Graphisoft社がBIMソフトウェア「Archicad 26」をリリース

Graphisoft社 2022年7月14日

建築向けBIMソフトウェアのリーディングカンパニーであるGraphisoft社は2022年7月14日、同社製BIMソフトウェア「Archicad 26」の最新リリースと、「BIMcloud」、「BIMx」、「DDScad」ソリューションのアップデートを発表した。自動化された設計、ドキュメンテーション、コラボレーションワークフローの強力な改善と、簡単に利用できる専門的なビジュアライゼーションツールにより、建築家と技術者は設計作業に多くの時間をそそぐことができるようになった。

市場で最も効率的かつ直感的なBIMソフトウェアであるArchicadを使えば、建築家は強力な内蔵ツールと使いやすいインターフェイスにより、あらゆる規模のプロジェクト設計、ビジュアライズ、ドキュメント化等が可能となる。

Archicad 26の新機能

設計 - 建築家はプロジェクト管理に費やす時間を減らし、設計により多くの時間を費やすことができるようになった。Archicad 26では、プロジェクトの規模と複雑さが増大し続けているときにおいても、チームの整理とファイルの効率化を継続して支援する。Graphisoft社ソフトウェアサクセス担当副社長のZsolt Kerecsen氏は次のように述べている。「Archicad 26の強力な機能強化により、ユーザーは設計に集中しながら、よりスムーズな設計、ドキュメント作成、コラボレーションワークフローを通じて生産性を向上させることができるため、設計にかける時間をより多く確保できるようになりました。そしてArchicad 26から新たに発表されたアダプティブハイブリッドフレームワークアプローチにより、新しい技術をより早く市場に投入することができます。」機能例は以下の通り。

  • 構造化された階層を通じた、より直感的なナビゲーションと属性の管理
  • 設計プロジェクト内の特定ビューとレイアウトを判別し、誘導する
  • サーフェス開口部のモデリングと文書作成の高速化
  • グラフィカルな編集方法によるスマートなパラメトリックオブジェクトの作成(Graphisoft Forward購読者のみ使用可能)
  • 地域の基準と要件を満たすカスタマイズされたキッチンキャビネット
  • 円および楕円のラジアルストレッチの2D編集機能が改善

FJMT社(オーストラリア)の社長Johnathan Redman氏は、「ドキュメント作成段階での効率性を設計に還元することができます」と述べている。

ビジュアライズ - より迅速なクライアント承認 - 建築家は、プロフェッショナルですぐに使えるソリューション、モダンなテクスチャーと家具、強力なBIMxウェブおよびデスクトップビューアーの更新により、魅力的なビジュアライゼーションを迅速かつ容易に作成することが可能となった。機能例は以下の通り。

  • シンプルで情報量の多いワークフローと、テクスチャー、ファイルサイズ、エクスポート時間をより簡単に制御できる強力な3Dモデルパブリッシング。BIMxウェブビューアーとBIMxデスクトップビューアーは、その場のレンダリング、プロジェクト方向の反映、3Dモデル内のカメラビューコーンなど、さらにリアルなビジュアライゼーションを新たに搭載した。
  • サーフェスカタログへ新たに追加されたコンテンツにより、迅速かつ簡単なクライアント承認が可能となった。(Graphisoft Forward購読者のみ利用可能)
  • 2年間契約で1年間のEnscape無償サブスクリプションが付属 - リアルタイムレンダリングとバーチャルリアリティーの組み合わせによる視覚的分析を直接モデリングツールに取り込むことで、建築家は優れた建築の構想に集中することができる。(Graphisoft Forward購読者のみ利用可能)

ハンガリーDVMグループの建築ビジュアライゼーション担当ディレクターのCsanad Meszes氏は次のように述べている。「建築のビジュアライゼーションは芸術です。Archicadと接続されたオフラインおよびリアルタイムのレンダリングツールを使えば、そこに限界はありません」

コラボレーション - Archicad 26では、構造解析モデルワークフローの改善とユーザビリティーの向上によって、建築家と構造エンジニア間の相互運用をより迅速かつ円滑に行えるようになった。機能例は以下の通り。

  • Archicad 26では、建築家と構造エンジニア間の相互運用性がより速く、そして自動化されているため、時間を節約してモデル内の詳細情報へのアクセス性が向上した。
  • ワンクリックで直接接続できる機能により、FRILOでの作業時間が短縮された。
  • Archicadと構造解析アプリケーション間のワンタッチ情報交換により、建築家と構造エンジニアの認識が常に一致する。
  • 複雑なセグメントをより良く表現するマルチプロファイル解析要素により、構造解析の計算精度が向上。
  • 信頼性の高いエネルギーとCO2の建築材料データにより、建物の正確なライフサイクル解析とサステナビリティーレポートの作成。(現在Archicad 26の一部のローカライズされたバージョンで利用可能。)

