【GPU / CPU】3Dレンダリングに必要なワークステーションのスペックとは?

SOLIDWORKS Visualize 2023のレンダリング処理速度を比較

コンピューター上でデータを処理・演算を行い、画像・映像・音声などを表示させるレンダリングは、3D CG制作やゲーム開発、動画、ウェブサイト制作など、さまざまな分野で行われています。しかし、建設や製造の現場において、フルCG映像やフォトリアルな画像といった高精度のレンダリングを行う場合、膨大な時間がかかることが課題の一つとなっています。

今回、「HP Z2 SFF G9 Workstation」「HP Z4 G5 Workstation」「HP Z2 Tower G9 Workstation」「HP Z2 SFF G9 Workstation」の4台のワークステーションを使用し、CPU、OS、グラフィックエンジンなどを変えて、「SOLIDWORKS Visualize 2023」のレンダリング処理速度にどのような違いが生まれたのか比較してみました。

この記事を詳しく解説した資料があります

検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種機種A
HP Z2 SFF G9
機種B
HP Z2 SFF G9
機種C
HP Z4 G5
機種D
HP Z2 Tower G9
機種E
HP Z2 Tower G9
機種F
HP Z2 SFF G9
CPU13th Gen
Intel Core i9-13900 24コア
3.00/5.8GHz(8コア)
2.20/4.3GHz(16コア)
13th Gen
Intel
Core i9-13900 24コア
3.00/5.8GHz(8コア)
2.20/4.3GHz(16コア)
Intel Xeon
w3-2425
3.00GHz
最大4.4GHz(6コア)
Intel Core
i5-12600
3.3GHz
最大4.8GHz(6コア)
Intel Core
i7-12700
2.1GHz
最大4.9GHz(12コア)
Intel Core
i9-12900
2.40GHz
最大5.1GHz(16コア)
HDDSSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCle,Gen 4x4 M.2)SSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCle,Gen 4x4 M.2)SSD(M.2 TLC)SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
キャッシュ
メモリー
36MB36MB16MB18MB25MB30MB
RAM32GB32GB64GB32GB32GB32GB
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB196,608MB98,304MB98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A4500
NVIDIA RTX
T1000 8GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
グラフィックスボード
ドライバーVer.
31.0.15.288931.0.15.288931.0.15.282430.0.14.729830.0.14.729830.0.14.7298
OSWindows 11 Pro
22H2
Windows 10 Pro
22H2
Windows 10 Pro
22H2
Windows 10 Pro
21H2
Windows 10 Pro
21H2
Windows 10 Pro
21H2
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。RAM 32Gでは、初期サイズ・最大サイズともに98,304。RAM 64Gでは、初期サイズ・最大サイズともに196,608。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

検証ソフト SOLIDWORKS Visualizeとは

SOLIDWORKS Visualizeは、3次元CADデータから直接、写真品質のコンテンツを作成できるソフトウェアです。画像やアニメーション、インタラクティブなWebコンテンツ、仮想現実などのさまざまな出力形式があります。SOLIDWORKS Visualizeは、フルRTXハードウェアアクセラレーションのRTコアサポートを装備し、NVIDIA Turing TU10x GPUで正確かつ高速なレンダリングモードを実現できるようになりました。現実のような光源、反射、影など、従来のレンダリング技術では難しかったリアルな描写が表現できます。

SOLIDWORKS Visualizeでのレンダリング設定

SOLIDWORKS Visualizeで同じレンダリング設定を行い、レンダリングを実行し、処理にかかった時間を計測する。キューの処理では、GPUとCPUの両方を使用して計算したハイブリッド、GPUのみ、CPUのみを使用して計算した。

レンダリング検証結果

レンダリング処理比較の詳細
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
起動0:060:070:090:110:090:08
開く0:040:040:070:050:060:05
キューの処理(ハイブリット)0:180:190:101:000:200:19
キューの処理(GPU)0:200:210:091:170:200:19
キューの処理(CPU)1:562:013:553:512:432:28

考察

CADのレンダリングでは、CPUとGPUの両方が重要な役割を果たす。CPUは、レンダリングに必要なデータや計算を行い、GPUは、画像や映像の処理を行う役割がある。

グラフィックを高速で処理するためには、GPUの性能が大きく影響し、性能の高いGPUほど出力にかかる処理時間が短くなる。しかし、CPUの性能が低いと、GPUにデータを送る速度が遅くなり、レンダリング時間が長くなる。そのため、CPUとGPUのバランスが大切で、クロック周波数が高くコア数が多いCPUと、CUDAコア数が多くメモリー容量が大きいGPUが適している。

SOLIDWORKS Visualizeは、NVIDIA社のGPUに搭載されているテクノロジーをサポートしており、そのテクノロジーを利用することでレンダリングパフォーマンスが飛躍的に向上する。

13世代Intel Core CPUは、12世代Intel Core CPUに比べて、コア数やクロック数が向上しており、マルチコアに対応したレンダリングや解析などの計算処理では処理速度が向上している。また、Intel スレッドディレクターという機能を持っており、Windows 11 OSと連携してCPUのスレッドを効率的に割り振ることで、CPUのみでレンダリングする場合には、Windows 11の方が若干処理時間が短くなる。

一連の操作時間比較結果

最後に、SOLIDWORKS Premiumを使った一連の操作比較結果をレポートする。

構成部品の合計数:1,042、部品:872、ユニークな部品:55、サブアセンブリ:170、ユニークなサブアセンブリ:15

一連の操作時間比較の詳細
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
ソフトウェア起動(1回目)0:030:040:040:050:030:03
ソフトウェア起動(2回目)0:020:020:030:020:020:02
アセンブリファイルを開く0:040:040:060:060:050:05
部品ファイルを選択0:010:010:010:010:010:01
部品ファイルを開く0:010:010:010:010:010:01
部品ファイルを編集0:030:030:040:030:030:03
フィーチャ再構築0:030:030:050:040:040:04
アセンブリファイル再構築0:010:010:010:010:010:01
アセンブリファイル保存0:010:020:010:010:020:01
干渉チェック1:111:101:381:231:231:19
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:050:050:060:050:050:04
平面図削除0:010:010:010:010:010:01
作図スケール変更0:020:020:020:020:020:02
断面図作成0:010:020:020:020:020:02
アセンブリファイル編集0:010:010:010:010:010:01
図面ファイル更新0:090:110:110:100:070:08
図面ファイル保存0:030:040:040:030:040:04
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
全てのファイルを閉じる0:010:010:010:010:010:01
ソフトウェア終了0:010:010:010:010:010:01
合計1:562:012:352:152:112:06

今回の検証以外にも、SOLIDWORKS 2023で大規模アセンブリ処理にかかる時間・メモリーの比較を行ったレポートもご用意しています。ぜひ資料請求のうえ、ご確認ください。

さらに詳しく知りたい方へ無料資料請求

本トピックスでご紹介しきれなかった内容を資料にまとめています。もちろん無料!ぜひお役立てください。

パフォーマンステスト ~SOLIDWORKS 2023~

主な内容

  • 大規模アセンブリ一連計測時間結果
  • 大規模アセンブリ一連メモリー使用量結果
  • SOLIDWORKS Rx

あなたにぴったりのワークステーションを見つけましょう

CADのスペックを満たしたHPワークステーションが簡単に見つかります。

ワークステーション検索