軽量×高性能! HP ZBook 14インチモデルの実力をSOLIDWORKSで検証

持ち運べるパワー、14インチでCADも3Dも快適に

モバイルワークの普及により、14インチワークステーションの需要が高まっています。「限られたスペースや出張先でもCADや3D設計を快適に行いたい」というニーズに応えるのがHP ZBookシリーズの14インチモデルです。最新CPUと高性能GPUの搭載により、軽量性と処理性能を両立します。

今回の検証では、SOLIDWORKSを使って一連の操作性とレンダリング性能を比較し、14インチモデルの実用性を評価します。

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検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種ZBook 8 G1ak 14インチZBook Firefly 14インチ G10ZBook Power 16インチ G11ZBook Power 16インチ G11 A
CPUAMD Ryzen AI 7 PRO 350 w / Radeon 860M
2.0GHz 最大5GHz
Zen 5 4個(注1)
Zen 5c 4個(注2)
8コア / スレッド数16
Intel Core i7-1365U
1.8GHz 最大5.2GHz(注3)
Intel Core Ultra 7 155H
1.4GHz 最大4.8GHz(注4)
AMD Ryzen 7 PRO 8845HS
3.8GHz
最大5.1GHz(8コア)
ハードドライブM.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、SED、OPAL2、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
キャッシュメモリー24MB12MB24MB24MB
RAM32GB DDR532GB DDR532GB DDR532GB DDR5
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
AMD Radeon 860M
(プロセッサー内蔵)
NVIDIA RTX A500 Laptop GPU(4GB GDDR6)NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU(6GB GDDR6)NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU
グラフィックボード
ドライバーVer.
32.0.13030.501631.0.15.662431.0.15.525531.0.15.5255
OSWindows 11 Pro 24H2Windows 11 Pro 24H2Windows 11 Pro 23H2Windows 11 Pro 23H2
  • (注1)Zen 5 4個(基本2.0GHz / 最大5.0GHz)
  • (注2)Zen 5c 4個(基本2.0GHz / 最大3.5GHz)
  • (注3)Performance-cores2個、Efficient-cores8個、(10コア / スレッド数12)
  • (注4)Performance-cores6個(基本1.4GHz / 最大4.8GHz)、Efficient-cores8個(基本900MHz / 最大3.8GHz)、低消費電力 Efficient-core2個(基本700MHz / 最大2.5GHz)16コア / スレッド数22
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

使用する部品

構成部品の合計数1,042
部品872
ユニークな部品55
サブアセンブリ170
ユニークなサブアセンブリ15

一連の操作時間比較

mm:ss
 ZBook 8 G1ak
14インチ
ZBook Firefly
14インチ G10
ZBook Power
16インチ G11
ZBook Power
16インチ G11 A
ソフトウェア起動(1回目)0:050:060:040:04
ソフトウェア起動(2回目)0:040:050:030:03
アセンブリファイルを開く0:070:070:060:07
部品ファイルを選択0:010:010:010:02
部品ファイルを開く0:010:010:010:02
部品ファイルを編集0:030:030:030:04
フィーチャ再構築0:040:040:040:04
アセンブリファイル再構築0:010:010:020:02
アセンブリファイル保存0:010:020:010:01
干渉チェック1:231:301:321:32
アセンブリファイル保存0:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:050:060:050:07
平面図削除0:010:010:010:01
作図スケール変更0:020:020:020:03
断面図作成0:020:020:020:02
アセンブリファイル編集0:010:010:010:01
図面ファイル更新0:080:090:090:10
図面ファイル保存0:030:030:030:04
アセンブリファイル保存0:010:010:010:01
全てのファイルを閉じる0:010:010:010:02
ソフトウェア終了0:010:010:010:01
合計2:162:282:242:34

レンダリング処理比較結果

SOLIDWORKS Visualizeにおいて、同一のレンダリング設定を行い、処理時間を計測しました。なお、GPUのみを使用した場合と、CPUのみを使用した場合の条件を設定しました。

  • GPUのみを使用して計算

  • CPUのみを使用して計算

mm:ss
 ZBook 8 G1ak
14インチ
ZBook Firefly
14インチ G10
ZBook Power
16インチ G11
ZBook Power
16インチ G11 A
起動0:110:130:081:06
開く0:050:060:040:05
GPU0:240:420:220:21
CPU1:003:082:413:11

考察

一連の操作時間では、14インチモデル(ZBook 8 G1ak、Firefly G10)は、16インチモデルとほぼ同等のパフォーマンスを示した。干渉チェックや図面更新など負荷の高い処理では、16インチモデルがわずかに優位ですが、差は数秒程度であり、実務上大きな影響ないと思われる。

GPUレンダリングでは、ZBook 8 G1ak(AMD Radeon 860M搭載)がFirefly G10より高速で、16インチモデルに近い性能を発揮した。

14インチモデルは軽量・コンパクトでありながら、CADや3D設計に必要な処理性能を備えており、特にモバイルワークや出張先での作業を重視するユーザーにとって、16インチモデルとの差は許容範囲内と思われる。

14インチと16インチ 選び方ポイント

14インチモデルを選ぶべき人

  • モバイルワーク重視:出張や現場での作業が多い。カフェや移動中など限られたスペースで作業することがある。
  • 軽量・携帯性を優先:長時間持ち運ぶため、重量やサイズを気にする。
  • CAD・3D設計は中規模まで:部品点数が多すぎないアセンブリや、レンダリングはGPU中心で行う。
  • バッテリー駆動時間を重視:電源確保が難しい環境で作業することがある。

16インチモデルを選ぶべき人

  • パフォーマンス重視:大規模アセンブリや複雑なレンダリングを頻繁に行う。
  • 据え置き利用がメイン:デスクでの作業が中心で、持ち運びは少ない。
  • 画面サイズを重視:図面や3Dモデルを広い画面で快適に確認したい。
  • CPUレンダリングを多用:GPUだけでなくCPU性能も生かした処理を行う。

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