サーフェス間の接触をまとめて定義できる「一般接触」とは?

3DEXPERIENCE Works Simulationでアセンブリモデルの接触を定義

アセンブリモデルの構造解析を実施する際、接しながら変形するサーフェス間に「接触」を定義する必要があります。3DEXPEREINCE Works Simualtionにおける接触の定義は、サーフェスベース接触、一般接触の二つがあります。

サーフェスベース接触

接触を定義したいサーフェスのペアを手動、または自動検出により選択します。接触を定義していないサーフェスのペアはお互いに認識せず貫通します(相互作用なし)。そのため、接触を定義する箇所は事前にユーザーが判断する必要があります。

図1にサーフェスベース接触のイメージを示します。部品Aと部品Bに対し、A-1とB-1のサーフェス間にサーフェスベース接触を定義した場合、A-1とB-1は接触、A-2とB-1、A-3とB-1、A-4とB-1は相互作用なしとなります。

図1:サーフェスベース接触のイメージ

一般接触

アセンブリモデルを構成する全ての部品におけるサーフェス間に自動的に接触が定義されます。

図2に示すように4部品から構成されるアセンブリモデルの場合、部品Aと部品Bのサーフェスペアの組み合わせ4通り、部品Aと部品Cのサーフェスペアの組み合わせ12通り、部品Aと部品Dのサーフェスペアの組み合わせ16通り、部品Bと部品Cのサーフェスペアの組み合わせ3通り、部品Bと部品Dのサーフェスペアの組み合わせ4通り、部品Cと部品Dのサーフェスペアの組み合わせ12通りの合計51通りの接触をまとめて定義することができます。

また、自身のサーフェスの接触(自己接触)も考慮されます。そのため、一般接触は接触箇所の数が多い多部品から構成されるアセンブリ、または複雑なトポロジーを持つモデルに適しています。

図2:一般接触のイメージ

一般接触を定義した解析例

ここでは、図3に示す外形31mmのパイプに内径30mmのホルダーを取り付ける解析を実施します。一般接触を定義した際のホルダーとパイプの動きを確認します。

図3:パイプホルダーの解析

解析結果

図4に取り付け途中と取り付け後の応力分布を示します。パイプの外面とホルダーの先端が接触しながら動いていることが分かります。また、取り付け後は、パイプの外面とホルダーの内面が接触し、ホルダーに応力が生じていることが分かります。

  • 図4:パイプホルダーの応力分布(取り付け途中)

  • 図4:パイプホルダーの応力分布(取り付け後)

まとめ

一般接触を使用すると接触箇所を考えずにもれなく接触の定義ができます。接触を定義する箇所が多く、お悩みでしたら一般接触をご活用ください。