建築GX・DX推進事業

国土交通省によるBIM補助金事業が、2025年より「建築GX・DX推進事業」と名称変更され、補助申請受付が開始されました。今年こそBIMに本格的に取り組みたいが費用面で不安がある方、既にBIMを活用しているものの、さらなる成果を目指してツールの追加導入や運用強化を検討している方は「建築GX・DX推進事業」の活用をぜひご検討ください。

応募総額が予算額65億円(令和7年度4月時点)に達した場合には申請受付が打ち切りとなりますので、早々に検討されることを強くお薦めします。

建築GX・DX推進事業実施支援室

まずは、昨年度までの補助事業と比較した今年度の建築GX・DX推進事業について変更ポイントなどをご紹介します。

【初心者向け】国による建築GX・DX推進事業のポイント(セミナーアーカイブ)

BIM導入補助金「令和7年度 建築GX・DX推進事業」のポイントを解説。コストを抑えたい企業様や、大塚商会の活用法に関心のある方はぜひご覧ください(本動画はセミナーアーカイブとしてご視聴いただけます)。

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本事業の個別説明やお困りごとは大塚商会までご相談ください

大塚商会では「建築GX・DX推進事業個別説明会」を開催しています。BIM導入を検討中の方、具体的な活用方法でお悩みの方、制度の詳細を知りたい方など、お気軽にお申し込みください。

建築GX・DX推進事業個別説明会

建築GX・DX推進事業とは?

建築GX・DX推進事業は、国土交通省が実施する補助金制度です。建築物のCO2排出を減らす取り組み(GX:グリーントランスフォーメーション)と、BIM活用による業務効率化(DX:デジタルトランスフォーメーション)を同時に支援するのが特徴です。

複数の事業者が連携してBIMデータを作成したり、建物のLCA(ライフサイクルアセスメント)を行ったりした場合、その際にかかった設計費や工事費の一部が補助されます。

BIM活用に関する補助率は「建設プロジェクト事業で使った分の1 / 2」

建築GX・DX推進事業では、補助事業区分に応じた経費に対して補助金を申請できます。区分は「BIM活用型」と「LCA実施型」の二つがあり、どちらか一方のみ、または両方を組み合わせて申請できます。

大塚商会では、このうち「BIM活用型」の補助事業に関して申請・導入をサポートします。

BIM活用型

事業要件を満たす建設プロジェクトにおいて、建築BIM(Building Information Modeling)に関連する費用のうち、最大で1 / 2が補助対象となります。BIMの導入・活用に係るコストを大きく軽減できる制度です。

補助対象

(1)BIMソフトウェア利用費

本事業にて経費対象ソフトウェアに認定されているBIMソフトウェア

  • BIMモデリングソフトウェア
  • アドオンソフト
  • アドインソフト
  • ビューアーソフト など
(2)BIMソフトウェア関連費

BIMソフトウェアを利用するために必要な周辺機器利用料。BIMソフトウェアの導入と併せることで対象となる(単独での申請は不可)

  • パソコン
  • モニター
  • ARゴーグル など
(3)CDE環境構築費、利用費

各作業者がBIMデータをクラウド上で情報・資料共有などをするための環境「CDE(共通データ環境)」の構築費

  • 初期構築費
  • クラウドサーバー利用費(物理サーバーは対象外)
  • サーバーアクセス利用費 など

データ通信料など従量課金に係る費用は対象外

(4)BIMコーディネーター人件費本事業にて申請したプロジェクトの全体の環境整備や支援を実施する者の人件費。
原則1名とし、2名以上を補助対象とする場合には、必要性など詳細説明が実施支援室より求められる。
協力事業者がプロジェクト実施に係る環境整備を他事業者に直接委託する場合、1事業者当たり100万円を上限に補助対象とされる。
(5)BIMマネージャー人件費

各事業者が作成したBIMモデル管理費など、BIM全体の運営を行うものの人件費。
協力事業者が行う場合も1事業者当たり100万円を上限に補助対象とされる。

BIM全体運営に該当する人件費に限る。BIMモデル作成業務のみは補助対象外とされる。

(6)BIM講習実施費用

代表事業者が各事業者従業員に対する建築BIM利用に関する講習会に要する経費。
外部委託の場合にはその委託料が補助対象となる。

  • 講師謝礼金
  • 会場費
  • テキスト印刷費
  • 機器レンタル費 など
(7)BIMモデラー人件費

BIMモデルの編集・作成に係る人件費が対象とされる(詳細は後述「BIM活用型ではBIMモデラーの人件費が補助対象」を参照)。
ただし、次の場合は対象外とされる。

  • 元請事業者等のうち従業員が1,000人超の事業者
  • 元請事業者等および下請事業者等のうち本事業を最初に活用した年度から起算して4年度目以降となる事業者
    (例:令和6年度までの建築BIM加速化事業活用事業者は、本事業では活用初年度を2年度目となる)

限度額

限度額は、BIMモデル構築に要する費用、かつ、下表条件で定められる金額を超えない額になります。

延べ面積設計費建設工事費
10,000m2未満25,000千円40,000千円
10,000m2以上 30,000m2未満30,000千円50,000千円
30,000m2以上35,000千円55,000千円
  • * 最低面積の要件はありません。

