進化を続けているイメージです。こちらに採用されているインテル Core プロセッサー、インテル Xeon プロセッサーについて教えていただけますか?

株式会社大塚商会 マーケティング本部 CADプロモーション部 戦略推進課 藤田昌弘

佐近
ワークステーションのエントリーモデル向けとして、私たちが提供しているのは第14世代のインテル Core プロセッサーです。こちらはコンシューマ向けにも提供されていますので、よくご存じの方が多いと思いますが、スレッド数はもちろん、クロック数も高めなのが特長です。

一方のインテル Xeon プロセッサーでは、シングルソケットのインテル Xeon W プロセッサーとデュアルソケットのインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーをご提供しています。インテル Xeon W プロセッサーにおいてはw2000シリーズ、もう一つ上のグレードになるとw3000シリーズがあり、こちらの特長はECCメモリーが搭載できるところですね。データの保全、堅固性の高いデータ運用が可能です。ほかにもメモリーが大量に詰めることと、コア数が非常に多いということも特長だと思います。

藤田
両者の個性はやはり、かなり違ってきますね。どのように使い分けるとよいですか?

佐近
CADやBIMアプリケーションはシングルスレッドのものが多いですので、ベンチマークではインテル Core プロセッサーの方が結果は高く出ます。ですから、インテル Xeon プロセッサーの恩恵が受けられるのは、やはりマルチコアが有利になる解析やレンダリングなど、マルチタスクのアプリケーションになります。

ほかにも、前回も話題の中心となったAIに関してもインテル Xeon プロセッサーの場合、機械学習およびAIワークロードの管理性に優れたインテルAMXを搭載しているため、AIモデルの学習、推論を高速化します。

あるCADベンチマークの結果では、インテル Core プロセッサーとインテル Xeon プロセッサーを比較した場合、40%程度インテル Core プロセッサーが速いという数値が出ています。ところが、3Dのモデリングや映像、解析などのツールでデータを取りますと、インテル Xeon プロセッサーの方が圧倒的に速いという結果が出ます。

  • * インテル Xeon w7-2495Xと第13世代インテル Core i9-13900Kの比較

インテル株式会社 セールス&マーケティンググループ ビジネスクライアント・ テクニカル・セールス・スペシャリスト 佐近清志氏

ですから、CADがメインでありつつも、今後AIを取り入れたいといったニーズや、データサイエンスの分野にまで視野を広げるのであれば、インテル Xeon プロセッサーがおすすめです。逆にいうと、CADのパフォーマンスだけでよい場合は、インテル Core プロセッサーの方がコストメリットは高いということになりますね。

正当進化を続けるデスクトップ型ワークステーション

藤田
HPさんにはZ1~Z8まで幅広いラインアップがありますので、かなりのニーズにお応えできると思いますが、一番の売れ筋はどれになるのでしょう?

大橋
3D CADやBIMといった設計用の端末としてお選びいただくのが多いのは、やはり「HP Z2 G9 Workstation」ですね。筐体(きょうたい)もミドルタワーから省スペースタイプ、さらにMiniまでありますので、用途や拡張性、筐体デザインからお選びいただくこともできます。

第14世代インテル Core プロセッサーを搭載するモデルであり、適材適所でカバーできる範囲が非常に広い製品だと思います。メインであるCADのお客様はもちろん、CGや解析用としてもお選びいただくことが多いモデルです。

以前は、インテル Core プロセッサーの高クロックな部分に注目されがちでしたが、現在のモデルでは、インテル Core i9 プロセッサーまで搭載できますので、物理コアで24コアまでカバーします。ですから、シングルコアで高いクロック数が求められるモデリング用途だけでなく、マルチコアが必要な解析やレンダリングまで幅広いアプリケーションに対応できるという点がこのモデルが人気の理由になっていると思います。

株式会社日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 本部長 大橋秀樹氏

藤田
HP Z2 G9がメインストリームである理由についてはよく分かりました。一方でインテル Xeon プロセッサー搭載モデルについてどのように考えればよいですか?

大橋
より大容量で、かつマルチタスクが必須なアプリケーションを使用される場合は、やはりインテル Xeon プロセッサーを選択されます。商品開発のベースになるコンセプトデザインのための意匠デザインや、大規模モデルを扱う解析にも採用されることが多いです。

HPのラインアップでいうと、「HP Z4 G5 Workstation」「HP Z6 G5 Workstation」「HP Z8 G5 Workstation」、そして「HP Z8 Fury G5 Workstation」です。「HP Z4 G5」「Z6 G5」「Z8 Fury G5」はシングルプロセッサーですが、「HP Z8 G5」はデュアルプロセッサーに対応しています。

しっかりしたマルチコア環境があることで、業務効率化を実現できる仕事であること、あるいはECCメモリーを大量に搭載したいというニーズは確実に存在しています。

メインストリームとして、インテル Core プロセッサーを搭載する「HP Z2 G9」 、メインストリームの範囲を超える業務をカバーするのが「HP Z4 G5」「Z6 G5」「Z8 G5」、そして「Z8 Fury G5」になると考えます。

藤田
合理的なすみ分けがされているのが、HPワークステーションなのですね。当社取り扱い製品の中でも売れ筋モデルとして「HP Z4 G5」がありますが、こちらはどのような製品かあらためてご説明をお願いできますでしょうか?

大橋
概要についてはこれまで述べてきたとおりになります。シングルプロセッサーモデルで「インテル Xeon w3-2423 プロセッサー」「インテル Xeon w5-2455X プロセッサー」などが選択できるのが特長です。グラフィックスに関しては「NVIDIA RTX 5000 Ada」まで搭載可能です。

用途としては、3D CADからCAEまで、幅広くカバーできるのがポイントです。例えば、AIというキーワードで見ますと、ディープラーニング、マシンラーニングなどで推論マシンとして使っていただくケースが増えているのも特長です。既に導入実績も多く、さまざまな分野でご活用いただいている製品になっています。

藤田
デスクトップ側のワークステーションのラインアップということで、インテル Core プロセッサーおよびインテル Xeon プロセッサー搭載モデルで、それぞれ個性を生かした運用をするのがポイントだと思います。私たちとしてもワークステーションへのニーズも多岐にわたるようになっていますので、お客様により良いものをお届けするためにも、最適な製品選びのご提案やご導入のお手伝いをしていきたいと思います。

佐近様、大橋様、本日はありがとうございました。

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