大判トナーパールプリンタの導入により、図面の印刷速度が従来の6倍に。工期にゆとりができ、残業も大幅削減

京成電設工業株式会社

京成電設工業株式会社は、京成グループの一員として、主に鉄道関連の電気・通信設備工事や、保安設備の設計支援・施工・保守を請け負っている。現在はグループ会社からの受注にとどまらず、官公庁や一般企業の電気工事にも積極的に事業を拡大している同社だが、使用していた大判プリンターに不都合な面があり、図面の出力を待つために残業が発生するなど、多くの課題を抱えていた。そこで、大塚商会の展示会で知った『Oce ColorWave 600』を導入。出力速度は以前の6倍になり、その他、出力紙の取りさばきや用紙交換の手間削除など、作業効率の大幅な改善に成功している。

安全かつ確実な鉄道輸送を支えてきた技術と経験で、公共工事や一般電気設備工事にも貢献していく

安全かつ確実な鉄道輸送を支えてきた技術と経験で、公共工事や一般電気設備工事にも貢献していく

導入事例の概要

導入の狙い

  • プリンターの交換による作業の効率化および経費の節減

導入システム

  • ワイドフォーマットTonerPearlプリンター『Oce ColorWave 600』

導入効果

  • 出力速度の著しい向上で、作業時間が大幅短縮
  • 出力作業に対する社員のストレス軽減
  • 残業時間とランニングコストの削減
  • 屋外作業での水ぬれの問題が解決

京成電鉄の工事を主軸に、あらゆる電気工事を請け負う

京成電設工業株式会社(以下、京成電設工業)は、成田スカイライナーでおなじみの京成電鉄株式会社(以下、京成電鉄)の子会社。同グループの電気工事会社として1980年に設立され、鉄道関連の電気設備工事や、保安設備の設計支援・施工・保守を請け負っている。扱うものは電路設備、架線敷設、踏切信号設置など多岐にわたり、踏切等の安全性を向上させる監視カメラや、駅舎の照明にいたるまで、鉄道に関する電気工事は全て手がけている。

組織は現場担当の部門として工事本部があり、その下に、架線やトロリー線の敷設・一般電灯工事や保守を行う電力工事部、信号や踏切を担当する信通工事部、ほかに特別工事部や安全管理部が置かれている。従業員は75名で、事務系の職員は少なく、ほとんどが設計もしくは現場での施工を担当している。

近年の施工実績としては、京成電鉄の鉄道電気工事・保守や、一般電気工事・保守などがあり、売り上げの9割方が京成グループの工事によるものだという。インフラの整備なので、景気に左右されず、安定した事業と見られがちである。

しかし、取締役 総務部長の加藤 昇氏が「昨年、新型インフルエンザが流行したときは、親会社にも少なからず余波が及びました。親会社の売り上げが工事予算に影響しますから、親会社が苦しければ、やはりうちも厳しくなりますね」と語るように、決して状況は甘くないようだ。そのため京成電設工業ではグループ以外に、官公庁や一般企業の電気工事にも事業を拡大している。近年の例で言えば、千葉県および八千代市より一般電気工事、地上デジタル工事を受注している。

取締役 総務部長 加藤 昇氏

取締役 総務部長 加藤 昇氏

「『Oce ColorWave 600』による出力の効率化は、まずは第1ステップの完了といったところです。ある程度うまく稼動していますので、第2段階として、ポスターなども内製してPR用に活用していきたいと考えています」

工事本部 電力工事部 電灯電力1課 主任 斉藤 元秀氏

工事本部 電力工事部 電灯電力1課 主任 斉藤 元秀氏

「これはうれしい誤算ですが、『Oce ColorWave 600』は印刷が速すぎて、誤って印刷をかけてしまった場合にも、キャンセルが間に合わないほどです。実際は時間的にもコストの面でも、ロスが少なくて助かっています」

