BIMソフトの導入支援やヘビーユーザーのサポート業務にHP Z420 ワークステーションを活用し顧客満足度を向上

オートデスク株式会社 ~HP Z420 Workstation編~

代表的な意匠設計用BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit Architecture」や建築用3次元CAD「AutoCAD Architecture」の導入支援やユーザーサポートなどを担当するオートデスク株式会社のソリューションコンサルタント、三井真則氏。三井氏は日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の「HP Z420 ワークステーション(以下、HP Z420)」を愛用している。大規模な建物をBIMで設計するユーザーから次々と依頼されるサポートにスピーディーにこたえるためには、ユーザーと同等以上のスペックを持ったマシンが必要だからだ。

オートデスク株式会社

導入事例の概要

導入のねらい

BIMソフトの導入支援やサポート、高画質レンダリング作業などの効率化。

導入システム

HP Z420 Workstation

導入効果

BIMソフト導入支援やサポート作業の顧客満足度の向上を実現。

HP Z420なら高画質のCGやアニメーション作成もスピーディーに

オートデスク株式会社は建築分野のBIMをはじめ、製造業やメディア・エンターテインメントなど幅広い分野で3次元ソリューションを提供するグローバル企業だ。三井真則氏は大手建設会社や建築設計事務所などで17年間にわたり建築設計の実務を経験した後、2007年にオートデスクに入社した。以来、実務経験を生かして意匠設計用のRevit Architectureや設備設計用のRevit MEP、建築用3次元CADのAutoCAD Architectureなどについて、導入時のアドバイスやプレゼンテーション、技術的なサポート、日本向けのローカライゼーション、講習などユーザーからのさまざまな要求にこたえている。

三井氏が愛用するHP Z420はインテル Xeon プロセッサを搭載し、グラフィックボードはNVIDIA Quadro(R) 4000、そしてメモリは24GBを搭載している。「プレゼンテーションではBIMソフトで作成した建物の3次元モデルから高画質のCGを何枚も作ったり、アニメーションを作ったりします。これらの業務は同時並行で進むことも多いので、レンダリングなどを短時間で処理できる高性能のワークステーションが欠かせません。その点HP Z420ストレスなく使えます。」と三井氏は言う。

「高画質のレンダリングを行う手法に、レイトレースという方式があります。光が反射する経路を一つ一つ計算していくので非常にリアルな仕上がりになりますが、長い計算時間がかかります。こうしたレイトレースによるレンダリングも2年前の最高同等レベルのマシンで15分かかっていた計算が、HP Z420だと9分で済むようになりました。」

BIMナビ

AECソリューション ソリューション コンサルタント 三井 真則氏

AECソリューション ソリューション コンサルタント
三井 真則氏

「大規模な建築プロジェクトの設計を行っているユーザーからの問い合わせに答えたり、サポートを行ったりするためには、オートデスク社内でも高いレベルのスペックを持ったマシンが必要です。そこで、HP Z420を使っています。」

BIMモデル規模に応じて自由自在に機能拡張できる

最近は2万から3万m2級の研究施設や養護施設などで、建築確認申請に使えるレベルまでBIMを活用する例も増えている。意匠、構造、設備を合わせた統合BIMモデルのファイル容量は1GBくらいになるという。「大規模な建築プロジェクトの設計を行っているユーザーからの問い合わせに答えたり、サポートを行ったりするためには、オートデスク社内でも高いレベルのスペックを持ったマシンが必要です。そこで選んだのがHP Z420です。」と三井氏は説明する。

HP Z420ワークステーションなら、拡張は自由自在。住宅から大型物件までさまざまな規模のBIMモデルをストレスなく扱える。

HP Z420ワークステーションなら、拡張は自由自在。住宅から大型物件までさまざまな規模のBIMモデルをストレスなく扱える。

グラフィソフトは「OPEN BIM」というBIM戦略をとっており「IFC形式」というBIMデータ交換標準を積極的に採用。ほかのBIMソフトベンダーが提供する企画や詳細構造設計、設備設計などのソフトとの間でデータ交換をスムーズに行えるように日々開発を進めている。桐木氏の仕事はまさにこの「OPEN BIM」戦略を支えるものだ。パートナー企業と連携して日本向けツールの開発や他社ソフトとのIFC形式によるデータ交換機能の向上も担当している。

