Inventor Nastranで非線形解析をしてみよう

板バネの変形を解析

Inventor Nastranには非線形解析の機能があり、静的もしくは動的な荷重の元での非線形構造計算ができるようになっています。今回は板バネの変形をInventor Nastranで解析した例をご紹介します。

問題

図1に示すような板バネに対して非線形解析を実施します。板バネは変形が大きいため、幾何学的非線形問題として計算を実行する必要があります。

また、板バネの上にある部品を押し込むことにより板バネを圧縮させることになりますが、接触箇所が変化するため板バネとの間には接触条件を定義し、境界非線形(接触)問題として計算を行う必要があります。

図1:板バネモデル

要素作成

板バネにシェル要素を用いると計算コストを下げることができます。

Inventor Nastranでは、シェル要素とソリッド要素を混在させて計算させることができるようになっています。図2の有限要素モデルでは板バネがシェル要素になっています。バネに押し付ける部品はソリッド要素になっています。

図2:有限要素モデル

材料設定

Inventor Nastranの非線形解析では材料非線形も取り扱えます。今回は2直線近似タイプの弾塑性モデルとして計算します。降伏条件を超えると塑性し、接線係数に従い変形するようになります。

図3:弾塑性材料の定義

接触条件

接触しそうな箇所にはあらかじめ接触条件を定義しておきます。Inventor Nastranでは結合や分離のほか、いくつかの接触タイプが用意されています。

図4:接触タイプ

解析結果

接触部分が変化し、板バネが大きく変化します。板バネに与えた強制変位を元の位置に戻しても形状は元には戻らず、塑性してしまったことが分かります。

図5:応力分布の変化

まとめ

Inventor Nastranによる板バネの解析事例をご紹介しました。試作品を作る前に構造物の変位や応力などの予測ができれば、手戻り削減に効果的です。Inventor Nastranの非線形解析をご活用ください。

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