出力待ちのための残業や耐水性が問題に

事業を多方面に拡大している京成電設工業だが、工事用の図面の出力において、多くの問題を抱えていた。同社では、大塚商会から導入したAutoCADを使用して、約20名の設計者が取引先から提供されるCADデータの図面を出力している。一つの案件につき、顧客用、契約用、現場用、設計者用、協力会社用など、必要な図面出力は最低でも5~6部となる。

出力サイズは工事の規模によっても異なるが、最小でもA3サイズから。長尺図面を用いることも多く、出力に時間を要する。さらに、図面は社内外の打ち合わせや現場調査を経るごとに更新されるため、同じ案件でも何回も出力が必要になる。工事種別や訂正箇所を分かりやすくするよう、色を変えて記すため、カラー出力も必須だ。

図面の出力のために、同社では2台の大型インクジェットプリンターを5年ほど使用していた。しかしこの機種は出力に相当の時間がかかり、年度末などの繁忙期には、一晩中出力していないと間に合わないほどだった。また、用紙もA1ロールしか使えず、A1の印刷1枚につき、約5分半かかる。ロールは50m巻きで、出力できる枚数は60枚。出力枚数が多い案件ではロールの交換作業を頻繁に挟むことになり、さらに時間と手間がかかってしまう。

「私の経験した案件で、1件で25枚の出力が必要なものがありました。それを6部出すとなると150枚。これを全部出力すると、約13時間45分かかってしまいます。8時間労働なので、残業確実ですね。いきなり朝から残業を覚悟するような状態でした」と、工事本部 電力工事部 電灯電力1課 主任の斉藤 元秀氏は振り返る。

出力の遅さが、作業効率だけでなく、工期や従業員の士気にかかわる事態をもたらしていたようだ。実際、出力中は半日以上もの間、図面の配付ができない。また、出力紙が印刷終了後、機器の真下にたまるような仕組みだったため、紙が丸まった状態で排紙バスケットにたまり、出力順と関係なく図面が混ざってしまっていた。さらに図面を折る作業もあったりと、出力後の処理にも時間がかかっていた。顧客から図面を求められても、その日のうちには送れず、対応も遅れがちだった。

鉄道関連の工事は、屋外作業が多いため、水ぬれの問題も深刻だ。従来のプリンターはインクジェット式ゆえ水に弱く、汗が垂れるだけでも印刷がにじんでしまい、現場での取り回しに難儀していたという。

工事本部 電力工事部 電路課 主任 宮内 栄治氏

工事本部 電力工事部 電路課 主任 宮内 栄治氏

「電路課では電車線の真上にあるトロリー線の保守や改修工事を行っています。改修をするうえで、クリアなカラー出力図面は非常に重要ですね」

工事本部 信通工事部 信号課 佐々木 通氏

工事本部 信通工事部 信号課 佐々木 通氏

「年度末は、図面などの出力が非常にかさみます。一つの案件で5部以上の出力が必要で、私の部署では長尺の利用が多いのです。プリンターの出力速度は工期にも大きく影響するので重要ですね」

展示会でのデモをきっかけに即導入。作業効率・コストともに改善

図面の出力に多くの課題を抱える中、2台のうち1台が故障したことをきっかけに、同社はプリンターの新規導入を検討。折良く催されていた大塚商会のビジネスソリューションフェアに斉藤氏が赴き、『Oce ColorWave 600』のデモを見学した。これは日本オセ株式会社が販売しているインクジェットプリンターとLEDトナープリンターの利点をあわせ持つトナーパールプリンター。高速でクリアなカラー印刷が可能で、印刷後の乾燥も不要なので、すぐに取りさばくことができる。また、トナーが水に強く、京成電設工業での用途には最適といえる。これらの条件を満たすプリンターが他社になかったこともあり、2009年11月に早速1台導入を決めたところ、すぐに多大な効果が上がった。

一つの用紙トレイに2本のロール紙がセットでき、用紙交換の手間も格段に省かれた

一つの用紙トレイに2本のロール紙がセットでき、用紙交換の手間も格段に省かれた

「前のプリンターでは約13時間45分かかっていた出力が、1時間2分30秒で済むようになりました。前の約13倍、以前の2台から、1台での運用となりましたが、それでも約6倍ですね。以前は20名の設計担当者が一斉に出力をかけると、渋滞してしまいがちだったのですが、今ではスムーズに進むようになりました」と、斉藤氏は語る。

