東京国際空港国際線旅客ターミナルや新国立競技場など、日本を代表する数々の大規模設計を手掛けている株式会社梓設計(以下、梓設計)。
同社は2019年8月の新オフィス移転に伴う全面的なフリーアドレス化に際して、レノボのモバイルワークステーション「ThinkPad P1」を導入しました。圧倒的な処理能力と軽量化を実現したThinkPad P1により、フリーアドレス環境さらにはテレワーク環境においてもスムーズで快適な業務の遂行を実現しています。
株式会社梓設計
東京国際空港国際線旅客ターミナルや新国立競技場など、日本を代表する数々の大規模設計を手掛けている株式会社梓設計(以下、梓設計)。
同社は2019年8月の新オフィス移転に伴う全面的なフリーアドレス化に際して、レノボのモバイルワークステーション「ThinkPad P1」を導入しました。圧倒的な処理能力と軽量化を実現したThinkPad P1により、フリーアドレス環境さらにはテレワーク環境においてもスムーズで快適な業務の遂行を実現しています。
新オフィスへの移転に伴い、全面的なフリーアドレス化の実施が決定。デスクトップ型からノート型ワークステーションへの移行が実施される中で、従来のワークステーションと同等以上の性能を有し、かつ、持ち運びに優れた薄型軽量の機器が求められていた。
高い処理性能と持ち運びの容易性を兼ね備えた、レノボのモバイルワークステーション史上、最薄/最軽量のモデルとなる「ThinkPad P1」を採用、60台の導入を決定した。
持ち運びの容易性を実現しながらも、これまで利用していたデスクトップ型ワークステーションと同等以上の性能を発揮しており、フリーアドレス化の実施後もこれまでと変わらないスムーズな設計、デザイン業務に従事できる環境を獲得。テレワークでの活用も進んでおり、自宅にいながらでもオフィスにいるのと変わらない働き方を実現した。
1945年に創業者である清田文永を中心に開設された梓建築事務所を前身に、70年以上の歴史を持つ梓設計。意匠設計、構造設計、機械設備設計、電気設備設計、工事監理といった総合的な機能を生かした組織型設計事務所として、日本を代表する数々の施設や大規模プロジェクトの設計に携わってきました。
東京国際空港国際線旅客ターミナルや新国立競技場はその一例であり、現在では、「交通インフラ」「スポーツ・エンターテインメント」「都市・商業」「ヘルスケア」「ワークプレイス」「物流・生活インフラ」の六つのドメインを強みに事業を展開しています。
梓設計は、設計業務におけるITの活用も積極的に推進しています。2006年からBIM(Building Information Modeling)の導入検討を開始し、2009年には本格的にBIMを活用した設計業務に着手しています。さらに効率的かつ高品質な設計生産プロセスを確立するべく、AZ_BIMS(AZUSA_BIMマネジメントシステム)を構築。常に最新のBIM活用に関するノウハウを収集・検証、そして情報展開しながら、多種多様な設計業務に取り組んでいます。
また、2015年には「Dワークス」と名付けられた、デジタル技術の活用と情報蓄積のための専属部門を設立。同部門のスタッフは、作図業務の傍ら、設計者が作図・モデリング技法の習得とスキルアップを図れるよう日常的なサポートを行うほか、シミュレーションやプログラム開発も手掛けるなど、設計者との協働体制でさまざまなプロジェクトに参画しています。
梓設計 アーキテクト部門 Dワークス 主幹 CGディレクターの奥村剛氏は、「Dワークスは、当社の中でも最先端のITを取り扱う部門です。例えば、3次元モデリングツールのRhinocerosを用い、デザインに合わせて構造・環境性能などをシミュレーションしていく『コンピュテーショナルデザイン』を推進するなど、設計品質の向上や業務効率化を支援しています」と説明します。
Dワークスは、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、VR(仮想現実)といった最先端のデジタル技術の活用にも取り組んでいます。まずは2019年8月の本社事務所の移転を機に、自社オフィス内にIoTセンサーを配置。温度や二酸化炭素の濃度といった情報をセンサーで収集し、さらにVR技術を用いて可視化するなど、自らをモデルケースとして、快適なオフィス空間の構築とその実証に向けた取り組みを積極的に進めています。
アーキテクト部門 Dワークス 主幹 CGディレクター
奥村剛氏
「Dワークスは、設計品質の向上や業務効率化を支援するグループ」と語る奥村剛氏
梓設計は2019年8月、社員増加によるオフィス狭あい化の解消とよりクリエイティブで生産的なオフィス環境を目指して、東京都品川区の天王洲と羽田に分散していた本社機能を統合し、新オフィスへの移転を行いました。新オフィスでは5300m2のワンフロア空間で、個人が働く場所を選べるフリーアドレスを導入。より機動力のある働き方が求められていました。
「その目的には、闊達(かったつ)なコミュニケーションの推進によるイノベーションの創出や、組織を横断したプロジェクトへの対応のほか、共有資料のペーパーレス化の推進などが挙げられます」(奥村氏)。
2年前より既に段階的にフリーアドレスを導入していた同社。何よりも働き方が多様化、業務範囲が広範化した社員に対する体制、基盤強化の対応としてフリーアドレスの加速があると言えるでしょう。
より生産性が高く、意欲的に業務に取り組んでもらえる環境を作りたいという経営陣の思いが、この全面フリーアドレス化からもうかがえます。そうしたフリーアドレス化の加速に際して課題として浮上したのが、Dワークスが日々の業務で活用しているワークステーションのリプレースでした。
