Autodesk Inventor 2024使用 大規模アセンブリ一連操作にかかる時間を計測

最新Inventorとワークステーションを使用

2023年4月に発表された「Autodesk Inventor 2024」。今回もユーザーの提案に基づいて100以上の機能強化が行われ、設計体験を向上させるための新機能と機能強化が多数導入されています。そして、大規模で複雑な設計にはパフォーマンスが非常に重要であることから、エンジニアリングワークフローを迅速化するための取り組みも継続して実施されています。

今回、「HP Z2 SFF G9 Workstation」「HP Z4 G5 Workstation」「HP Z2 Tower G9 Workstation」「HP Z2 SFF G9 Workstation」の4台のワークステーションとInventor 2024を使用して、大規模アセンブリの一連操作にかかる時間を計測してみました。

この記事を詳しく解説した資料があります

検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種機種A
HP Z2 SFF G9
機種B
HP Z2 SFF G9
機種C
HP Z4 G5
機種D
HP Z2 Tower G9
機種E
HP Z2 Tower G9
機種F
HP Z2 SFF G9
CPU13th Gen
Intel Core i9-13900 24コア
3.00/5.8GHz(8コア)
2.20/4.3GHz(16コア)
13th Gen
Intel
Core i9-13900 24コア
3.00/5.8GHz(8コア)
2.20/4.3GHz(16コア)
Intel Xeon
w3-2425
3.00GHz
最大4.4GHz(6コア)
Intel Core
i5-12600
3.3GHz
最大4.8GHz(6コア)
Intel Core
i7-12700
2.1GHz
最大4.9GHz(12コア)
Intel Core
i9-12900
2.40GHz
最大5.1GHz(16コア)
HDDSSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCle,Gen 4x4 M.2)SSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCle,Gen 4x4 M.2)SSD(M.2 TLC)SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
SSD(M.2 TLC)
+HDD(SATA)
キャッシュ
メモリー
36MB36MB16MB18MB25MB30MB
RAM32GB32GB64GB32GB32GB32GB
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB196,608MB98,304MB98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A4500
NVIDIA RTX
T1000 8GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
NVIDIA RTX
A2000 12GB
グラフィックスボード
ドライバーVer.
31.0.15.288931.0.15.288931.0.15.282430.0.14.729830.0.14.729830.0.14.7298
OSWindows 11 Pro
22H2
Windows 10 Pro
22H2
Windows 10 Pro
22H2
Windows 10 Pro
21H2
Windows 10 Pro
21H2
Windows 10 Pro
21H2
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。RAM 32Gでは、初期サイズ・最大サイズともに98,304。RAM 64Gでは、初期サイズ・最大サイズともに196,608。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

大規模アセンブリの情報

次のような情報を持つアセンブリを使用して、ソフトウェア起動からアセンブリファイルを開く・再構築・保存、干渉チェックなどを経てソフトウェア終了までを行う。それにかかる一連の操作時間を計測する。

  • 構成部品の合計数:5,215
  • 部品:4,360
  • ユニークな部品:265
  • サブアセンブリ:855
  • ユニークなサブアセンブリ:80

大規模アセンブリ一連操作の結果

大規模アセンブリ一連操作の詳細
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
ソフトウェア起動(1回目)0:060:060:070:110:100:09
ソフトウェア起動(2回目)0:050:050:060:090:090:08
アセンブリファイルを開く0:100:110:350:160:110:12
部品ファイルを選択0:010:010:010:010:010:01
部品ファイルを開く0:010:010:020:020:010:01
部品ファイルを編集0:060:060:080:070:070:06
フィーチャ再構築0:060:060:080:070:070:06
アセンブリファイル再構築0:070:070:100:080:080:07
アセンブリファイル保存0:320:320:350:320:440:49
干渉チェック1:151:111:501:281:251:15
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:110:130:120:120:120:11
平面図削除0:010:010:010:010:010:01
作図スケール変更0:100:090:110:130:150:11
断面図作成0:120:140:230:240:250:22
アセンブリファイル編集0:010:010:010:010:010:01
図面ファイル更新0:070:070:120:110:100:09
図面ファイル保存0:040:030:060:060:060:06
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
全てのファイルを閉じる0:010:020:080:060:060:06
ソフトウェア終了0:020:020:020:020:010:02
合計3:203:205:004:194:224:05

考察

大規模なアセンブリ操作において、CPUとGPUの性能がInventorの操作のスピードや処理能力に影響を与える。CPUは、コンピューターの「頭脳」として機能し、ソフトウェアの実行やデータの処理を担当する。一方、GPUはグラフィックス処理に特化しており、高速な描画やビジュアルエフェクトを提供する。

大規模なアセンブリ操作では、多くの部品や要素が関与するため、CPUとGPUの性能が一層重要となる。CPUはシングルコアの性能(クロック数)が影響を与え、より新しい上位モデルのCPUほど処理速度が速くなる(各部品や要素を処理するために必要な計算量が多いため)。GPUも同様に、GPUが低いと描画速度が遅くなる可能性がある。

曲面を持つ部品が多数あるアセンブリ

最後に、曲面を持つ部品が多数あるアセンブリを開くのにかかった時間結果をレポートする。

部品点数:8,720、ユニークな部品:530、ユニークなサブアセンブリ:161

曲面を持つ部品が多数あるアセンブリを開く時間比較の詳細
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
1回目0:070:070:120:110:080:11
2回目0:080:080:120:110:080:11

今回の検証以外にも、Inventor 2024で一連操作にかかる時間・メモリーの比較を行ったレポートもご用意しています。ぜひ資料請求のうえ、ご確認ください。

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パフォーマンステスト ~Inventor 2024~

主な内容

  • 一連計測時間結果
  • メモリー使用量結果
  • 個別機能計測

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