また、以前のプリンターではロール紙を1本しか入れられなかったところが、新機種では2本装填(てん)できる。このため、サイズの異なる図面を印刷する際にも、ロールの交換の手間が軽減された。同社では3部門で出力する図面のサイズの傾向が分かれているため、現在ではA0ロールを固定で装填し、長尺図面を出力するときだけ、A3ロールとA4ロールを必要に応じて交換している。以前は前のプリンター2台を各部署で分け合って利用していたが、上記の改善により、今は『Oce ColorWave 600』1台で運用する方が、作業は断然速くなっているとのことだ。

出力が速くなったため、多数の担当者が図面を出力しても、バッファがたまることなくスムーズに出力でき、データの転送時間がボトルネックになることもない。『Oce ColorWave 600』は排紙トレイが上部についているため、出力後に紙をさばきやすくなったのも大きな改善点だ。環境の移行についても、日本オセの協力により講習会を開いたことで、用紙の交換や設定といった実作業も、多くの社員が問題なく対応しているという。

コスト面でも改善が見られる。以前のプリンターでは50mのA1ロールを使用していたが、今回200mのA0ロールに移行したことで、1枚あたりの単価が安くなった。トナーについては導入から日が浅く、データは少ないが、交換のスパンが半年に1回程度ということで、コストの低減が見込まれている。運用が1台になったことで、省力化や省スペース化といった二次的効果もあるようだ。ランニングコストの推移は現状では未知数だが、作業時間の短縮が生産性を向上させていることは明白であり、全体的なコスト効果は高いと斉藤氏は説明する。

手書き図面のCAD化を進め、統合システムでの管理を

図面出力での効果を受けて、同社では、『Oce ColorWave 600』を多くの部署で活用することを考えているという。B0の出力まで対応しているので、大型の安全啓発ポスターや、グループの展示会に出展するパネルなど、企業PRにも活用しようという考えだ。

また、作業の効率化をさらに推し進めるため、用紙トレイの増設も検討している。業務上、A0ロールに加えて長尺のA3とA4のロールが必要で、これらを同時に使用できれば交換の手間を軽減できる。頻繁な用紙交換は紙が汚れたり、角が削れたりと、用紙の無駄になるうえ、プリンターの故障にもつながるので切実な問題だ。価格面で折り合いがつけば導入したいと、大塚商会と折衝中だ。

4色のトナーパールをジェル状に変化させて用紙の上に噴射。耐水性に優れており、屋外作業の水漏れの問題を解決

4色のトナーパールをジェル状に変化させて用紙の上に噴射。耐水性に優れており、屋外作業の水漏れの問題を解決

「日本オセさんでは、紙を折る機械も扱っていると伺っています。ロール紙も折れると聞いているので、欲しい気もしますが、スペースの確保を含めて検討中です」と斉藤氏はさらなる作業効率化に前向きだ。

同社では現状、各部署でCADデータを路線の駅名などでファイリングし、ファイルサーバーに保管しており、全社でのデータ管理には未着手だ。ファイルサーバーはRAIDで運用しつつ、ストリーマでバックアップをかけているということだが、年間で万単位の図面データが発生し、データ量が膨大なことで、ファイル管理は重大な懸案事項だ。また、古い図面はいまだ電子化されていないものも多く、紙のままマップケースや図面用のケースで保管している。

ゆくゆくはこういった図面も電子化し、統合管理していきたいと同社では考えている。それらを実現するうえで、大塚商会にかける期待はますます大きくなることだろう。

出力紙は、トップデリバリートレイに排出されるため、その後の取扱いも非常に楽になった

出力紙は、トップデリバリートレイに排出されるため、その後の取扱いも非常に楽になった

京成電設工業株式会社

業種建設業
事業内容電気設備工事および保安設備の設計支援・施工・保守
従業員75名(2010年9月現在)
サイトhttps://www.keidenko.co.jp/