アメリカPappageorge Haymes社のシニアアソシエイトであるRobert Harris氏は、「弊社ではGraphisoftのソリューションを使ってコラボレーションを行い、チームの全員からフィードバックを得ています。」と述べている。

ドキュメント - Archicad 26は、ドキュメントワークフローの強化により、より速く、より正確なドキュメントが導入された。機能例は以下の通り。

  • 自動レイアウトの新しいオートテキストにて時間を節約し、より速く、正確なドキュメントでエラーを減らすことができる。
  • 不必要なスクロールをすることなく、一度に複数のルールを検索し、組み合わせに追加できる。
  • モデル内で既に利用可能な情報を複数の方法で使用することで、文書化を迅速かつ簡単に行うことができる。
  • ワンクリックでPDFから複数のページを取り込み可能。

インターナショナル版、アメリカ、イギリスとアイルランド、ドイツ、オーストリア、フランス、イタリアのローカライズパッケージが先行して公式ダウンロードサイトにて公開された。その他29のローカライズされたパッケージも随時公開する予定としている。

BIMcloud - 優れた建築はコラボレーションから

COVID-19の流行によって、建築・設計企業は仕事のやり方を変えざるを得なくなり、そしてどこでも仕事ができるようになったことから、オンラインコラボレーションとオフィスインフラへのリモートアクセスが必要となった。BIMcloud Software as a Service は、場所や使用するソフトウェアに関係なく、自宅、オフィス、建設現場間のギャップを解消する。建築家は、Graphisoftがクラウドで提供する独自の安全なBIMcloudにより、共有プロジェクトにリアルタイムで迅速、効率的、かつ安全にアクセスすることができる。機能例は以下の通り。

  • BIMcloud SaaSは、迅速、簡単、かつ手ごろな価格で利用が始められる。建築家は、ハードウェアに追加投資することなく、すぐにクラウド上でプロジェクトの共有を開始できる。
  • BIMcloud SaaSは簡単に使用でき、ITの経験がなくてもクラウド上で迅速かつ安全にファイル共有が可能となっている。
  • 業務量に応じて規模を拡大または縮小することができ、料金はその都度支払うことが可能。

BIMcloudの新機能
100,000以上のファイルストレージ容量をサポートプライバシー保護システムの強化により、プロジェクトの安全性が向上した。旧バージョンのファイル保存期間をカスタマイズすることで、サーバーのストレージスペースを最適化できる。

BIMx

デスクトップ、モバイル、インターネット向けの最も人気のあるプレゼンテーションおよびコラボレーションツール。受賞歴のあるBIMxを使用して、設計スタジオ、クライアントのオフィス、建設現場間のギャップを埋めることができる。

BIMxの新機能
最新バージョンのArchicad 26は、BIMx機能の主要なアップデートを備えている。ユーザーがどのプラットフォームを使用しているかにかかわらず、没入感のある3D環境によって、顧客の購買意欲をこれまで以上に高めることができる。

  • BIMxモバイルのリアルタイムシャドウは、モバイルBIMxバージョンでさらにリアルな外観が提供される。
  • BIMxデスクトップビューアーでは、Archicadのテクスチャーエクスポートの現実感、シンプルなパブリッシャーワークフロー、新しいカスタマイズ機能が利用可能。
  • クライアントがどのプラットフォームを使用しているかにかかわらず、没入感のある3D環境を実現。

DDScad - 優れた建築とパフォーマンスの融合

今年初め、Graphisoft社とData Design System社(現Graphisoft Building Systems社)が合併し、Graphisoft社のエコシステムに機械、エンジニアリング、配管(MEP)機能が追加された。DDScadを使用することで、エンジニアはBIMプロジェクト関係者とシームレスにコラボレーションしながら、高品質なMEPプロジェクトを期限内、予算内に設計、納品することができる。DDScadは、インテリジェントなMEP設計ツール、統合された計算、建築システムのための包括的なドキュメントソリューションによって、優れた建築と最高の建築性能を両立することができる。

DDScadビューアー - IFCファイルを簡単に処理
DDScadビューアーは、複数ファイルおよび異なるファイル形式を無料で処理できる強力なIFCビューアーで、ユーザーはこれらのファイルを閲覧、確認、編集、作成することができる。DDScadビューアーは、高度な衝突検出分析、強力なIFCデータの視覚化、BCFサーバーとの双方向インターフェイスなど、オープンBIMモデルを調整するための機能が提供されている。

  • Archicadに似たユーザーインターフェイスは優れた操作性を実現。
  • IFC、BCF、gbXML、その他のファイル形式を処理可能。
  • 複数のIFCファイルを使用した場合の衝突検出解析が可能。
  • BIM Collaboration Format(BCF)をサポートし、容易かつ正確な課題管理を実現。
  • 表示するIFCモデルの数に制限はなく、プロジェクト全体を可視化可能。

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