Autodesk Inventor 2024使用 一連操作にかかるメモリー使用量を計測

最新Inventorとワークステーションを使用

3D形状は2D形状と比較して、より多くのメモリーを必要とします。3D形状は多くの頂点、辺、面で構成されており、これらの要素を全てメモリーに保持する必要があるためです。2D CADであれば、一般的にメモリーが16GB以下でも問題ありませんが、3D CADでは、16GB以上、特に32GB以上あるとより快適に作業できます。

今回は、Autodesk Inventor 2024とHPワークステーションを使って、各操作に必要なメモリーを調査してみます。

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検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種HP ZBook Power 15.6inch G10
パフォーマンスモデル
HP ZBook Power 15.6inch G10
パフォーマンスモデル
HP Z2 SFF G9HP Z2 SFF G9HP ZBook Power 15.6inch G9
パフォーマンスモデル
CPUIntel Core i7-13800H 14コア
2.5 / 5.2GHz
(6コア)
1.8 / 4.0GHz
(8コア)
Intel Core i7-13800H 14コア
2.5 / 5.2GHz
(6コア)
1.8 / 4.0GHz
(8コア)
Intel Core i9-13900H 24コア
3.0 / 5.8GHz
(8コア)
2.2 / 4.3GHz
(16コア)
Intel Core i9-13900H 24コア
3.0 / 5.8GHz
(8コア)
2.2 / 4.3GHz
(16コア)
Intel Core i7-12800H 14コア
2.4 / 4.8GHz
(6コア)
1.8 / 3.7GHz
(8コア)
HDDM.2 SSD(PCIe-4×4、NVMe、TLC)M.2 SSD(PCIe-4×4、NVMe、TLC)SSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCIe、Gen 4×4 M.2)SSD(M.2 NVMe TLC)+SSD(PCIe、Gen 4×4 M.2)M.2 SSD(PCIe、NVMe、TLC)
キャッシュメモリー24MB24MB36MB36MB24MB
RAM32GB32GB32GB32GB32GB
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB98,304MB98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPUNVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPUNVIDIA RTX A2000 12GBNVIDIA RTX A2000 12GBNVIDIA RTX A2000 8GB Laptop
グラフィックス
ボード
ドライバーVer.
31.0.15.289231.0.15.289231.0.15.288931.0.15.288931.0.15.1694
OSWindows 11 Pro 22H2Windows 10 Pro 22H2Windows 11 Pro 22H2Windows 10 Pro 22H2Windows 10 Pro 21H2
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。RAM 32Gでは、初期サイズ・最大サイズともに98,304。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定(Windows 11のみ)。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

使用する部品

構成部品の合計数1,042
部品872
ユニークな部品55
サブアセンブリ170
ユニークなサブアセンブリ15

メモリー使用量 結果

詳細(MB)
 機種A機種B機種C機種D機種E
ソフトウェア起動(1回目)191208200197201
ソフトウェア起動(2回目)189197199198201
アセンブリファイルを開く1,1021,1301,0861,1061,031
部品ファイルを選択1,4551,4181,4591,4481,329
部品ファイルを開く1,5801,5421,5401,5331,447
部品ファイルを編集1,7461,7581,7671,7811,639
フィーチャ再構築1,8291,8391,8701,8771,716
アセンブリファイル再構築2,0102,0432,1972,3141,914
アセンブリファイル保存2,1612,2312,3362,4892,063
干渉チェック2,3492,2632,3222,4222,228
アセンブリファイル保存2,3422,2722,3622,3772,177
標準三面図+等角投影図作成2,7903,5203,2043,2152,911
平面図削除2,8902,9222,9913,0142,761
作図スケール変更2,9372,8593,0463,0362,771
断面図作成3,2053,1673,2833,3243,075
アセンブリファイル編集3,1593,1263,3243,3753,036
図面ファイル更新3,3273,4373,7123,6453,285
図面ファイル保存3,2663,4813,5373,6063,246
アセンブリファイル保存3,2293,3753,6033,5623,193
全てのファイルを閉じる2,3492,3802,6842,5912,254
ソフトウェア終了00000
最大値3,3273,5203,7123,6453,285

考察

部品の複雑さは構成部品の合計数だけでなく、部品の形状やサイズ、関節の種類や数などによっても異なるが、構成部品の数が1,000点を超えると複雑であると判断できる。そんな部品を使ったメモリー使用量の計測では、何の操作に多くのメモリーを使っているのかが分かった。

  • 3D形状の表示に時間がかかったり、表示が不正確になったりする。
  • 操作に時間がかかったり、操作が重くなったりする。
  • ソフトウェアがクラッシュしたり、フリーズしたりする。

これらの現象が起きている場合は、メモリー容量を増やすなどのシステム構成を改善した方がよいが、ノートパソコンによっては、メモリーを増設できないものもあるため、購入前に確認しておきたい点だ。

一連の操作時間比較 結果

最後に、一連の操作比較結果をレポートする。

詳細(mm:ss)
 機種A機種B機種C機種D機種E
ソフトウェア起動(1回目)0:070:080:060:060:17
ソフトウェア起動(2回目)0:060:070:050:050:10
アセンブリファイルを開く0:080:080:070:070:10
部品ファイルを選択0:010:010:010:010:01
部品ファイルを開く0:010:010:010:010:01
部品ファイルを編集0:060:060:060:060:06
フィーチャ再構築0:060:070:060:060:06
アセンブリファイル再構築0:020:020:010:010:02
アセンブリファイル保存0:060:060:060:060:06
干渉チェック1:171:221:131:111:20
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:060:060:080:100:06
平面図削除0:010:010:010:010:01
作図スケール変更0:060:070:080:080:07
断面図作成0:060:060:050:060:07
アセンブリファイル編集0:010:010:010:010:01
図面ファイル更新0:040:040:040:060:04
図面ファイル保存0:020:020:030:030:02
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:01
全てのファイルを閉じる0:020:020:010:010:02
ソフトウェア終了0:020:020:020:020:02
合計2:322:412:272:302:53

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パフォーマンステスト ~Inventor 2024~

主な内容

  • 大規模アセンブリ一連計測時間結果
  • 大規模アセンブリ一連メモリー使用量結果
  • 個別機能計測

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