「これまではデスクトップ型のワークステーションを用いて業務を行っていましたが、フリーアドレス化に伴い、ノート型のモバイルワークステーションへ移行することになりました。そこで掲げられた要件が、日々の業務を円滑に行えるよう十分なスペックを有していること、そして持ち運びのしやすさでした。処理性能の高さは言うまでもありませんが、Dワークスには女性スタッフが多く、軽くて持ち運びが容易であることが必須条件だったのです」(奥村氏)。
これらの要件に基づいて、2018年末に梓設計は国内外主要メーカー4社に提案と実検証を行うためのデモ機の貸し出ししを依頼。2019年初から6月にかけて、各社のPCの比較検討に着手します。
「具体的にはオートデスク社のAutoCADなど、Dワークスのスタッフが日常的に使っている各種ツールをインストールし、メーカー各社から提供されたノートPCやモバイルワークステーションを実際に使ってもらいました」(奥村氏)。
検証後に行われたスタッフへのアンケートの結果、多数決によって選出されたのが、レノボの「ThinkPad P1」でした。ThinkPad P1は、約18.4mmの薄さと約1.7kgの質量を実現した、レノボのモバイルワークステーション史上、最薄/最軽量のモデルです。
15.6インチLCDながら狭額縁デザインで小型化を果たしており、CPUも最新の第8世代インテル Xeon 、またはCore i7の最大6コア・プロセッサーを搭載することが可能です。グラフィックボードもNVIDIA Quadro P2000 / P1000が搭載でき、優れた処理能力により、映像編集や建築・設計、製品デザインなどの用途に向け、モバイルながら快適な作業環境を実現します。
「ThinkPad P1選択の決め手となったのは、軽さと性能です。検証に参加したスタッフから『軽くて、持ち運びがしやすい』との評価の声が多数寄せられました。また、パフォーマンスについても、これまで使っていたデスクトップ型のワークステーションと遜色がないことも大きな評価ポイントとなりました。さらに、外付けグラフィックボードを装着することで、より負荷の高い処理にも対応可能であることも選択の理由となりました」(奥村氏)。
このほかにも奥村氏がThinkPad P1を選択する際の評価点となったのが、レノボの手厚いサポートでした。
「検証を行うに当たり、他社メーカーは当方の要望に対してスペックが不十分なノートPCしか準備できなかったり、提示した期間までに用意できなかったりしたのに対して、レノボはすぐに検証機を用意してくれただけでなく、ThinkPad P1以外のノートPCも提供してくれたので、詳細な比較を行うことができました。
そうした検証時からの対応の良さもレノボを選んだ理由となりました」(奥村氏)。
梓設計は2019年6月にThinkPad P1の採用を決定。レノボの協力の下、8月のオフィス移転前には導入作業を完了させることができました。
今回、60台のThinkPad P1が導入されており、先述したAutoCADのほか、BIMソフトウェアではグラフィソフト社の「ARCHICAD」やオートデスク社の「Revit」、Act-3D社のBIM/建築3次元用プレゼンテーションソフトウェア「Lumion」などが活用されています。
ThinkPad P1について、Dワークスのスタッフからは次のような評価の声が寄せられています。
「はじめは『ノート型に移行したら業務に支障が出るのでは』と不安視していましたが、実際に使ってみたらThinkPad P1は十分な性能を発揮しており、むしろ以前よりも快適に作業が行えるようになっています」(アーキテクト部門 Dワークス 村田由香氏)。
「ThinkPad P1は起動も早く、性能面では申し分ありません。また、負荷の高い処理を行ってもこれまで使っていたワークステーションのようにファンの音がせず、静穏性にも優れていると感じました」(アーキテクト部門 Dワークス 緑川由美子氏)。
「育児を行いながら仕事をしているため、月に2~3回ほどテレワークを行っています。以前支給されていたテレワーク用のノートPCよりも格段に性能が向上したことで、自宅でもオフィスにいるのと同じように快適に仕事ができるようになりました。
持ち運びの際も、軽いため普通のトートバッグに入れて運ぶことができるのは女性にとってはとてもありがたいですね」(アーキテクト部門 Dワークス 櫻井律子氏)
との声も寄せられています。
なお、外付けのグラフィックボードは、NVIDIA Quadro、およびNVIDIA GeForceが主にCGを担当するスタッフによって利用されており、奥村氏も用途に応じてこの二つを使い分けているといいます。
ThinkPad P1の導入によって、フリーアドレス化したオフィスやテレワーク環境においても、ストレスのない、快適な作業環境を実現できた梓設計。奥村氏は次のように話題を締めくくりました。
「ワークステーションをモバイルで使うケースはまだ少ないと思いますが、ThinkPad P1は当初に期待したとおりの効果をもたらしています。導入後も安定稼働を続けており、トラブルも発生していません。性能と可搬性に優れていることからお客様のところに持参してプレゼンや打ち合わせも行えるので、他部署の設計チームにも使ってもらいたいですね」(奥村氏)。
アーキテクト部門 Dワークス 主幹 CGディレクター
奥村剛氏
「ThinkPad P1を導入した理由は、高い処理性能と薄型/軽量による持ち運びの容易性を兼ね備えていたことです。また、CAD・BIM・CGそれぞれの職能にも対応できるスペックが気に入りました。」
アーキテクト部門 Dワークス
村田由香氏
「実際にThinkPad P1を使ってみたところ、全く遜色はなく、むしろ以前(デスクトップ型)よりも快適に作業が行えるようになっています。」
アーキテクト部門 Dワークス
緑川由美子氏
「負荷の高い処理を行ってもこれまで使っていたワークステーションのようにファンの音がせず、静穏性にも優れていると感じました。」
アーキテクト部門 Dワークス
櫻井律子氏
「持ち運びの際も、軽いため普通のトートバッグに入れて運ぶことができます。」