LCA実施型

建築物のライフサイクルアセスメント(LCA)を実施するために係る費用が補助対象となります。事業要件を満たすことで、LCA算定に必要なCO2排出量の原単位を策定するための費用も補助対象となります。

補助対象

  1. LCA算定に係る人件費(委託費を含む)
  2. CO2原単位等策定に係る人件費(注1)
  3. CO2原単位等策定に必要なデータベース利用費(注1)
  4. 第三者検証費用(注1)
  5. CO2原単位等公開費用(注1)
  6. CO2原単位等の策定に係る算定ツール利用料
  • (注1)LCA算定と合わせて、算定に必要なCO2原単位なども策定する場合の補助対象経費。

BIM活用型の対象とおすすめ活用術

建築GX・DX推進事業のBIM活用型の対象は、次の要件を満たす建築物や取り組みが含まれます。これらの条件を満たすことで、設計調査費や建設工事費に対して補助を受けられます。

  1. 元請事業者等が「代表事業者」となり、本事業の実施に際して下請事業者等と2社以上でBIMの導入支援をすること。
  2. 本事業によりBIMを活用する全事業者が、BIM活用事業者登録制度においてBIM活用事業者として登録と補助事業完了後3年間、BIMの活用状況の報告をすること。
  3. 元請事業者等においては、本補助事業の活用により整備する建築物について、維持管理の効率化に資するBIMモデルを整備する旨の宣言として、本事業で最終的に作成するBIMモデルの仕様や概要について記載すること。

整備する建築物の要件

次の(1)か(2)の要件のいずれかを満たす必要があります。

(1)新築の大規模プロジェクトの場合

(1)新築の大規模プロジェクトの場合、次の1~3の全てを満たし、かつ、BIMの活用により業務の効率化または高度化に資するものとして国土交通省が定める利用方法のいずれかを用いること。

  1. 敷地に接する道路の中心線以内の地区面積が1,000m2以上であること。
  2. 延べ面積が1,000m2以上であること。
  3. 地階を除く階数が3以上であること。

国土交通省が定める利用方法

  • クラウド上でのモデル共有等による関係者間の高効率なコミュニケーションや合意形成における活用
  • 環境影響に対する設計最適化等のシミュレーションにおける活用
  • BIMデータの重ね合わせによる干渉チェック等の整合確認における活用
  • 工事計画モデル等を用いた施工現場における安全管理や工程管理における活用
  • 重機や車両の配置、資材搬送計画等の施工計画における活用
  • 建機と連動したICT施工等の工事管理における活用
  • モデルデータと連携した部材加工や製品検査における開発

上記以外の利用方法ついては、具体的な活用の内容を支援室に提出し、審議となります。

(2)プロジェクトに係る全ての建築物の場合

(2)プロジェクトに係る全ての建築物は、次に掲げる要件を満たすこと。

  1. 耐火建築物等または準耐火建築物等であること。
  2. 建築物エネルギー消費性能基準に適合すること(改修の場合は規制対象建築物に限る)
  3. 原則として以下に掲げる要件を満たすこと。
    a.土砂災害特別警戒区域外または土砂災害に係る災害危険区域外に存すること。
    b.都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨が公表されているものではないこと。
    c.都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項に規定する市街化調整区域であって土砂災害警戒区域または浸水想定区域(浸水想定高さ3m以上の区域に限る)に該当する区域外に存すること。

補助金交付の条件としてより細かな上限がありますが、特に継続した報告義務が必要となります。そのため、これからBIMに取り組もうと考えている方々よりは、BIM活用する対象事業はもちろんですが、BIM活用の目的まで明確に設定されている方々が有効活用すべき補助事業であると考えます。

BIMモデラ―の人件費が補助対象

本事業では、BIMモデルの編集・作成係る人件費が補助対象とされています。

来年度2月末までの期間に要した人件費が事業者当たり1,000万円を上限に、主に代表事業者(元請事業者等)と協力事業者(下請事業者等)による「導入初期BIMモデル」の内作費用の一部が補助対象とされています。また、次の2点については委託利用も補助対象とされています。

  1. BIMの高度な活用を図るためのBIMモデル作成人件費
  2. 維持管理BIMモデル作成人件費

実際に委託利用をご検討される場合には、実施支援室に作成するBIMモデル用途について個別に確認する流れとなります。

建築GX・DX推進事業の相談窓口

建築GX・DX推進事業に関するお問い合わせ先は以下になりますが、本事業を利用してのBIM導入のご相談や個別説明会は、大塚商会にご相談ください。

建築GX・DX推進事業実施支援室
〒135-0016 東京都江東区東陽4-1-7 佐藤ダイヤビルディング5階
TEL:03-6803-6766
受付:月~金曜日(祝日、年末年始を除く)10:00~17:00(12:00~13:00除く)

本事業の個別説明やお困りごとは大塚商会までご相談ください

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関連情報

そのほかの補助金制度

建築GX・DX推進事業のほか、今年度も「IT導入補助金」が実施されています。ただし、オートデスク製品は購入方法が変更されたため、IT導入補助金の対象外となりますのでご注意ください。

IT導入補助金