「ツールレス設計」のため、メモリなどの増設や保守は工具なしでできる。配線もすっきりとまとめられ内部にはスムーズに気流が流れる。

「ツールレス設計」のため、メモリなどの増設や保守は工具なしでできる。配線もすっきりとまとめられ内部にはスムーズに気流が流れる。

「BIMソフトを使う意匠設計者は8GB程度のメモリはほしいところですが、4GBでも作業はできます。16GBもあれば、作業中の待ち時間などによるストレスはほとんど感じないでしょう。」HP Z420のメモリ容量は最低2GBから最大で64GBまで使える。設計者が使用するBIMソフトや業務の内容に応じて、自由自在に機能拡張できるのが特徴だ。メモリなどの増設や保守が工具なしで行える「ツールレス設計」になっている。

BIMの導入を検討している企業に対し三井氏がよく行っているのは「パイロットプロジェクト」として過去に2次元図面ベースで設計した物件を、Revit ArchitectureなどのBIMソフトを使って再度、設計する業務だ。三井氏が作成したBIMモデルでプレゼンを受けた顧客は、「設計が可視化できる」「部材の納まりが検討しやすい」などのメリットを実感し、ほとんどがBIMの導入を決断するという。「BIMソフトの操作やワークフローに慣れるまでは、従来の方法と設計時間はほとんど変わりません。しかし、設計変更や複数の設計案を作ったりするようになると、BIMの方がずっと短時間でできます。」と三井氏はアドバイスする。

オートデスクが推奨するスペック構成

BIMソフトなどの3次元設計ソフトは設計時の拡大・縮小、スクロールといった操作やレンダリングの処理などに、CPUとグラフィックボードの機能をフルに使う。そのためオートデスクはさまざまなソフトとOS、ワークステーションやパソコンの機種、グラフィックボードなどの組み合わせをテストし、合格したものを「推奨ハードウェア」としてウェブサイトで公開している。

Autodesk認定ハードウェア

例えばソフトに「Autodesk Revit 2013」、OSに「 Windows 7 64-bit」、そしてシステムベンダーに「HP」をそれぞれ選んで検索すると、推奨される日本HPのパソコンやワークステーションの一覧表が表れる。一覧表から「HP Z420」を選んでクリックすると、「Nvidia Quadro 4000」や「AMD FirePro V5900」などが表示される。推奨される構成にはテストに合格したことを表す緑色のアイコンが付いているので安心して使える。

ソフトベンダー自らがソフトとハードの相性をこれだけ徹底的にテストしていると、ユーザーにとっても最高の性能を引き出せるワークステーションやグラフィックボードを迷わずに選ぶことができる。「オートデスクでは、世界中のオフィスでHPのハードウェアが社内の標準機として採用されています。私の場合、日本HPのワークステーションに変えてからまだ故障したことはありません。」と三井氏は言う。

オートデスクのウェブサイトで公開されている「推奨ハードウェア」のコーナー。テストに合格したワークステーション本体とグラフィックボードの組み合わせを表示してくれる。

オートデスクのウェブサイトで公開されている「推奨ハードウェア」のコーナー。テストに合格したワークステーション本体とグラフィックボードの組み合わせを表示してくれる。

BIMユーザーが安心して使えるHP Z420

BIMソフトの性能が向上しBIMを活用するプロジェクトの規模が大きくなるとともに、ワークステーションの計算速度や処理能力も進化してきた。その一方で省エネ性能も高まっている。現行機種の消費電力は数年前に比べて約半分にまで減っている。またHP Z420のきょう体は機能性を考慮した設計になっている。ファンは静かで内部の気流の流れもスムーズなので、1日中スイッチを入れておいても騒音はほとんど気にならない。

「私のようなBIMのヘビーユーザーが使うHP Z420の構成では、メモリ16GB、ハードディスク1TBです。万一、故障した時にも、翌日に部品とともに駆けつけてくれる日本HPのサービスもあるので安心です。オートデスクのRevitなど、BIMソフトを使うユーザー向けのワークステーションですね。」と三井氏は感想を語った。

HP Z420の消費電力は数年前の機種に比べて約半分。ファンも静かなので1日中使っても騒音はほとんど気にならない。

HP Z420の消費電力は数年前の機種に比べて約半分。ファンも静かなので1日中使っても騒音はほとんど気にならない。

オートデスク株式会社

業界ソフトウェアベンダー
事業内容「Revit」シリーズなど建設業向けBIMソフトや製造業、メディア・エンターテインメントなど幅広い業種のソフト開発・販売・サポートなど
従業員210人(2012年3月現在)
サイトhttp://www.autodesk.co.jp/