AMD Ryzen PRO搭載モデルで建設CADの操作時間はどのくらいかかるか?

注目のAMD搭載ワークステーション

近年、プロセッサー市場においてAMDが大きく台頭しています。2017年にZenアーキテクチャを採用したRyzenプロセッサーを発売したことで、従来のAMDプロセッサーに比べて性能と効率が大幅に向上し、業界の注目を集めました。また、Intelの同等製品よりも低価格で提供していることでも、コストパフォーマンスを重視するユーザー層の獲得に成功しています。

そんなAMDが提供するプロフェッショナル向けのプロセッサーラインが「AMD Ryzen PRO」です。Ryzenシリーズの機能をベースに、ビジネス向けに必要な機能が追加されています。

AMD Ryzen 7 PROを搭載したHP ZBook Power G10モデルとAMD Ryzen 5 PROを搭載したLenovo ThinkPad P14sで作業時間にどのくらい差があるのかを検証しました。

この記事を詳しく解説した資料があります

検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種HP ZBook Power G10 AMDパフォーマンスモデル
(GPU付きマシン)
Lenovo ThinkPad P14s AMDモデル
(GPU内蔵マシン)
CPUAMD Ryzen 7 PRO 7840HS 3.80GHzAMD Ryzen 5 PRO 6650U 2.90GHz
メモリー16.0GB(15.3GB使用可能)16.0GB(14.8GB使用可能)
グラフィックボードAMD Radeon 780M(内蔵)
NVIDIA RTX A 1000 6GB Laptop GPU
AMD Radeon 660M(内蔵)
ストレージ475GB236GB

Revit 2023でのレンダリング検証結果

Revit 2023でレンダリングを行った場合、HP ZBookの方が約11秒速い結果となった。

HP ZBook Power G10 AMDパフォーマンスモデル
(GPU付きマシン)
Lenovo ThinkPad P14s AMDモデル
(GPU内蔵マシン)
87.4秒98.2秒

使用データ
ボックスカルバート(配筋入り)3Dモデル
サイズ:8.43MB 全長約30m
鉄筋本数:3234本
レンダリング設定:品質 高、幅 1135px、高さ 614px、照明 太陽光のみ、天空 少し曇り

InfraWorks 2023での再表示検証結果

InfraWorks 2023でSHP(16.7MB)を読み込み、設定後閉じて再表示した場合、Lenovo ThinkPadの方が29.5秒速い結果となった。

HP ZBook Power G10 AMDパフォーマンスモデル
(GPU付きマシン)
Lenovo ThinkPad P14s AMDモデル
(GPU内蔵マシン)
120.1秒90.6秒

使用データ
LandXML地形、地理院地図の衛星画像、また国土地理院の基盤地図情報を使用し作成した建物SHP
建物SHPサイズ:16.7MB
表示スタイル:エンジニアリングビュー

Civil 3D 2023でのレンダリング検証結果

Civil 3D 2023でレンダリングを行った場合、HP ZBookの方が4分半(270秒)速い結果となった。

HP ZBook Power G10 AMDパフォーマンスモデル
(GPU付きマシン)
Lenovo ThinkPad P14s AMDモデル
(GPU内蔵マシン)
580秒850秒

使用データ
等高線から作成した3D地形サーフェス
サイズ:2.65MB 約600×450m
TINサーフェスのポイント数:14,147
三角形の数:28,140
表示スタイル:リアリスティック

Cyclone REGISTER 360での書き出し検証結果

Cyclone REGISTER 360で書き出しを行った場合、HP ZBookが速い結果となった。

 HP ZBook Power G10 AMDパフォーマンスモデル
(GPU付きマシン)
Lenovo ThinkPad P14s AMDモデル
(GPU内蔵マシン)
lgs2分10秒3分5秒
e5712分30秒17分10秒
rcp22分0秒26分7秒

考察

CADの処理にはCPUのクロック数が重要です。CPUのクロック数が高いと、CADの処理が速くなります。Ryzen 7 Proは3.8GHz、Ryzen 5 Proは2.9GHzのクロック数を持っています。今回、CADのソフトウェアの起動やレンダリング、データのインポートや書き出しといった作業を検証した結果、以下のことが分かりました。

  • CADの起動は、どちらのソフトもほとんど変わらない速さでしが、わずかにRyzen 5 Proの方が速かった。この作業は、ストレージの性能にも影響されるので、CPUだけでは判断できませんが、どちらのCPUでも問題なく使えると思います。
  • レンダリングは、内蔵グラフィックスだけでなくNVIDIAのグラフィックスも搭載しているHP ZBookが圧倒的に速かった。レンダリング作業が多い方は、HP ZBookを選んだ方がよいでしょう。
  • データのインポートや書き出しは、Ryzen 7 ProがRyzen 5 Proよりも約1.5倍速い。点群処理を主に行う方は、Ryzen 7 Proをお薦めします。

資料では、これらの作業以外の項目でも検証を行っていますので、ぜひ資料請求のうえ、ご確認ください。

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ZBook Power G10 AMD パフォーマンステスト ~建設系CAD~

主な内容

  • Revit 2023
  • InfraWorks 2023
  • Civil 3D 2023

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